ドジャースがスター外野手タッカーの獲得に関心 予算も許容範囲内か
2025.10.19 15:31 Sunday
17日(日本時間18日)に行われたナ・リーグ優勝決定シリーズ(NLCS=7回戦制)第4戦に勝利し、2年連続でワールドシリーズに進出したドジャース。四半世紀ぶりの連覇を狙うスター軍団には、既に王朝建設の予感が漂っている。
そして、ドジャースはワールドシリーズ終了後から始まるストーブリーグで、新たにスター選手をチームに加えるかもしれない。MLBネットワークのジョン・ヘイマン記者がニューヨークポスト紙に寄稿した記事によれば、ドジャースはフリーエージェント(FA)となる外野手カイル・タッカーの獲得に興味を寄せているという。
28歳のタッカーは今季、カブスで136試合に出場し、22本塁打、25盗塁、打率.266、出塁率.377、OPS.841と活躍。走攻守の貢献度を測る総合指標fWAR(代替可能な選手と比べて何勝分上積みできたかを示す)では5シーズン連続で4.0以上をマークしている、安定感が持ち味のオールラウンドなスター選手だ。
ヘイマン記者は「ドジャースの関係者はタッカーを高く評価していると言われているが、外野は彼らの唯一の弱点だ」と述べ、弱点強化のためにタッカー獲得を目指す可能性を指摘。
ドジャースの外野陣は若手のアンディ・パヘスがセンターで台頭したものの、両翼が低迷。ライトのテオスカー・ヘルナンデスは勝負強い打撃は健在なものの、守備では穴になっている。仮にタッカーを獲得できれば、テオスカーをレフトに回し、攻撃力と守備力を大幅にアップデートできるだろう。
懸念は、既に多くのスター選手を抱えるペイロール(年俸総額)だ。ドジャースのペイロールは既に球界2位の3億9600万ドルに達している。
しかし、勝利のために資金に糸目をつけない姿勢のドジャースのペイロールの上限はようとして知れない。昨オフは総額7億6500万ドルの巨額契約を結んだフアン・ソトの争奪戦に加わっていたと報じられている。
1年あたり4000万ドルを超えると見られるタッカーの契約も、ドジャースの許容範囲内かもしれない。
今オフ、ドジャースは複数のベテラン選手の年俸が浮く見込みだ。マイケル・コンフォート(1700万ドル)、カービー・イェーツ(1300万ドル)、マイケル・コペック(520万ドル)ら、不振とケガに苦しんだベテラン選手がフリーエージェント(FA)となる。さらに引退を表明したクレイトン・カーショウ(750万ドル)、シーズン中に解雇されたクリス・テイラー(1300万ドル)の分も同様だ。また、ケガに苦しめられた年俸調停期間の投手(エバン・フィリップス、トニー・ゴンソリン)をノンテンダーFA(契約を提示せずにFA)とする可能性もある。
その一方で、現状のロースターで年俸が上昇する選手は不在。年俸が上昇するのは来季は1565万ドルに年俸がほぼ倍増するトミー・エドマン程度で、パヘスや佐々木朗希といった若手の主力もまだ最低年俸で雇うことができる。
こうしたドジャースの予算事情を考えれば、タッカーの獲得は決してありえない話ではない。弱点であるブルペン補強、野手陣を支えるマックス・マンシー(来季は球団に選択権のある1年契約)やキケ・ヘルナンデス(FA)を呼び戻してもまだ余裕はある。
今季もポストシーズンで圧倒的な強さで連覇へと迫るドジャース。来季はさらに銀河系球団となる可能性もある。