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21歳チューリオが山本から先頭打者本塁打 大舞台での活躍続く

2025.10.15 15:02 Wednesday

【ブルワーズ1-5ドジャース】ミルウォーキー/アメリカンファミリーフィールド、10月14日(日本時間15日)

 ブルワーズのジャクソン・チューリオは超有望株として評価されていた2年前、まだデビューしていないにもかかわらず8年8200万ドルの契約を手にした。20代になったばかりの若者がその記録的な契約と大金、メジャーリーグの投手、さらに言えばポストシーズンなどのプレッシャーに対処できるのか。

 チューリオを見出したスカウトたちは、自信を持っていた。ブルワーズの国際選手評価ディレクターのルイス・ペレスは語る。
「チューリオがああいうプレッシャーに耐えられるのは驚きではない。直接尋ねたことがある。『ああいう試合で自分の実力を発揮しなければいけないとき、どう思う?』とね。そしたら『戦うだけだ』と」

 ナ・リーグ優勝決定シリーズ(NLCS=7回戦制)の第2戦、チューリオは球団タイ記録となるポストシーズン通算4本目の本塁打を放った。21歳の若きスターは、ドジャース先発山本由伸が投じた初球をとらえ、先頭打者本塁打。しかし、ブルワーズはその1点のみに抑えられ、ドジャースに連敗を喫した。

 山本の歴史的快投に圧倒された。ポストシーズンで先頭打者本塁打を浴びながら、その後は無失点で完投した投手は1954年のジョニー・アントネッリしかいない。

 「試合最初のスイングで口を殴られた。いいスイングだったね」と、チューリオを称賛したのは完投劇を演出したドジャースのウィル・スミスだった。「でも、その後27アウトを取ったのはすごい。今夜の山本はまさに圧倒的だった」と語った。山本はブルワーズの走者に得点圏すら踏ませず、最後は14打者連続アウトで試合を締めくくった。

 チューリオの本塁打がなければ、ブルワーズは完封を食らっていただろう。チューリオは21歳217日で、ポストシーズンで先頭打者本塁打を放った史上2番目に若い選手となった。史上最も若い選手は?それは昨季のポストシーズンで20歳205日で達成したチューリオ本人だ。

 ポストシーズン通算4本塁打は、ミゲル・カブレラ、ブライス・ハーパー、アンドリュー・ジョーンズ、ミッキー・マントルと並んで、22歳になるまでに放った史上2番目に多い本塁打数だ。ちなみに史上最多は5本を放ったフアン・ソトであり、チューリオが今季のポストシーズンでそれを更新する可能性もある。

 チューリオを見出したペレスは、この大舞台の活躍に驚きはないと語る。チューリオは8歳からベネズエラ代表でプレーしていた。「チューリオはどんなプレッシャーにも負けず、常に才能を発揮していた。私からすれば、そういう振る舞いは自然なことだ。周りの人たちは皆、『あの男は才能以上のものを持っている。プレッシャーにも耐えられる』と言っていたよ」と、ペレスは回想する。

 「あれ以上の得点を重ねることができず、勝ち続けることができなかった」と、チューリオは試合後に悔しがった。ただ、山本からの本塁打には手応えを感じている。「でも、(先頭打者のホームランは)最高の気分だ。おかげで試合前にチームに新鮮な息吹が吹き込まれ、リードを奪えた。でも、それを活かすことができなかった」


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