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打撃復調を目指す大谷翔平 リーグ優勝決定シリーズは第2戦の先発が有力か

2025.10.11 09:30 Saturday

 ドジャースの大谷翔平は打てないときでもチームに貢献できるのが強みだ。

 対戦相手の投手たちは、大谷のそうした姿を何度も見てきた。大谷はひと振りで試合の流れを変えられる選手だ。だからこそ、フィリーズは地区シリーズ(NLDS)第4戦の七回、大谷を申告敬遠で歩かせたのだろう。しかし、フィリーズは満塁策のあと、守護神ヨアン・デュランがムーキー・ベッツに押し出し四球を与え、同点に追いつかれる結果となった。

 大谷はNLDSの4試合で18打数1安打(9三振)に終わった。しかし、唯一の安打は第2戦でチームを勝利に導くタイムリーヒットとなった。また、NLDSにおける最大の貢献は、間違いなく第1戦の先発登板だ。二刀流のスーパースターは第1戦の二回に3点を失ったものの、それ以降は支配的なピッチングを見せ、クオリティスタートを達成。9三振を奪い、ポストシーズン初登板で勝利投手となった。

 NLDSが第5戦までもつれていたら、大谷は「勝てばシリーズ突破、負ければ敗退」の第5戦に先発していたはずだ。ドジャースが第4戦でシリーズ突破を決めた今、大谷の次回登板がいつになるのかを決めなければならない。

 リーグ優勝決定シリーズ(NLCS)の対戦相手は11日(日本時間12日)まで確定しないが、ブルワーズとカブスのどちらが勝ち進んだとしても、ドジャースの先発ローテーションにはほとんど影響を与えないだろう。大谷の場合、最も重要なのは二刀流の負担を考慮することだ。NLDSの打撃不振を考えると、投打のバランスを今まで以上に考慮する必要がある。

 大谷はオフの前日、第2戦に先発することが有力視される。この場合、ブレイク・スネルが第1戦に先発することになり、スネルは中4日で第5戦に先発することも可能だ。山本由伸が第3戦、そしてタイラー・グラスナウが第4戦に先発することになるだろう。

 第6戦と第7戦が必要になった場合、話が少し複雑になる。大谷は第6戦に先発する可能性があるものの、中5日での登板は今季わずか2度しかない。また、山本はメジャー移籍後、中4日での登板を1度も経験していないため、第3戦に先発したあと、第7戦に先発できるかどうかは不透明だ。

 これらはドジャースがNLCSの先発ローテーションを決める上で考慮しなければならない要素の一部に過ぎない。最優先事項は、大谷の次回登板の翌日に休養日を設けることだろう。なぜなら、ドジャースがワールドシリーズ連覇を目指す上で、打者・大谷の復調が必要不可欠だからだ。

 デーブ・ロバーツ監督はNLDSの期間中、「彼は失投を打つチャンスを逃している。左腕との対戦が多いということもあるが、打席でのスイングの判断が良くない。スイングの判断を修正する必要がある」と語っていた。

 ドジャースは今季、大谷をできる限りオフ前日に登板させようとしてきた。レギュラーシーズン中、大谷は登板翌日の8試合で34打数5安打(打率.147)と精彩を欠いていたからだ。NLDSでは第1戦と第2戦の間にオフが設けられていたため、大谷は第1戦に先発することが可能だった。

 NLDSでの大谷の打撃不振は、フィリーズの強力な先発左腕トリオ、クリストファー・サンチェス、ヘスス・ルザード、レンジャー・スアレスと対戦しなければならなかったことも影響しているだろう。サンチェスが第1戦で「大谷封じ」の流れを作り、第1打席で空振り三振を奪うなど、大谷を3打席連続三振に仕留めた。

 大谷は今年のポストシーズンで初球から積極的にスイングしており、30打席中12打席で初球に手を出している(40%)。積極的にスイングすることを恐れない打者ではあるものの、レギュラーシーズン(33.9%)と比較すると、初球スイング率は上昇している(サンプル数が少ないことを考慮する必要もあるが)。

 レギュラーシーズン終盤、ロバーツ監督は昨季と比較して、大谷の成長を称賛していた。相手投手が大谷を警戒する中、「試合の流れを引き寄せる能力が向上した」というのがロバーツ監督の見解だ。

 ワールドシリーズに進出し、連覇を成し遂げるためには、チーム全体の努力が必要不可欠だ。大谷はNLDSの戦いの中で、自分が中心選手として活躍しなくてもチームが勝利できることを目の当たりにした。

 しかし、NLCS以降の戦いで優位に立つためには、二刀流のスーパースターが投打両面でベストのパフォーマンスを見せることが必要になる。NLDSで苦戦した大谷のバットは輝きを取り戻すことができるだろうか。


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