がけっぷちに追い込まれたドジャース 「何の問題もない」
2025.10.31 11:19 Friday
【ドジャース1-6ブルージェイズ】ロサンゼルス/ドジャースタジアム、10月29日(日本時間30日)
ドジャースが本拠地での今季最後のイニングをプレーしているとき、試合中は満員だった観客の中から「シリーズはまだ終わっていない!」とチャントを生み出そうとする声が聞こえた。
散発的に続く声はあったが、すぐにそれは消え、球場はずっと前から広がっていた諦めの雰囲気に戻った。
ドジャースは2024年の地区シリーズ以来初めて、「あと1敗でシリーズ終了」の瀬戸際に置かれている。
「まだ可能性はあると思う。もっと可能性はあると確信している。2勝はしたが、結局は1試合の結果にかかっている。これまで何度も負ければ終わりの試合を経験してきたが、その逆境を乗り越える方法を見つけたと思う」
ドジャースにとって、歴史は不利な状況を示している。最大7戦のシリーズで2勝2敗のタイとなった場合、第5戦の勝者は68回中48回(67.6%)でシリーズを制している。現行のフォーマットでは、アウェイで第5戦に勝利して3勝2敗のリードを奪い、その後ホームに戻って第6戦以降に挑んだチームは、27回中20回(74.1%)シリーズを制している。
しかし、結局オッズはオッズに過ぎない。ドジャースは依然もオッズを覆している。とはいえ、彼らが第5戦に敗れたのは、ワールドシリーズの歴史において間違った側に立っていたことが大きな要因だった。
試合の最初の3球が、その夜の試合の流れを大きく決定づけた。ブレイク・スネルは、デービス・シュナイダーへの初球をとらえられ、レフトへ先制ソロを被弾。スネルはその2球後にも同様のミスを犯し、ブラディミール・ゲレーロJr.に痛恨の2本目のソロを浴びた。試合開始から2者連続本塁打はワールドシリーズ史上初だった。
「試合の初球、内角高めの直球。98マイル(約157.7キロ)出ていた。不運だった。そしてそれからブラッド(ゲレーロJr.)。あれはただの悪いボールだった」と、スネルは振り返った。
スネルと対したトレイ・イェサベージは7回1失点、12三振の快投。76年間破られなかったワールドシリーズ新人記録を塗り替え、ドン・ニューカム(1949年、ブルックリン・ドジャース)が成し遂げた11三振を更新した。
ドジャースのブルペン陣はまたしても不安定なパフォーマンスだったが、打線がそれ以上に振るわなかったため、問題にはならなかった。ドジャースはより良いパフォーマンスを発揮できると分かっているが、それを見極める時間は限られている。
ドジャースが最後に「負ければシーズン終了」に追い込まれた2024年の地区シリーズから何かを学ぶとすれば、それは粘り強く戦い続けることだ。特に第6戦では山本由伸がマウンドに立つことを考えると、第7戦まで持ち込める可能性は高い。
「今年は何度も窮地に立たされた。怪我と戦い、期待と戦い、そしてその他もろもろ。このチームはタフで、2試合勝つことに何の問題もない」と、ウィル・スミスは自信を口にした。
準備ができているのは山本だけではない。第6戦から大谷翔平がリリーフとして起用される可能性があり、第7戦にはタイラー・グラスナウが先発予定だ。
今季のドジャースの強みは先発投手陣だった。しかし、ブルージェイズ打線に攻略され、ドジャースは2勝3敗とリードされている。それでも先発ローテには最高の投手が揃っており、第6、7戦ではさらに柔軟な起用が可能になる。
「昨年よりも才能豊かなチームになったと思う。昨年はやり方を見つけることができた。昨年は投手陣の状況がもっと深刻な状況だったと思う。第6戦では由伸を絶好のタイミングでマウンドに送り込める。私たち、そして攻撃陣が、今こそ本領を発揮すべき時だ」と、キケ・ヘルナンデスは意気込みを語った。
 
             
             
             
            