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マリナーズがALCS第1戦に勝利 悲願のWS進出へ気負いはなし

2025.10.13 14:58 Monday

【ブルージェイズ1-3マリナーズ】トロント/ロジャースセンター、10月12日(日本時間13日)

 タイガースとの地区シリーズ(ALDS)第5戦で延長15回の死闘を戦ってからわずか2日、マリナーズはまたしても終盤に粘りを見せた。カル・ローリーの同点弾とホルへ・ポランコの2本のタイムリーで起こした逆転劇、そして先発ブライス・ミラーの好投によって、マリナーズはア・リーグ優勝決定シリーズ(ALCS=7回戦制)の第1戦に理想的な勝利を挙げ、激戦のALDSと国をまたぐ長時間のフライトの疲れを癒した。

 「皆んなリラックスして、ただ一緒に楽しんでいた。きょうは手一杯だったのは分かっていた。プレーオフの野球はそういうものだ」、と主砲のローリー。疲労が溜まる中、値千金の勝利を挙げた。

 2022年のワイルドカードシリーズで鮮やかな逆転勝利を挙げたのと同じ球場で、再びブルージェイズを破り、マリナーズの史上初のワールドシリーズ進出はより現実的になった。

 大一番で今季最高の投球を見せたミラーは、「最高の気分だ。今年は個人的には思ったようにいかなかったし、期待していたとおりにもいかなかったけど、ALCSに出られた。先発してチームの雰囲気をもってくることができた。これ以上望むことはない」と手応えを語った。

 当初、ダン・ウィルソン監督はミラーに4回を投げ抜いてほしいと述べていた。「これまでのキャリアで最大の先発」と意気込みを語っていたミラーはこのプランを知らされていなかったが、期待を上回るパフォーマンスを発揮した。

 初回、1番スプリンガーに先頭打者本塁打を浴び、さらに2番ルークスには12球粘られ、27球を要した。しかし、そこから立ち直り、ブルージェイズ先発のエース右腕・ゴーズマンとわたり合う投手戦を繰り広げた。

 27歳右腕の踏ん張りに打線が応えた。六回、ついにゴーズマンをとらえ、ローリーが同点弾。
「硬くなって、あまり力が入らなかった。とにかくバットに当てて、インプレーにしようと思っていた。良いところに当たったね。ゴーズマンは本当に難しいピッチャーなんだ」と、追い込まれてから決め球のスプリットに食らいついた。

 打たれたゴーズマンは両手を頭に当てて、悲鳴を上げた。「本当に1球で仕留められた。ローリーは本当に良い打者。前の打席ではスプリットで打ち取っていた。あの場面は、良いボール過ぎたのだと思う。ワンバウンドになるような球を投げようとしていたから」と、絶対的な自信を持つ決め球のコントロールミスを嘆いた。

 ローリーが同点弾の後、マリナーズはポランコのタイムリーで勝ち越し。さらにポランコは八回にもタイムリーを放って貴重な追加点をもたらした。ALDS第5戦ではサヨナラヒットで勝負を決めたポランコは「とにかくシンプルにしたい。今は大げさに考えすぎないようにしたい」と、チャンスで結果を残す心構えについて語った。

 打線が鮮やかな逆転劇を演じ、投手陣は完ぺきな継投リレーで強力ブルージェイズ打線を抑え込んだ。ミラーが初めて6回1失点(76球)でブルペン陣にバトンをわたすと、スパイアー、ブラッシュ、ムニョスのトリオは合計わずか24球で無失点リレー。わずか100球で、ここまでのプレーオフで1試合平均8.5得点を挙げてきたブルージェイズ打線を料理した。

 「ミラーは自分が何者かを知っている。本当にリラックスして、自信を持っているときに最高のパフォーマンスを発揮するんだ」と、第2戦の先発ローガン・ギルバートはミラーを称賛。

 ウィルソン監督も「第1戦を制したのは、われわれにとって流れを変える大きな出来事だ。ブライス・ミラーの投球は驚異的だった。短い登板間隔(中3日)で登板し、初回に先制され、ルークス(2番打者)に粘られた。それ以降、ギアを上げ、球種を全て駆使して、打者を上回った。特に直球は素晴らしかった」と、賛辞を惜しまなかった。

 史上初のワールドシリーズ進出という大きな期待を背負っているが、気負いはない。「この時期はどの投球も重要だと分かっている。プレーオフでは、ここだけでなく、他のどの試合でも、皆んな少しだけ特別なエネルギーを蓄えていると思う。それだけ試合が楽しくなるんだ」と、ローリーは語る。歴史を変えるリーグ優勝まで、あと3勝に迫った。


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