パドレスの今オフの優先事項5選 最重要は「適切な監督」を見つけること
2025.10.27 10:55 Monday
サンディエゴでは忙しいオフシーズンが始まっている。主力選手の多くは2026年シーズンも契約が残っており、引き続き充実した戦力で戦える見込みだが、オフシーズンに取り組まなければならないエリアも複数ある。ここでは今オフのパドレスにとって最も重要だと思われる点を、5位から1位まで主観的なランキングで紹介していこう。
5位:ベンチの選手層
フレディ・ファーミンは正捕手の座を固めた。ラモン・ローレアーノの球団オプション(=球団側が選択権を持つ契約オプション)は球団側に有利な内容となっており、正左翼手として来季もチームに残る可能性が高い。ギャビン・シーツは少なくとも強力なプラトーン要員として、チーム内で居場所を得た。パドレスは過去10カ月間の動きによって、来季のオフェンス面のニーズをある程度、満たしてきた。
しかし、こうした選手たちに続く「ベンチ」の枠は空いている。エリアス・ディアスとホセ・イグレシアスはフリーエージェント(FA)になる。つまり、捕手と内野手の控えが必要になるということだ。パドレスは夏のトレードでブルージェイズからウィル・ワグナーを獲得したが、それでも控え内野手の補強は必要だろう。
ブライス・ジョンソンは来季も控え外野手としてロースターに入る可能性がある。しかし、パドレスはそれ以上に強力な控え野手が必要だ。言い換えれば、パドレスは「2026年版のギャビン・シーツ」を見つける必要があるのだ。
4位:先発投手の選手層
ローテーションについては、のちほど改めて言及するが、まずはローテーションの後ろの部分から見ていこう。ランディ・バスケスは自分のポジションを勝ち取った。夏の間、素晴らしい活躍を見せたが、各種の指標は今一つだった。通常、各種の指標が悪ければ、成績は悪化していくものだが、バスケスに関しては逆のことが起こった。空振りを奪えるようになり、与四球も減少。主力投手になれる可能性を秘めていることを示した。
しかし、バスケス以外の層は薄い。ダルビッシュ有の今後は不透明で、ジョー・マスグローブもトミー・ジョン手術明けであり、先発ローテーションの中心部分に不安を残していることを考えると、今まで以上に先発投手の層を厚くしておくことが必要になるだろう。
問題は、夏場のトレードでメジャーレベルの投手を大量にトレードで放出した一方、メイソン・ミラーとともにアスレチックスから移ってきたJP・シアーズが移籍後、苦戦を強いられたことだ。先発投手の層に厚みを加える戦力として、複数の投手を獲得することが必要になりそうだ。
3位:長打力
パドレスは2026年シーズンに本塁打数でトップに立つ必要はない。しかし、2025年シーズンと同じようにメジャー28位で終わることは許されない。最も重要なのは、フェルナンド・タティスJr.やジャクソン・メリルといった現有戦力のパワーポテンシャルを最大限に引き出すことだろう。しかし、外部からの補強に動くのも悪くない。
言い換えれば、ルイス・アライズはパドレスが追いかける必要のないFA選手だ。一塁もしくは指名打者(DH)の枠が空くものの、ここにはアライズのようなアベレージヒッターではなく、パワーヒッターを補強するのが適切だろう。
A・J・プレラー編成本部長は「得点力を上げる方法はたくさんある。本塁打を増やすのは、もちろん素晴らしいことだ。我々はそれができると思うし、本塁打を増やせるようにしていきたいと考えている」と語る一方、「しかし、重要なのは、粘り強い打席と本塁打を打つ打席のバランス、つまり一貫して攻撃的なプレッシャーを与え続けることだと思う。これは我々が常に話していることだ。今オフは、その点をもう少し改善する方法を見つけなければならない」と本塁打の増加だけに注力することに関して慎重な姿勢を見せた。
2位:エース級の先発投手
過去2シーズンで合計110試合に先発したディラン・シースとマイケル・キングがFAになる。ニック・ピベッタは先発の柱として来季も残り、マスグローブも手術から戻ってくるが、シースとキングが担っていた多くのイニングをカバーしなければならない。
ピベッタと交わした契約に重要性は、いくら強調してもしすぎることはない。今年2月、スプリングトレーニング初日に契約し、2025年シーズン全体を通して先発ローテーションを安定させた。しかも、その契約内容は扱いやすいものだった。
端的に言えば、もしパドレスがシースやキングを引き留められないなら、「次のニック・ピベッタ」を見つける必要がある。そして、シースとキングがチームを去る可能性は高いと思われる。
1位:適切な監督
ロースターに関する様々な疑問はさておき、現有戦力は依然として大きな可能性を秘めている。適切な補強を行うことができれば、ポストシーズン進出を狙えるチームになるだろう。そして、適切な人物が指揮を取れば、ワールドシリーズ進出に相応しいチームになるかもしれない。
マイク・シルト監督の退任により、パドレスは新たな監督探しを強いられている。関係者によると、新監督決定に向けたプロセスは順調に進んでいるようだ。シルト政権下のパドレスは、球団史上初となる2年連続90勝を達成した。
新監督は、シルト監督が築いた土台に新たな戦力を築き上げ、10月の戦いで次のステップを踏み出す必要がある。今オフのパドレスにとって、適切な監督を見つけ出すことは、おそらく最も重要な動きとなるだろう。
