English Español 韓国語

イチロー氏がマリナーズの紅白戦に出場 愛弟子フリオとプレー

2025.10.3 09:09 Friday

 1日(日本時間2日)、ア・リーグの第2シードとしてポストシーズンに臨むマリナーズは、初戦の地区シリーズに向けて紅白戦を実施。イチロー氏(マリナーズ球団会長付特別補佐兼インストラクター)はホーム側チームのライトとして守備でフル出場を果たした。

 今年、米野球殿堂入りを果たしたイチロー氏が、調整役として紅白戦に加わった。平日の午後にもかかわらず、本拠地T-モバイルパークには約5000人のファンが詰め寄せ、イチロー氏に一際大きな歓声を送った。

 あくまでポストシーズンに向けた選手の調整であるため、イチロー氏は打席には立たず、ライト守備でのみ出場。三回にミッチ・ガーバーが放ったフライを捕球すると、右中間を組んだ「愛弟子」フリオ・ロドリゲスのお決まりのポーズである「ノー・フライ・ゾーン」を真似てみせた。

 マリナーズ首脳陣はイチローと師弟関係にあるフリオが、右中間を組めるようにと粋な計らいを見せた。

 とはいえ、フリオは右中間にフライが飛んだ場合はイチロー氏を退け、自ら捕球するつもりだったのだろうか?それとも、年上のイチロー氏を尊重するつもりだったのか?

 「だって僕がセンターだってことはイチローも知っているんだから」とフリオは答え、記者会見場を爆笑させた。そして「年齢はあまり関係ないと思うよ。でも、多分キャッチは任せると思う」と応じた。

 今季、イチロー氏は1月に米野球殿堂入りが決まり、7月にクーパーズタウンで殿堂入り式典を行い、8月には背番号51がマリナーズの永久欠番となるなど、多くの話題を作った。節目の度に印象的なコメントを残しているが、特に8月の永久欠番セレモニーで行ったスピーチは、マリナーズのスローガンにすらなっている。

 満員の観客に向けたスピーチの最中、イチローはマリナーズの選手たちが見守っていた一塁側ダグアウトに向き合い、メッセージを送った。才能あふれる今季のマリナーズのチームに対して期待を寄せ、「この瞬間を掴め(Seize the moment)」と訴えたその言葉は、ポストシーズンにおけるマーケティングの核となっている。この日の練習試合でも、スクリーンに常に映し出されていたのは、この文句だった。

 フリオはこう語る。「誰から言われたかが分かったから、みんながそれを心に留めたんだ。イチローはここにいた。それを成し遂げた。2001年の伝説のチームの一員で、豊富な経験を積んできた。そして、それを我々に伝えてくれる。まるで『今こそ君たちの番だ。試合に出て、それを掴み取れ』と言っているみたいに。だから、僕も他の多くの選手たちもそれを心に留めたんだ。誰から言われたかが分かったから」

 イチロー氏は球団会長付特別補佐兼インストラクターとして、イチロー氏にしかできないやり方でマリナーズを支えている。紅白戦に参加したことも、その一環と言える。

 ただ、イチロー氏を「コーチ」と呼ぶのは必ずしも正確ではない。なぜなら、現代の選手たちが自分たちのやり方でプレーできるよう、敬意ある距離を置いているからだ。たとえ選手たちが彼のやり方(細部への徹底的な配慮と完璧さへの追求の本質)に従わなかったとしても、彼はMLBでの19シーズン、そして日本プロ野球での9シーズンで培った知恵を彼らに提供してくれる。

spotvnow