タイガースが鮮やかな逆転勝ち 地区シリーズの決着は第5戦へ
2025.10.9 07:43 Thursday
【タイガース9-3マリナーズ】タイガース/コメリカパーク、10月8日(日本時間9日)
タイガースは2年連続で「勝てば地区シリーズ突破、負ければ敗退」の一戦をタリック・スクーバルに託す。そこに到達するまでの道のりは、タイガースファンがしばらくの間、目にしてきたものとは全く異なっていた。
アメリカン・リーグ地区シリーズ(ALDS)第4戦、マリナーズは3点をリードし、シリーズ突破に大きく前進したように見えた。しかし、タイガースが五回に3連続タイムリーで同点に追いつき、試合の流れを変えた。六回にはライリー・グリーンがポストシーズン初本塁打を放ち、勝ち越しに成功。これでタイガース打線に火がつき、この回一挙4点を奪った。最終的には9-3で勝利。シリーズの決着は第5戦に持ち込まれた。
試合前半とは対照的な、驚くべき結果だった。タイガースのA・J・ヒンチ監督は先発のケーシー・マイズを3イニングで降板させるなど早めの継投に動き、四回からタイラー・ホルトンを投入。そのホルトンが無死満塁の大ピンチを招くと、カイル・フィネガンを投入し、マリナーズファンからこの試合最大の歓声が送られる中、最少失点で切り抜けた。一方、9月7日(同8日)以降、1度もホームで勝てていないタイガースファンからはブーイングが送られていた。
五回、マリナーズはカル・ローリーのタイムリーでランディ・アロザレーナが生還し、3-0とリードを拡大。マリナーズの攻撃が終わったあと、イニング間の催し物もタイガースファンを元気づけることはできなかった。しかし、ディロン・ディングラーのタイムリー二塁打で1点を返すと、球場の雰囲気が一変。マリナーズ先発のブライス・ミラーを降板に追いやった。
パーカー・メドーズが打席に立ち、ケリー・カーペンターの打席も迫る中、マリナーズのダン・ウィルソン監督はリリーフ左腕のゲーブ・スパイアーを投入した。ヒンチ監督も動き、メドーズの代打にジャーマイ・ジョーンズを起用。ジョーンズのタイムリー二塁打でディングラーが生還し、試合は1点差となった。
ハビアー・バイエズは左翼ポール際へ本塁打性の打球を放ったが、惜しくもファウルに。しかし、バイエズはレフトへのタイムリーを放ち、試合を振り出しに戻した。
スパイアーが左打者のカーペンターとコルト・キースを抑え、試合は3-3の同点で六回へ。左打者のグリーン対策としてスパイアーが続投したが、グリーンはカウント1-0からのスライダーを捉え、右中間へ勝ち越しのソロ本塁打を叩き込んだ。飛距離は454フィート(約138.4メートル)を記録し、グリーンにとって自己2位の飛距離。コメリカパークの大歓声はダウンタウンまで響き渡った。
タイガースはその後、バイエズにも本塁打が飛び出し、この回一挙4点を勝ち越し。七回にグレイバー・トーレスがソロ本塁打を放つと、八回にも1点を追加し、9-3とリードを広げた。
フィネガンが2イニングを投げたあと、六回からは第1戦に先発したトロイ・メルトンがマウンドに上がり、3回2安打無失点の好リリーフ。6点リードの最終回はクローザーのウィル・ベストが締めくくった。