41歳シャーザーが気迫の投球 ブルージェイズがALCSをタイに戻す
2025.10.17 12:28 Friday
【マリナーズ2-8ブルージェイズ】シアトル/T-モバイルパーク、10月16日(日本時間17日)
1勝2敗でア・リーグ優勝決定シリーズ(ALCS=7回戦制)の第4戦を迎えたブルージェイズは、先発マックス・シャーザーの熱投に助けられ、敵地で快勝。連勝でシリーズを2勝2敗のタイに戻した。シャーザーは5回2/3、2失点、5三振、4四球、3安打と粘りの投球。五回には降板を拒否して続投し、ピンチをしのぐなど気迫あふれるパフォーマンスだった。
ブルージェイズは負ければシリーズ敗退に王手をかけられる第4戦の先発を、レギュラーシーズンでは17先発で防御率5.19、ヤンキースとの地区シリーズ(ALDS)ではロースター(出場選手登録)にすら入れなかった41歳に託した。本拠地で連敗し、いきなり劣勢に立たされた中、先発を任されたシャーザーはこう語っていた。
「(逆転は)不可能じゃない。野球だからね。流れがいつ変わるかなんて誰にもわからない」
その流れが変わる瞬間が、シャーザーの気迫によってもたらされた。シャーザーは六回途中2失点の熱投でマリナーズ打線を抑え、ブルージェイズを勝利に導いた。
初回、シャーザーは2四球を与えたものの、勝負強い活躍が続く4番ポランコをダブルプレーに打ち取って無失点。しかし、二回先頭のネイラーに本塁打を浴び、慌ただしい立ち上がりとなったが、そこから3度のサイ・ヤング賞を獲得したゆえんを見せた。
三回も先頭に四球を与えたものの、その走者を牽制でアウトに仕留めた。シャーザーの牽制刺は2016年のレギュラーシーズン以来、さらに一塁での牽制刺に限れば2013年以来の珍事だった。百戦錬磨のベテランらしい判断で走者の裏をかき、ピンチの芽を摘んだ。
打線に5点の援護を受けたシャーザーは、四回も走者を背負いながら無失点。五回も先頭に安打を浴び、2死までこぎ着けたが、1番アロザレーナを迎え、ジョン・シュナイダー監督がマウンドに訪れた。
しかし、シャーザーはマウンドに訪れたシュナイダー監督に対し、激しくまくしたて降板を拒否。その後、アロザレーナをその日4度目の三振に抑え、見事にピンチを脱した。
その後、六回も続投したシャーザーは、ローリーとフリオの2・3番コンビを見事に抑えたものの、ポランコに四球を与えたところで降板。2番手フルハティがタイムリーを浴びて2失点目が加算されたが、5回2/3、2失点と見事なゲームメークを見せた。
六回に5-2と3点差に迫られたブルージェイズは、直後の七回にブラディミール・ゲレーロJr.の本塁打ですぐさま突き放した。さらに八回には三回に逆転弾を放ったアンドレス・ヒメネスが再び2点タイムリーを放ち、大量リードを奪った。
ブルージェイズはそのまま8-2でマリナーズに勝利。第3、4戦に連勝し、シリーズを2勝2敗のタイに戻した。勝った方がシリーズ突破に王手をかけられる第5戦は、ブルージェイズがエースのケビン・ゴーズマン、マリナーズが第1戦好投のブライス・ミラーを立てる。