「すべてが順調だ」 マリナーズ・ウーがALCS第5戦で戦列復帰か
2025.10.14 08:36 Tuesday
マリナーズのブライアン・ウーは13日(日本時間14日)、敵地ロジャースセンターで実施したライブBP(実戦形式の打撃練習)について「スプリングトレーニングのような雰囲気だった」と冗談を言った。投手コーチやアスレチックトレーナーが見守っていただけでなく、メディアが集まり、スマートフォンを構えて動画を撮影していたからだ。
10月の重要な戦いに向けて、マリナーズのエース格の右腕が右胸筋の炎症から回復し、戦列復帰へ努力を続けている。目指しているのはブルージェイズとのアメリカン・リーグ優勝決定シリーズ(ALCS)中の復帰だ。
「またマウンドに立つことができて、本当に良かった。すべてが順調だ」とウーはライブBPで手応えを感じたようだ。
球団の事情に詳しい関係者がMLB.comに語った情報によると、ウーがライブBPの登板後、順調に回復すれば、ALCS第5戦で先発する可能性が高いという。ただし、球数制限が設けられ、50球前後の登板になる見込みだ。
一方、マリナーズは第3戦にジョージ・カービー、第4戦にルイス・カスティーヨが先発することを正式に発表。この両右腕はロードよりホームの成績のほうが格段に良く、本拠地T-モバイルパークで行われる第3戦と第4戦に先発できるのは明るい材料となる。
カービーはア・リーグ地区シリーズ(ALDS)第5戦でタリック・スクーバル(タイガース)を相手に好投し、ALCS第3戦は中4日での登板となる。カスティーヨはALDS第5戦でローガン・ギルバートとともにリリーフ登板しており、中5日でALCS第4戦に臨む。
カービーは「ブライアンが戻ってくるのは最高だよ。彼の状態は良いみたいだ。それと、またホームの観客の前に立てるのは本当に大きいね。ホームに戻れることをみんな楽しみにしている。観客のみんなが僕たちにエネルギーを与えてくれるんだ」と語った。
マリナーズはウーをALDSのロースター26人から外していたが、シリーズ後半での貢献に期待し、ALCSのロースターに登録。ほかの先発陣が頑張ったことにより、ウーの復帰を急がせる必要はなかった。
中3日の登板だったにもかかわらず、ブライス・ミラーはALCS第1戦で粘り強いピッチングを披露。ALDS第5戦にリリーフ登板したギルバートは中2日で第2戦のマウンドに上がった。ギルバートがリリーフ登板するのはキャリア初だった。
ダン・ウィルソン監督はALCS第1戦を振り返り、「ブライスが果たした役割は過小評価されていると思う。彼の力投はブルペンを整えてくれた。6イニングを投げてくれたのは本当に大きいよ。投手陣を休ませることができたからね」と語った。
第5戦までもつれたALDSのあと、中1日でALCSの戦いに臨んでいるマリナーズ。第2戦を終えれば、移動日を挟んでホームに戻れるため、最初の2試合が極めて重要になる。そして、「チームに取り残されるかもしれない」という不安を抱えていたウーも、まもなくチームに貢献するチャンスを与えられるだろう。
「(負傷で離脱するのは)つらいけど、ふてくされているか、できる限り最高のチームメイトでいるか、決断をしないといけないんだ。(負傷していても)やるべき仕事はある。決断しなければならないことがある。とにかく最善を尽くすだけだ。コントロールできることもあるし、できないこともある。とにかく自分がコントロールできることに全力を尽くすんだ」とウーは決意を口にした。
ウーは9月19日のアストロズ戦を最後に、胸筋の負傷でマウンドから遠ざかっており、復帰登板では球数が制限される。レギュラーシーズン中であれば、徐々に投球回数を増やしていくために、マイナーでのリハビリ登板が行われていただろう。
「状態は本当に良いよ」とウー。「リハビリ登板ができない今、ライブBPをフルにこなすのが最善の方法だと思う。すべてが順調だし、良い状態だと思っているよ」と自身のコンディションに手応えを感じている。
ウーは13日(同14日)、マリナーズのノースウエスト・グリーンのユニフォームを着て、レオ・リバス、ハリー・フォード、マイルズ・マストロボーニを相手に高い強度で25球前後を投じた。
打者と対戦するのは負傷前の最終登板以来。それ以降はブルペンでの投球練習が行われ、10月2日(同3日)にはフォードやリバスが打席に立った状態での投球練習を実施した(打者はスイングせず)。
ウーはライブBPを振り返り、「打者がスイングをするようになった分、試合らしくなった。できるだけ試合らしくなるように努力したよ。良い感じだった。実際の打席のようにピッチングを組み立てることができたし、球種を投げる順番も含め、すべて思い通りにできた。すべてが順調だよ」と語った。
マリナーズはウーをALCSのロースターに登録するにあたり、新人三塁手のベン・ウィリアムソンをロースターから外した。守備と走塁での貢献が光るウィリアムソンはALDSのロースターに登録されたものの、出場機会がなかった。ウーが順調に回復していることを考えると、必要になった場合に備えて今季のオールスター右腕をロースターに登録しておく価値はあったと言えそうだ。