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弱点のブルペン陣が不安を露呈 ドジャースがワールドシリーズ第1戦を落とす

2025.10.25 15:49 Saturday

【ブルージェイズ11-4ドジャース】トロント/ロジャースセンター、10月24日(日本時間25日)

 ドジャースは先発投手の好投に慣れてしまっていたかもしれない。今季のポストシーズンにおいて、ドジャースの先発投手陣は防御率1.40のパフォーマンスで、チームをワールドシリーズまでわずか1敗で導いてきた。

 しかし、毎試合のように歴史的な好投を期待できるわけではない。ドジャースは弱点のブルペン陣が一皮剥けなければ、ワールドシリーズ終盤で苦戦を強いられるだろう。

 先発のブレイク・スネルはこの日、調子が悪く、六回にブルージェイズ打線につかまった。悪夢のような六回で、スネルはノックアウトされ、リリーフしたエメット・シーアンとアンソニー・バンダは9点を失った。そして、ドジャースはワールドシリーズ第1戦に4-11で大敗した。

 「マウンドに立てば、常に仕事を果たそうとする。ただ、ブルペン陣に関して言えば、きょうはそれができなかった。それができれば、あとは完ぺきだった。とにかく自信をつけることが大事だと思う。でも、今夜は本当に酷かった」と、バンダは振り返る。

 ドジャースは今ポストシーズンで初めて劣勢に立たされている。これまで最大7戦のポストシーズンシリーズでは、ホームで第1戦に勝利したチームは、67.6%(69/102)の割合でシリーズを制している。

 「厳しい試合だったけど、その後は相手が勢いづいて、より良い試合を展開した。4試合ある。4試合勝たないと」、六回途中5失点を喫したスネルは語った。

 今ポストシーズンでのドジャースの勝ち方は、概ね固まっている。まずは先発投手がクオリティスタート、もしくはそれ以上の好投をする。打線が必要最低限の得点を重ねる。そして最後に、ブルペン陣の数少ない信頼できる投手にボールを託す。

 ドジャースはここまで9勝1敗でポストシーズンを勝ち上がり、このパターンは機能していた。しかし、ブルペン陣で数少ない信頼できる投手だったアレックス・ベシアがワールドシリーズを欠場する見込みで、暗雲が垂れこめた。

 デーブ・ロバーツ監督は既に84球を投じ、調子が悪い中で2失点にまとめていたスネルを引っ張った。しかし、スネルは先頭から2四死球、1安打で無死満塁のピンチを招き、その試みは失敗。

 無死満塁で右打者のクレメントを迎える場面で、右腕シーアンを投入した。レギュラーシーズンでは先発投手を務めたシーアンは、今ポストシーズンではリリーフに回っている。ただ、ピンチの場面でのリリーフはおろか、走者なしの場面でも苦戦していた。

 ただ、ロバーツ監督には選択肢が限られていた。ブルペン陣の右腕には他にブレイク・トライネンがいたが、トライネンのパフォーマンスは予測できない。エドガード・エンリケスとウィル・クラインはワールドシリーズからロースターに加わったばかり。守護神の佐々木朗希は決して九回専門の投手ではないが、リードしていない状況の六回では投入できなかった。

 残された選択肢はシーアンだった。しかし、シーアンは最初の3打者に2安打、1四球で3点を許した。

 シーアンが1死を奪い、ドジャースは代打バージャーに合わせて左腕バンダを投入。しかし、バンダは左打者のバージャーを抑えられず、ワールドシリーズ史上初の代打満塁弾を献上した。さらにカークにも2ランを浴び、9失点を喫した悪夢の六回は終わった。

 七回に大谷翔平が2ランを放ったが、ブルージェイズの流れは変えられなかった。

 「ブルペン陣の構成を考えると、シーアンとバンダの力は必要だ。まだ道のりは長いし、良い投球をしてもらう必要がある」と、ロバーツ監督は打たれた2投手をフォローした。

 一方で、打線も振るわなかった。得点圏では7打数3安打だったが、7残塁は理想的な結果ではない。

 「1試合で10、11得点する力がわれわれにはある。ただポストシーズンでそれをやるのは難しい」と、ムーキー・ベッツは語る。

 しかし、攻撃力がどんなに高くても、ブルペン陣が9失点したのを埋め合わせることはできない。ドジャースは不安定なブルペン陣を抱えながら、ここまで勝ち進んできた。もしあと4勝を挙げるならば、ドジャースは今季を通して直面してきた最大の疑問に対して、答えを出さなければいけない。


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