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「脱帽だ」 完投の山本にブルージェイズが敬意を示す

2025.10.26 15:51 Sunday

【ブルージェイズ1-5ドジャース】トロント/ロジャースセンター、10月25日(日本時間26日)

 ブルージェイズ打線の大きな特徴は、打席での粘りだ。相手投手を疲労困憊させて早めの降板に追い込み、投手時を苦しめてきた。

 しかし、ワールドシリーズ第2戦では、ポストシーズンでほぼ敵無しだったブルージェイズ打線は、ついに彼らを完全に封じ込める投手に遭遇した。山本由伸はブルージェイズ打線を1失点完投で圧倒し、第2戦でドジャースに勝利をもたらした。シリーズは1勝1敗のタイに持ち込まれた。

 山本は2001年にカート・シリングが3試合連続で完投して以来、ポストシーズンで2試合連続完投を達成した初の投手となった。効果的な6球種を織り交ぜ、ブルージェイズ打線を幻惑した。

 高い攻撃力を誇った2025年のブルージェイズに対して、完投した投手はこれまでいなかった。レッドソックスのギャレット・クローシェとロイヤルズのマイケル・ワカがそれぞれ8回を投げ抜いたが、今季はそれが最長だった。

 「ポストシーズンで2試合連続の完投。本当に素晴らしかった。山本はわれわれの打線を苦しめていた。ゾーンに投げ込めていたし、スプリットもゾーン内外に出し入れされていた。本当に素晴らしいパフォーマンスだった」と、ブルージェイズのジョン・シュナイダー監督は山本を称賛した。

 第1戦でブレイク・スネルを消耗させたのと同様、ブルージェイズは初回に山本からチャンスを作った。しかし、山本は無死一、三塁のピンチを23球かけて無失点で切り抜けた。三回にはアレハンドロ・カークの犠牲フライで同点に追いつき、逆転のチャンスをつかむかと思われた。しかし、この犠牲フライが最後のチャンスだった。山本はここから20打者を連続で凡退させ、105球(ストライク73球)で試合を締めくくった。

 「山本はただ、自分の投げたいところに球を投げられていた。1回のピンチを良い形で切り抜けた。とにかく自分の投球をしっかりこなしていた。自分の仕事をやり遂げたんだ」と、ブルージェイズのネイサン・ルークスと脱帽した。

 山本が際立っていたのは、レギュラーシーズンとなんら変わらないパフォーマンスを見せた点だ。独特の奇抜な投球フォーム、レッグキックと短いテイクバックで、ブルージェイズの打者はタイミングを取るのに苦しんだ。

 「みんなと同じように、この試合に向けて相当な準備をしてきた。(われわれは)準備万端だった。山本を称賛するしかない。彼はすべての球種をピッチトンネルに通し、球速もキープし、直球を本当に良く制球した。準備不足が原因だったとは思わない。彼の打者を騙す技術がすごかった。投球フォームにも間違いなく騙しの要素があった。彼は最高の状態だった」と、シュナイダー監督は山本を手放しで称賛した。

 8三振のうち、4三振を奪ったカーブ、17度の空振りのうち6度を奪ったスプリットなど、球種構成も完ぺきだった。

 ブルージェイズ打線は好調であれば、四球を稼ぐこともできる。しかし、山本は四球による反撃の隙も見せなかった。1死球こそ与えたが、四球はゼロ。ブルージェイズ打線が四球を選べなかったのはレギュラーシーズン中はわずか7試合で、これはMLBでも4番目に少ない。

 「山本はただ座ってミスを待っていられるような投手ではない。今夜はほとんどミスをしなかった。改めて脱帽だ。2試合連続完投は特別なことだ」と、ブルージェイズ打線を牽引してきたジョージ・スプリンガーは語った。

 ブルージェイズの良かった点を見つけるとすれば、山本に対してボールを前に飛ばせたということだろう。ゴロアウトは11度、フライアウトも3度。ボールを前に飛ばし続ける限り、それは良い結果に結びつくかもしれない。それがコンタクト力に長けるブルージェイズの考え方だ。

 「打球が上手いこと抜けなかった。山本に対してできることがそれで制限されてしまったね。脱帽だよ。次の試合に切り替えるよ」と、ルークスは語る。ブルージェイズの選手たちは山本に対して敬意を示し、既に次へと目を向けた。


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