カブスは今永昇太を引き留めるのか 注目される契約オプションの動向
2025.10.21 09:10 Tuesday
5年ぶりのポストシーズン進出を果たし、ワイルドカードシリーズでパドレスを撃破したカブスだが、地区シリーズでは同地区のブルワーズに惜敗。2025年シーズンの戦いは終了した。ジェッド・ホイヤー編成本部長は「毎年レベルを上げていく必要がある。すでに(戦力の)基盤は固まっており、正しい決断をして、戦力を築き上げていく必要がある」と語っている。そして今オフ、注目される「決断」の1つが今永昇太の去就だ。
メジャー2年目のシーズンを終えた今永の状況を簡単に整理しておこう。カブスには今永を3年5775万ドル(約87億円)で引き留めるかどうかの選択権がある(今永は2024年のサイ・ヤング賞投票で5位に入ったため、2026~28年の年俸が1年あたり25万ドル=約3770万円アップした)。カブスがこのオプションを破棄した場合、今度は今永に年俸1525万ドル(約23億円)で残留するかどうかの選択権が与えられる。
今永もオプションを破棄した場合、今永はフリーエージェント(FA)となり、次はカブスが今永に対してクオリファイングオファー(今オフは2202万5000ドル=約33億円)を提示するかどうかを検討することになる。MLB.comのジョーダン・バスティアン(カブス番記者)は「双方がどのような交渉を進めようとも、最も可能性が高いのは、今永が少なくともあと1シーズンはカブスでプレーを続けることだ」と予想している。
近年、先発投手獲得にかかるコストが高騰しており、カブスが3年5775万ドルの球団オプションを行使して今永を引き留める可能性はある。たとえば、カブスは昨オフ、2024年にレギュラーシーズンとポストシーズンの合計で11試合しか投げられなかったマシュー・ボイドを獲得するために2年2900万ドル(約44億円)を支払った。今永と同等のクラスの先発投手を3年5775万ドル以下の金額で獲得できる保証はどこにもなく、1年あたり1925万ドル(約29億円)で今永を3年間キープできるのはカブスにとって悪い条件ではないと言えるだろう。
とはいえ、今永はすでに32歳。一発病に苦しんだ今季終盤の不振を考慮する必要もある。カブスが3年5775万ドルのオプションを行使するかどうかは、今季終盤の今永のパフォーマンスを「一時的な不振」とみるか、「相手チームに研究・攻略された結果」とみるか次第だろう。今永はメジャー最初の42先発(248回1/3)で防御率2.75をマークし、9イニングあたりの被本塁打は1.4本。しかし、直近の12先発(69回2/3)では防御率5.17と打ち込まれ、9イニングあたり2.6本のホームランを浴びた。
初のポストシーズンでも2度の登板で防御率8.10と結果を残せなかった今永。来季もカブスの一員としてプレーするのか。注目のオフシーズンを迎えることになる。
