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識者がワイルドカードシリーズの勝敗を予想! 下剋上は望み薄か

2025.9.30 15:58 Tuesday

 2025年のポストシーズンがあす30日(日本時間10月1日)から始まる。第1ラウンドは第3シード以下の両リーグ8チームが登場するワイルドカードシリーズだ。ア・リーグは第3シード・ガーディアンズが第6シード・タイガースを迎え撃ち、第4シード・ヤンキースと第5シード・レッドソックスによる因縁のライバル対決も実現。ナ・リーグではディフェンディングチャンピオンの第3シード・ドジャースが第6シード・レッズを本拠地に迎え、ともに日本人選手を擁する第4シード・カブスと第5シード・パドレスが対戦する。白熱必至の戦いを前に、MLB.comの識者がワイルドカードシリーズの勝敗を予想した。

ガーディアンズ対タイガース 予想:ガーディアンズ

 昨季、ガーディアンズが地区シリーズでタイガースをフルセットで下した後、ワイルドカードシリーズで再戦するこの両球団のライバル関係はさらに白熱している。今季、ガーディアンズは前半戦メジャー最高勝率で独走していたタイガースを猛追し、最大15.5ゲームをひっくり返すメジャーリーグ史上最大の逆転劇で地区連覇。ワイルドカードシリーズのホームフィールドアドバンテージを獲得し、本拠地プログレッシブフィールドでタイガースを迎え撃つ。

 このシリーズの予想は大きく分かれた。絶好調のガーディアンズが勝ち進むと予想する識者がわずかに多かったものの、絶対的エースであるタリック・スクーバルに賭けてタイガースの突破を予想する声もあった。

◆ガーディアンズ派
「ガーディアンズはシーズン最後の2週間の直接対決で5勝1敗と好調で、勢いに乗っている」(ジェイコブ・ガービス)
「2024年のメッツがそうだったように、勢いは重要だ」(ダグ・ガウセポール)
「ガーディアンズは運命づけられたチームなのか?9月のローテーションが劇的に改善したことで、まさにそう思える」(アリソン・ワックスマン)

◆タイガース派
「直近69試合のうち41試合に負けたことで勢いはついていないが、タイガースは勝ち進むための完璧な布陣を誇る。初戦をリーグ最高の投手(スクーバル)で取り、残り2試合を1勝1敗で乗り切れば良い」(トム・ヴォーシス)

ヤンキース対レッドソックス 予想:ヤンキース

 MLB屈指のライバル関係がポストシーズンで再燃。ヤンキースとレッドソックスが過去5年で2度目のポストシーズンにおける直接対決を行う。両球団は1999年にポストシーズンで初対戦して以来、12勝12敗と互角の成績を収めている。直近の対決では2021年のワイルドカードゲームでレッドソックスが勝利した。

 レッドソックスは今度は下位シードとして、敵地ヤンキースタジアムに乗り込むが、その再現を期待できる理由はある。今季ヤンキースとの直接対決では9勝4敗と大きく勝ち越し、ヤンキースタジアムでも5勝2敗を記録している。

 しかし、投票は約3分の2がヤンキースに流れた。絶対的主砲アーロン・ジャッジを筆頭に、ジャンカルロ・スタントン、コディ・ベリンジャーらを擁する強力打線はもちろん、そしてマックス・フリードとカルロス・ロドンのベテラン左腕コンビは重いワンツーパンチだ。フリードがレッドソックスのサイ・ヤング賞候補ギャレット・クローシェと相見える初戦は注目のカードとなるだろう。

◆ヤンキース派
「レッドソックスはレギュラーシーズンではヤンキースタジアムで善戦したが、今季のチーム状況でポストシーズンのヤンキースタジアムで2勝するのは至難の業だと思う」(デービッド・ヴェン)
「ヤンキースはとにかく攻撃力が強すぎる。ジャッジはポストシーズンで必ず結果を出すはずだ」(レット・ボリンジャー)
「ローマン・アンソニー(レッドソックス)が健康であれば、答えは違っていただろう」(マット・マイヤーズ)

◆レッドソックス派
「レッドソックスは1番手(クローシェ)が優れている。トレードデッドライン後はリーグ6位のブルペン陣も擁している。一方でヤンキースのブルペン陣は同期間で26位だ」(アンソニー・ディコモ)

ドジャース対レッズ 予想:ドジャース

 ドジャースは過去13シーズンで12度目の地区優勝を果たしたが、今季は2021年以来のワイルドカードラウンドからの登場となる。昨季の世界一チームは、第6シードに滑り込んだレッズに対して圧倒的に優位な立場にある。

 アンダードッグのレッズの頼みの綱は、強力投手陣。剛腕ハンター・グリーン、アンドリュー・アボットとニック・ロドロの左腕コンビが先発する予定だ。さらに怪物エリー・デラクルーズはシーズン最後の9試合で3本塁打と復調しており、その好調を維持できれば番狂わせもありえる。

 しかし、デラクルーズと先発投手陣がどれほど優秀であろうと、ドジャースのロースターの完成度は脅威だ。ドジャースの先発投手陣も強力で、第1戦はブレイク・スネル、第2戦は山本由伸、第3戦には大谷翔平が控える。打線も大谷、フレディー・フリーマンらに牽引され、高いクオリティを誇る。不安定なブルペン陣こそネックだが、ドジャースは今季のポストシーズンの本命と言える。投票者の大多数がドジャースの突破を予想した。

◆ドジャース派
「ダビデを軽視すべきではないが、ここでは間違いなくゴリアテが勝つだろう」(ジョナサン・メヨ)
「理論上はミスマッチだが、エメット・シーアン、タイラー・グラスナウ、佐々木朗希が加わったドジャースのブルペンをさほど心配していない」(アラン・リトナー)
「ドジャースのスーパースターたちと優れた先発ローテは、面白い陣容であるレッズでも番狂わせを起こすには強すぎる」(ブライアン・マグラス)

◆レッズ派
「ドジャースが圧倒的優勢だと考えがちだが、レッズの先発投手陣を考えれば、3戦勝負のシリーズでは分からない」(アンドリュー・サイモン)

カブス対パドレス 予想:パドレス

 昨季のナ・リーグ地区シリーズでドジャースに惜しくも敗れたパドレスは、今季もポストシーズンに駒を進めた。2020年以来初のポストシーズン進出を飾ったカブスと戦うワイルドカードシリーズでは、突破した方が第1シードのブルワーズとの地区シリーズに駒を進める。

 パドレスは今季、宿敵ドジャースに苦戦し、3ゲーム差の2位でフィニッシュ。ただ、トレードデッドラインでは剛腕メイソン・ミラーらを獲得し、打線とブルペン陣を強化した。

 打線もフェルナンド・タティスJr.とマニー・マチャドらを擁し、ブルペン陣は鉄壁。パドレスは多くの投票者にとって、今季のポストシーズンにおける人気馬となっている。しかし、メジャー屈指の野手陣を誇り、マシュー・ボイドと今永昇太の左腕コンビを擁するカブスも見逃せない実力を持つ。とはいえ、後半戦防御率1.03を記録していた新人ケイド・ホートンが土壇場で欠場が決定した穴は大きい。仮にホートンが健康であれば、カブスを推す声も多かったかもしれない。

◆パドレス派
「違いを生むのはサンディエゴのブルペンだ。試合は常に早く決着する上、シリーズ全体すら早く決着するかもしれない」(アンディ・ワーレ)
「カブスは終盤に打線の勢いが失われ、先発投手陣も安定感も失った。それがパドレスに有利に働くかもしれない」(ケニー・ヴァン・ドーレン)
「パドレスのスター選手たちがポストシーズン経験も豊富。ドジャースとの再戦に臨む運命にある」(マイク・シアノ)

◆カブス派
「カブスの最も重要な打者2人、鈴木誠也とピート・クロウ=アームストロングが絶好のタイミングで調子を上げてきた。それが勝敗を分ける鍵となる」(ケイシー・ドロッター)

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