ワールドシリーズ第4戦の見どころ 大谷の投打のパフォーマンスが鍵
2025.10.28 18:19 Tuesday
ワールドシリーズ第3戦は今まで見た中でも最高の、そして最長の試合の一つだった。
6時間39分、18イニングの攻防で19人の投手が登場、大谷翔平は2本塁打、4長打、5四球(うち申告敬遠4つ)を記録した。残塁は実に37を数え、走塁でアウトになる選手も続出した。クレイトン・カーショウの満塁のピンチを抜け出す好リリーフを見せ、最後はフレディー・フリーマンがまたしてもサヨナラ本塁打を放って決着させた。
ドジャースが2勝1敗で迎えるあすの第4戦はどうなるだろうか。3つの注目ポイントから、第4戦を展望する。
翔平が投げる!(そして打つ!)
ナ・リーグ優勝決定シリーズでは、大谷は野球史上最高の個人パフォーマンスを見せた。ワールドシリーズ第3戦でも大谷は4長打、5四球、2本塁打で記録を作り続けた。
そしてついに大谷はマウンドに立つ。ワールドシリーズで先発投手が打席に立つことは、両リーグにDH制が導入されるまで120年間起こり続けてきたことだが、それでも大谷がやることなすことどれも前例がないように感じられる。第4戦では投打両方で素晴らしい活躍が求められる。
ドジャースは第3戦でブルペン投手全員を起用せざるを得なかった。そして第4戦、そしてその翌日にある第5戦を見据えるならば、大谷に求められるのはただの好投ではなく、ある程度のイニングの消化だ。彼はポストシーズンでの2登板を含め、過去3登板でいずれも6イニングを投げている。ドジャースはその再現を必要としている。そして打席では本塁打も1、2本必要だろう。
第4戦で誰が投げられる?
MLB.comのマイク・ペトリエロが指摘したように、第3戦の前でも両軍のブルペン陣は好調ではなかった。そして第3戦では合わせて26イニングを投げなければいけなかった。ドジャースは9人、ブルージェイズは8人のリリーフ投手を起用し、そしてあすもあさっても試合をしなければいけない。
ドジャースが第4戦で大谷を長いイニングまで引っ張る可能性は低いだろう。一方で、ビーバーは今年8月にトミージョン手術から復帰し、2023年7月から6イニング以上投げていない。両軍のブルペン陣に再び負担がかかる展開もありえる。
第3戦ではブルージェイズがジェフ・ホフマン、ドジャースが佐々木朗希と、それぞれのブルペン陣の切り札を複数イニング投げさせている。彼ら以外でもイニングをまたいだ投手は多く、合計9人のリリーフ投手が3アウト以上を記録した。試合は乱打戦になるかもしれない。
ジョージ・スプリンガーは復帰できるか?
ジョージ・スプリンガーはポストシーズンに強い選手として知られてきた。今年のワールドシリーズで再びMVPを受賞すれば、その名声はさらに高まるだろう。アストロズでは毎年のように出場したポストシーズンで毎年のように活躍し、ブルージェイズでもア・リーグ優勝決定シリーズ第7戦で逆転の決勝3ランを放った。
スプリンガーは今季、レギュラーシーズンから絶好調だった。キャリアワーストだった昨季から復活し、今季はチーム最高の打者だったと言っても過言ではない。2017年の悔しさを未だに拭えないドジャースファンはブーイングを浴びせているかもしれないが、私たちファンにとってはスプリンガーを応援せずにはいられない。しかし、2025年シーズンでの彼の活躍は見納めなのだろうか、と疑問に思う人もいるだろう。
スプリンガーは既に膝の怪我に悩まされていたが、 七回にファウルボールを打った後、右脇腹を押さえ込み、すぐに交代させられた。FOXの中継で解説者のジョン・スモルツが言った言葉はまさに正鵠を射ていた。「ブルージェイズがこのシリーズで残しているであろう時間よりも、回復に長い時間を要するタイプの怪我のように見えた」と。試合後、ジョン・シュナイダー監督はスプリンガーが「右脇腹に違和感」を感じているとしてMRI検査を受け、結果は未定だと述べた。
