強打者ビシェットがALCSのロースターから外れる ベテラン右腕2人が登録
2025.10.13 10:15 Monday
ブルージェイズのスター遊撃手ボー・ビシェットが、ア・リーグ優勝決定シリーズ(ALCS=7回戦制)のロースター(出場選手登録)から外れた。ビシェットは左膝の捻挫のケガを負い、5週間以上にわたり欠場。ランニングを再開したことで楽観的な見方も広がっていたが、11日(日本時間12日)にベースランニングを試みた際に不快感をあらわにしていた。
「少しグレーゾーンに差し掛かっていたんだ。本当にビシェットをチームに入れたかった。できるのか?ビシェットにとって正しい選択なのか?ビシェットを軸に据えたチームにとって正しい選択なのか?結局は昨日の調子次第だった。調子が良くなかったのは残念だが、ビシェットは決して状態を後退はさせなかった」と、ジョン・シュナイダー監督は決断の裏側を語った。
ビシェットは直線を楽々と走れたものの、一塁から二塁に回ろうと全速力に近いスピードで走ったとき、明らかに左膝をかばい、少しよろめいたあとに立ち上がって首を振った。
ビシェットは強力ブルージェイズ打線で最も頼れる打者の一人だ。さらに、これまで一筋で10年近く在籍してきたブルージェイズとの契約最終年に差し掛かっている。2016年ドラフト2巡目で入団し、そこからオールスター選手へ駆け上がった。
親友のブラディミール・ゲレーロJr.とはともに2世選手として若手時代から注目を浴び、チームを牽引してきた。しかし、3回にわたる過去のポストシーズンでは1勝もあげられず、ALCSに進出した今季のような快進撃はまさに長年夢見てきたものだった。オフに退団の可能性もあるビシェットにとっては、ブルージェイズの選手として世界一を掴むラストチャンスが今季かもしれない。ブルージェイズはビシェットをポストシーズンの舞台に立たせるためには、ワールドシリーズ進出を決める必要がある。
ビシェットを外した決断は、今後数日間の大きな話題となるだろう。なぜなら、たとえビシェットがシリーズ序盤に間に合わなかったとしても、シリーズ後半から出場できる可能性は指摘されていたからだ。ロースターにはユーティリティのアイゼイア・カイナー=ファレファが登録されたが、出場機会はほぼないと見込まれている。シリーズ後半で復帰する可能性に賭けて、ビシェットをカイナー=ファレファの代わりに登録する可能性もありえた。
しかし、ビシェットの今の状態ではシリーズ後半に復帰できる望みもなかったのかもしれない。また、11日の走塁練習の様子を考えれば、24日(同25日)から始まるワールドシリーズから復帰できる可能性も不透明だ。
一方、投手陣の方も変更が見られた。ベテランの先発投手マックス・シャーザーとクリス・バシットが新たにALCSから登録された。地区シリーズ(ALDS)では2人の代わりにリリーフ投手のトミー・ナンスとジャスティン・ブルールが入っていたが、最大7戦の長期戦に備えて先発投手を増やした。ブルージェイズはALDSでも登録されていたケビン・ゴーズマン(第1戦)、トレイ・イェサベージ(第2戦)、シェーン・ビーバーの3人の先発投手に加え、シャーザーとバシットも加えた先発5人体制で挑む。
ALDSのロースターから外れたシャーザーとバシットはそれぞれ模擬試合で調整を積んだ。シャーザーは5イニング、95球を、バシットは3イニング、45球を投じた。4人目の先発投手が必要になる第4戦までは、この2人がブルペンから登場する可能性もあるだろう。