フリオとローリーの2人で決勝点 マリナーズが本拠地で24年ぶりPS勝利
2025.10.6 15:22 Monday
【マリナーズ3-2タイガース】シアトル/T-モバイルパーク、10月5日(日本時間6日)
球団の顔であり、マリナーズの現在と未来を肩に背負う2人。若くしてスーパースターへの道を歩み始め、もしこのポストシーズンの幕を勝利で閉じれば、シアトルにおいてその名声は永遠のものとなる可能性がある。
カル・ローリーとフリオ・ロドリゲス。60本塁打を放った無骨な捕手と、スポットライトを浴びるのが大好きな万能センター。この2人のコンビがア・リーグ地区シリーズ(ALDS=5回線制)の第2戦で大活躍した。
同点に追いつかれて2-2で迎えた八回、ローリーが1死から二塁打で出塁すると、続くフリオも二塁打で続き、マリナーズは一瞬のうちに勝ち越し点を手にした。結局、この1点を守り抜き、マリナーズは3-2で勝利。シリーズを1勝1敗のタイに戻した。
「我々にとって、これは巻き返しの試合だった。そして2人はまさにそれをやってのけた」と、ダン・ウィルソン監督もローリーとフリオを称賛した。
この日の勝利は、マリナーズにとって2001年のア・リーグ優勝決定シリーズの第1戦以来、24年ぶりの本拠地でのポストシーズンの勝利だった。長いトンネルを抜け、涙するファンもいた。
フリオは「これは間違いなくナンバーワンだ。ここしばらくこんな瞬間はなかったので、今夜チームとして勝利を収めることができたのは、私にとって本当に特別なことだった。ファンの皆さんの姿、そして盛り上がっている様子を見るだけでも、本当に特別な思い出だ。この思い出はいつまでも心に残るだろう」と、キャリア最大のヒットを振り返った。
第1戦で痛恨の敗北を喫したマリナーズは、レギュラーシーズン中も2度勝利しているスクーバルに対し、2-0とリードを奪った。しかし、八回にセットアッパーのブラッシュが失点し、同点に追いつかれた。
その悪い流れをローリーとフリオが払拭した。「もっと重要なのはチームとして反撃することだ。カルがチャンスを作ってくれて、それに続けて嬉しかった」と、フリオは語る。
「難しいことじゃないよ。勝つためにここにいるって感じだね。実際に何が起こったかなんて関係ない。相手がリードしたとしても、同点に追いついたとしてもね。この試合の目的は分かっている。だから、何が起こったかを嘆く暇なんてない。ただ、この瞬間を味わうだけさ」
今季のマリナーズのポストシーズンのスローガンは「この瞬間を掴め(Seize the moment)」。今年米野球殿堂に入り、背番号51がマリナーズの永久欠番となったイチロー氏(マリナーズ球団会長付特別補佐兼インストラクター)が、永久欠番制定セレモニーのスピーチでマリナーズの選手たちに向けて放った言葉だ。
悲願のワールドシリーズ、そして世界一を目指すマリナーズが、まずひとつ大きな瞬間を掴んだ。