「なりたい自分になれる」吃音症の子どもにスプリンガーが贈るメッセージ
2025.10.23 17:32 Thursday
ジョージ・スプリンガーに新たなレガシーが加わった。これまでワールドチャンピオン、ワールドシリーズMVP、4度のオールスター選出など華々しい実績を積み上げ、今度はブルージェイズ史上最高の瞬間の一つを生み出した。スプリンガーはア・リーグ優勝決定シリーズの第7戦で決勝点を生む逆転3ランを放ち、ブルージェイズを1993年以来のワールドシリーズに導いたのだ。
またしてもヒーローとなったスプリンガーが知られているのは、その大舞台での強さだけではない。スプリンガーは吃音のある子どもたちの支援活動を行っていることでも知られる。
スプリンガー自身も子どもの頃から吃音症に悩まされていた。今やMLBのスター選手となり、その影響力を活用して吃音のある子どもたちを励ましている。10月22日は国際吃音啓発デーであり、スプリンガーがSAY(子どものための吃音協会)などの団体で行ってきた活動に光を当てる機会となっている。
「チームメートやコーチに聞いてくれたら分かるよ。僕は話すのが好きなんだ。望まれていなくても一日中話し続けるよ。でも昔はそうじゃなかった。吃音のある子ども、あるいはそういったお子さんを持つ親、吃音を持つ人に出会ったことがある人に、物事は楽になっていくと証明できればいいなと思う。やりたいことをできる。言いたいことを言える。なりたい自分になれるんだ」と、スプリンガーは語る。
ブルージェイズの本拠地ロジャースセンターの隣にそびえ立ち、トロント市内からどこでも見えるCNタワーは、国際吃音啓発デーを記念して緑色にライトアップされた。
吃音症は世界人口の約1%が抱えていると推定されている。アメリカでは300万人以上、カナダでは40万人に相当する。全米吃音協会によれば、最大5%の子どもが吃音の時期を経験し、その時期は2歳から5歳の間に始まることがおおという。幼少期に吃音症だった子どもの多くは最終的に無おるが、スプリンガーを含め成人になっても吃音に悩まされる人も少なくない。
スプリンガーは毎年恒例のチャリティイベントを主催する際、そこで出会う子どもたちに話を戻して、彼らがどれほど自分を助けてくれたかを語ってきた。それに、スプリンガー自身もまだ36歳の若者なのだ。
スプリンガーはブルージェイズ最大の個性だ。ポストシーズンは緊張感が高まり、10月が進むにつれてよりシリアスな展開になるが、スプリンガーは常にパーティーの中心人物であり、あらゆる会場を音とエネルギーで満たしてくれる。
スプリンガーは言う。
「自分でコントロールできない何かに、なりたい自分になることを諦めさせてはいけない。この世には、助けてくれる本当に良い人もたくさんいるし、吃音を気にしない本当に良い人もたくさんいる。皆んなにわかってほしい最も重要なことの一つは、ただ受け入れる必要があるということだ。ありのままの自分を受け入れ、自分の話し方を受け入れてほしい」
スプリンガーは、吃音に悩む人々、特に子供たちにとって、重要な人物だ。長年にわたり吃音について公に語ってきただけでなく、それを自分の一部として受け入れてきたMLBスターは、彼らにとって尊敬すべき存在だ。そして今、スプリンガーはブルージェイズにとって32年ぶりのワールドシリーズ優勝を目指し、野球界最大の舞台に立っている。
