逆転弾浴びたストラームは「ショック」 フィリーズは切り替え図る
2025.10.5 14:34 Sunday
【フィリーズ3-5ドジャース】フィラデルフィア/シチズンズバンクパーク、10月4日(日本時間5日)
マット・ストラームは信じられない思いだった。1点リードの七回のピンチで登板し、大谷とベッツを打ち取って2死。しかし、続くテオスカーに逆転3ランを浴びると、首を横に振った。数分後にマウンドを降りる際、グラブに頭を突っ込みながら叫んだ。
「2球ミスしたことにショックを受けた」
初球、ストラームはカッターを外してしまった。2球目は内角への直球を要求されたが、外角へ甘く入ってしまった。それをテオスカーは逃さず、右中間への見事な3ランにした。その本塁打が勝負を分け、フィリーズは地区シリーズ(NLDS=5回戦制)の第1戦を落とした。
一、二塁のピンチでストラームに引き継いだ2番手のロバートソンも「ストラームをひどい状況に追い込んでしまった。僕のピッチングが悪かっただけだ。ストラームはほどんど考えられないようなことをして(大谷とベッツを連続凡退)して、抜け出しかけた」と、肩を落とした。
試合後、二塁走者だったパヘスがサインを盗み、テオスカーに球種を伝えていたのではないかと噂が流れた。ただ、ストラームはこの説を否定した。ストラームは指を揃えてボールを握り、唯一変わるのは、縫い目に沿ってボールを握る位置だ。二塁走者からでもそれを確認することはできない。
おそらく、パヘスはリアルミュートがどこに構えているかについて何かを合図していたのだろう。
しかし、関係ない。フィリーズはただリードを守ることができなかった。
フィリーズはあすの休養日であさって6日(日本時間7日)に控える第2戦に向け、切り替えなければならない。
捕手のリアルミュートもそれを承知している。
「最大5戦のシリーズだ。良いプレーをする機会はまだたくさんある。あすは集中力を切らさず、ビデオを見て、何が違った形でできたのかを考えて、月曜日にはもっと良いプレーをしないといけない」
かつて対戦相手のコーチが「地獄の4時間」とまで評した、フィリーズのホームフィールドアドバンテージは最近では影を潜めている。熱狂的な雰囲気に包まれる本拠地シチズンズバンクパークでは、2023年のナ・リーグ優勝決定シリーズの第6戦以降、なんと5戦4敗。力を発揮できていない。
「調整を行い、試合に出て、勝利に近づくために、自分たちにできるすべてのことをしていると感じられるかどうかは、私たち次第だ」とシュワーバーは語る。
第1戦で痛かったのは、自慢の上位打線の停滞だ。下位打線がつながってドジャース先発の大谷から3点を奪ったが、ターナー、シュワーバー、ハーパーの1-3番トリオが11打数1安打、6三振と不発だった。
「ボール球を追いかけ、ストライクゾーンの球にも空振りしてしまった。もっと相手にダメージを与えられた」とハーパーは悔やむ。
しかし、スター軍団のフィリーズはどの選手も経験豊富だ。「大丈夫だよ。これはたった1試合。ポストシーズンなんだ。個人的な問題じゃない。チーム全体の問題だ。そして今は月曜日のことに集中している。また練習に戻り、チームのために勝負強い打席を組むという気持ちで臨む」、無安打3三振に終わったシュワーバーは既に気持ちを切り替えている。