2025-26オフシーズンのFA選手ランキング! 村上7位、岡本30位
2025.10.23 15:37 Thursday
ワールドシリーズが目前に迫り、他の28チームはすでに2026年に向けて計画を進めている。そこで、MLB.comは2025-26のオフシーズンに向けて、フリーエージェント(FA)選手30人をランク付け。中にはオプトアウト権(契約破棄条項)を持ち、まだ正式にFAになっていない選手も含まれている。
1)カイル・タッカー、ライト、カブス(28歳)
タッカーはカブスに移籍した今季、6月までに17本塁打、52打点、20盗塁、OPS.931を記録した。しかし、右手骨折の影響で夏場に低迷。それでも2021年以降は毎年4.0以上のfWARを残すなど安定感は抜群で、今冬のFA市場でもNo.1の選手であることは間違いない。
フィットするチーム:カブス、ドジャース、ジャイアンツ
2)アレックス・ブレグマン、サード、レッドソックス(32歳)
ブレグマンは昨オフ、レッドソックスと3年1億2000万ドルの契約を結んだ。ただ、その契約にはオプトアウト権が含まれており、ブレグマンはそれを行使する予定だ。ブレグマンは今季114試合の出場にとどまったが、OPS.822、18本塁打と変わらぬ活躍を見せた。
フィットするチーム:フィリーズ、レッドソックス、タイガース
3)カイル・シュワーバー、外野手/DH、フィリーズ(33歳)
33歳のシーズンを迎える選手がランキングの上位に来ることは稀だが、シュワーバーは例外だ。今季162試合に出場して56本塁打、132打点でリーグ二冠を獲得。bWAR(4.7)とfWAR(4.9)で自己ベストを更新した。
フィットするチーム:フィリーズ、レンジャーズ、レッズ
4)ボー・ビシェット、ショート、ブルージェイズ(28歳)
2021年から2年連続でリーグ最多安打、2023年には2度目のオールスター選出を果たしたビシェットにとって、2024年は悪夢のようなシーズンだった。しかし、今季はかつての輝きを取り戻し、139試合で18本塁打、94打点、OPS.840を記録した。守備力は低いものの、人手不足のショート市場では人気になるだろう。
フィットするチーム:ブルージェイズ、ブレーブス、タイガース
5)コディ・ベリンジャー、ファースト/外野手、ヤンキース(30歳)
2024年からカブスと3年間の再契約を結んだが不安定な成績に終わり、ベリンジャーは昨オフにヤンキースへ放出された。今季はヤンキースで152試合に出場し、29本塁打、98打点、OPS.814を記録し、ナ・リーグMVPに輝いた2019年(8.7)以来最高のbWAR(5.0)を稼いだ。ベリンジャーは古巣ヤンキースに完璧にフィットしているが、長期のオファーで引き抜きを狙う球団も現れるかもしれない。
フィットするチーム:メッツ、タイガース、ヤンキース
6)ピート・アロンソ、ファースト、メッツ(31歳)
ブレグマンと同様、アロンソも昨オフの市場で長期契約を結び損ねた。メッツにオプトアウト権付きの2年契約で復帰した今季は162試合に出場し、38本塁打、126打点、OPS.871と華々しい復活。クオリファイングオファーを受けることもなく、昨季より多くの関心を集めるだろう。
フィットするチーム:ジャイアンツ、メッツ、レッドソックス
7)村上宗隆、ファースト/サード(26歳)
村上はスカウトに「本物のパワー」と評されるほどのパワーヒッター。日本での8シーズンでは246本塁打を放ち、2022年には王貞治氏を超えるシーズン56本塁打を記録。村上はヤクルトスワローズからポスティングされる見込みで、松井秀喜以来の日本人スラッガーとなる。
フィットするチーム:ドジャース、マリナーズ、ヤンキース
8)マイケル・キング、先発投手、パドレス(30歳)
キングはブルペンから先発への転向、さらにパドレス移籍を機にトップクラスの先発投手として頭角を現した。昨季はエース級の活躍だったものの、今季は負傷もあって15先発にとどまった。しかし、来季の相互オプションを破棄してFAとなる見込みだ。
フィットするチーム:ブルージェイズ、パドレス、ヤンキース
9)フランバー・バルデス、先発投手、アストロズ(32歳)
バルデスはもともと、今オフのFA市場でトップクラスの先発投手と期待されていた。シーズン最初の21先発では11勝4敗、防御率2.62を記録したが、最後の10先発では2勝7敗、防御率6.05と低迷。また被弾後にキャッチャーに意図的に投球を当てた疑惑も出た。それでも、バルデスのイニングイーターぶりは市場で高評価されるだろう。
フィットするチーム:アストロズ、ブルージェイズ、カージナルス
10)ディラン・シース、先発投手、パドレス(30歳)
シースは今季32先発で8勝12敗、防御率4.55と振るわなかった。球速、空振り率、奪三振率は依然として優秀だが、四球や被弾の多さに苦しめられた。5年連続で32先発以上をこなし、200以上の三振を奪っている耐久性と奪三振力は、投手不足の球団から注目を集めるだろう。
フィットするチーム:エンゼルス、メッツ、オリオールズ
11)レンジャー・スアレス、先発投手、フィリーズ(30歳)
スアレスは2024年に初めてオールスターに選出され、今季はさらにステップアップ。先発投手として4シーズン連続で振る稼働し、防御率3.59と堅実な成績を残している。先発2番手、あるいは3番手として好条件の契約を得るだろう。
フィットするチーム:ブルージェイズ、ジャイアンツ、フィリーズ
12)エウヘニオ・スアレス、サード、マリナーズ(34歳)
スアレスは前半戦106試合で36本塁打を放ち、トレード市場の目玉となったが、マリナーズに移籍後はOPS.683と低迷した。シュワーバー、アロンソより年齢と三振率が高いスアレスは、その2人よりリーズナブルな契約で済む大砲だ。
フィットするチーム:エンゼルス、マリナーズ、パイレーツ
13)トレント・グリシャム、外野手、ヤンキース(29歳)
2024オフにフアン・ソトがヤンキースへトレードされた際、グリシャムはおまけにすぎなかったが、今季はソトが抜けた穴を埋める存在になった。自己ベストの34本塁打、74打点、OPS.811、OPS+125を記録。安定したセンター守備に加え、四球率やボール球スイング率も優秀だ。ヤンキースはクオリファイングオファーを出す可能性があるが、ベリンジャーとの再契約や若手選手との兼ね合いで決断は変わるだろう。
フィットするチーム:メッツ、レンジャーズ、ロイヤルズ
14)エドウィン・ディアス、救援投手、メッツ(32歳)
チームメートのアロンソとは異なり、ディアスはまだオプトアウト権の行使を表明していない(契約は残り2年3700万ドル)。ディアスは今季66回1/3で防御率1.63、28セーブ、98三振をマークした。膝蓋腱断裂から復帰2年目でかつての輝きを取り戻した。
フィットするチーム:メッツ、オリオールズ、ヤンキース
15)ジョシュ・ネイラー、ファースト、マリナーズ(29歳)
ネイラーはトレード移籍を挟んで好調を維持し、今季20本塁打30盗塁、OPS.815を記録。ファースト守備の堅実さ、三振率の低さも魅力的だ。ただ、選球眼は良くない。
フィットするチーム:マリナーズ、ナショナルズ、ロッキーズ
16)ルイス・アライズ、ファースト、パドレス(29歳)
アライズは2022年から3年連続で首位打者を獲得し、3度オールスターに選出された。しかし、今季は打率.292、OPS.719とやや成績が落ちた。ただ、依然として空振り率、三振率、スクエアアップ率でリーグトップの成績を残すトップクラスのコンタクトヒッターだ。守備力は平均以下(OAA-9)だが、打線で存在感を発揮できるだろう。
フィットするチーム:エンゼルス、ジャイアンツ、レンジャーズ
17)ロベルト・スアレス、救援投手、パドレス(35歳)
2年連続でオールスターに選出されたスアレスは、残り2年間のプレイヤーオプション(選手側に選択権のある契約)を辞退してFA市場に出ると予想される。今季のセーブ王は剛速球を武器に三振の多さと四球の少なさを両立している。
フィットするチーム:ブレーブス、ドジャース、オリオールズ
18)ザック・ギャレン、先発投手、ダイヤモンドバックス(30歳)
2020年から2024年にかけて、ギャレンはリーグで最も安定した先発投手の一人だった。128先発で50勝31敗、防御率3.34を記録し、エースとして活躍した。しかし、今季は13勝15敗、防御率4.83と不振。決め球のナックルカーブが被長打率.438(2024年は.230)と打ち込まれた。耐久性に優れるギャレンは、短い契約で再びFA市場に出ることを狙うのが既定路線で、人気物件となるだろう。
フィットするチーム:アストロズ、ダイヤモンドバックス、メッツ
19)JT・リアルミュート、捕手、フィリーズ(35歳)
リアルミュートはフィリーズとの5年契約を満了し、7年を過ごしたフィラデルフィアを去るかもしれない。かつて捕手として屈指の水準にあった打力はかげり、今季は134試合でOPS.700。守備面もブロッキング、フレーミングの数値は低いが、盗塁阻止は依然として優秀だ。かつての実力はないが、捕手不足のFA市場では最良の選択肢となるだろう。
フィットするチーム:フィリーズ、レンジャーズ、ツインズ
20)シェーン・ビーバー、先発投手、ブルージェイズ(31歳)
トミージョン手術から復帰したビーバーは、ブルージェイズで7先発、防御率3.57と好投。安定した制球力は相変わらずだった。来季はトミージョン手術からの本格復帰を目指すシーズンになる。
フィットするチーム:ブルワーズ、カブス、レンジャーズ
21)デビン・ウィリアムズ、救援投手、ヤンキース(31歳)
2022年から2024年はブルワーズで防御率1.66を記録し、リーグ屈指のクローザーとして君臨。しかし、ヤンキースに加入した今季は不安定なパフォーマンスだった。来季は短期の契約を結び、FA市場に出直すことが予想される。ウィリアムズはクローザーへのこだわりを表明している。
フィットするチーム:ブルージェイズ、ブレーブス、タイガース
22)ジャック・フラハティ、先発投手、タイガース(30歳)
フラハティは残り1年2000万ドルの契約を破棄してFA市場に出るかは不透明だ。今季は8勝15敗、防御率4.64と、昨季と比べると成績を落とした。ただ、今回はクオリファイングオファーの対象ではないため、市場はある程度加熱するかもしれない。
フィットするチーム:ブレーブス、メッツ、オリオールズ
23)ホルヘ・ポランコ、内野手、マリナーズ(32歳)
ポランコは今季138試合で26本塁打、OPS.821、OPS+134と好成績を残した。さらにポストシーズンでは3試合連続で決勝打を放ち、マリナーズをワールドシリーズまであと1勝のところまで導いた。ポランコはプレイヤーオプションを破棄し、FA市場に出るだろう。
フィットするチーム:エンゼルス、ロッキーズ、ツインズ
24)メリル・ケリー、先発投手、ダイヤモンドバックス(37歳)
このランキングで最年長のケリーは、30代後半に差し掛かっても堅実なローテ投手として活躍している。2022年から108先発をこなし、防御率は3.47。今季もトレード移籍を挟んで12勝9敗、防御率3.52、さらにMLB14位の184イニングを投じた。奪三振力は平均以下だが、その制球力は年々磨きがかかっている。
フィットするチーム:ダイヤモンドバックス、パドレス、パイレーツ
25)グレイバー・トーレス、セカンド、タイガース(29歳)
トーレスはFA市場への出直しを狙ってタイガースと1年契約を結び、前半戦は狙い通り復活を遂げた。2019年以来となる3度目のオールスターに選出されたが、後半戦からは成績を落とした。それでもトータルの打撃成績は優秀で、アプローチの良さが際立った。一方で、守備力には不安を抱える。
フィットするチーム:カージナルス、ガーディアンズ、ツインズ
26)ライアン・ヘルスリー、救援投手、メッツ(31歳)
カージナルスでは絶対的クローザーとして活躍し、トレード市場でも人気物件だったが、メッツへのトレード後に暗転。22登板で防御率7.20と打ち込まれ、ポストシーズン逸の一因ともなった。しかし、その2ヵ月の不調がヘルスリーの価値に傷をつけることはないだろう。ヘルスリーは過去3シーズンで防御率1.83、82セーブを挙げている。
フィットするチーム:カブス、ジャイアンツ、レンジャーズ
27)ルーク・ウィーバー、救援投手、ヤンキース(32歳)
ウィーバーは今季最初の2ヵ月は24登板で防御率1.05を記録したが、負傷者リスト入りを境に成績が低迷。最後の40登板では防御率5.31と苦しんだ。ポストシーズンでも苦戦したが、直近2シーズンのパフォーマンスは優秀で、多くの球団の関心を呼ぶだろう。また、ブルペン転向前は先発投手としてプレーしてきたウィーバーは、再転向の可能性も示唆している。
フィットするチーム:アスレチックス、ダイヤモンドバックス、ヤンキース
28)クリス・バシット、先発投手、ブルージェイズ(37歳)
ベテランのバシットは30代後半に差し掛かってもイニングイーターとして活躍し、4シーズン連続で170イニング以上を投じている。三振率は平均程度だが、複数の変化球を織り交ぜて弱い打球を打たせるのが真骨頂。ゴロ率と四球率も優秀だ。1年あるいは2年契約で先発3、4番手を務めることになりそうだ。
フィットするチーム:ブルワーズ、ナショナルズ、オリオールズ
29)ルーカス・ジオリト、先発投手、レッドソックス(31歳)
トミージョン手術を受けて2024年を全休したジオリトは、今季レッドソックスで10勝4敗、防御率3.41と復活。しかし、右肘の違和感でポストシーズンを欠場したため、コンディションは依然として懸念される。
フィットするチーム:エンゼルス、アストロズ、ダイヤモンドバックス
30)岡本和真、内野手(29歳)
日本で数々の輝かしい実績を持つスラッガー、岡本は今オフにポスティングされる。2018年にレギュラーを獲得してからオールスターに6度選出、3度の本塁打王を獲得した。MLBのより球速がある投手への対応力、守備位置の問題は不透明だ。
フィットするチーム:カブス、メッツ、ヤンキース
その他の選手:セドリック・マリンズ、ハリソン・ベイダー、ウォーカー・ビューラー、ザック・エフリン、ポール・ゴールドシュミット、リース・ホスキンス、ダスティン・メイ、ライアン・オハーン、マーセル・オズナ、ジャスティン・バーランダー、ブランドン・ウッドラフ