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ドジャースの救援投手が帽子に“51”と刻んでいるワケ

2025.10.31 12:21 Friday

 過去3試合、ドジャースのリリーフ投手は全員、ワールドシリーズのロゴの横に小さな刺繍が施された帽子をかぶっている。その刺繍とは、小さくあしらわれた51の数字だ。

 これは、背番号51の左腕アレックス・ベシアとともに戦う意思を示すものだ。ブルペン陣の切り札だったベシアは、妻ケイラと家族の事情でワールドシリーズからロースター(出場選手登録)を外れた。ドジャースは第1戦以降、ベシアに関する追加情報を発表していないが、ワールドシリーズ期間中の復帰は見込まれていない。

 「トロントにいた頃から、私たちはベシアと彼の家族への愛とサポートを示すために、様々な方法を考えてきた。ただ、私たちは本当に彼らがいなくて寂しいし、彼らが今経験していることに比べれば、野球など全く関係ないと思っている」と、エバン・フィリップスは語る。

 野球という枠を超えた大きな状況において、ベシアはまさに必要な場所にいる。シーズンを通してブルペン陣で幾度となく活躍したベシアに続き、他のブルペン陣も残り1、2試合で同じように活躍しようと、彼の背番号をキャップに刻み、敬意を表している。

 ブルージェイズとのワールドシリーズでは、ベシアの不在が様々な意味で顕著だった。ジャック・ドライヤーはシーズンを通して深い絆を築いてきたキャッチボール相手を失った。ドジャースは頼れる火消し役を失い、わずかなリードを許した試合が大敗につながった。しかし、最終的に最も痛い喪失は、投手という以上にベシアという人物だった。

 「ベシアは、自分のパフォーマンスやチームの成績、曜日に関係なく、毎日同じ人だ。彼はいつも同じエネルギーを持った人だ。それはスタッツシートで測ったり見たりできるものではないが、チームに多くのものをもたらし、大きな助けになっている。彼がいないのは寂しいけど、彼とケイラが元気でいてくれることを願っている」と、ドライヤーは語る。

 ドジャースのブルペン陣が最も力を発揮したのは、ベシアを称える帽子を初めて被った夜だった。歴史に残る死闘となった第3戦では、ドジャースのブルペン陣が9人全員を投入し、13回1/3をわずか1失点に抑えた。期待されていなかったドジャースのブルペン陣が輝いた瞬間。全員が帽子のベシアの51番を背負っていた。

 「ベシアはブルペンにとって大きな存在だ。彼はリーダーだ。この役割に慣れるだけでも、本当に助けになってくれた。彼がいないのは辛い。彼のことを考えて、私たちはただそうした。そして、それは彼のためだった」と、ポストシーズンからブルペンに転向したエメット・シーアンは言う。

 大ベテランのカーショウもこう語った。

「ブルペンに入ったのは初めてだ。でも、ベスは私たち全員にとって大切な存在。彼はこのチーム、そしてブルペンにとって大きな存在だ。彼に敬意を表すために何かしたかった」

 ベシアの離脱はさておき、ドジャースのワールドシリーズにおけるブルペン陣は、連覇を目指して構築した強力なブルペンとは程遠い。昨オフに大型フリーエージェント(FA)として獲得したタナー・スコットとカービー・イェーツはロースターに名を連ねていない。フィリップス、ブルスダー・グラテロル、マイケル・コペック、そしてトレード期限前に獲得した唯一のリリーフ投手であるブロック・スチュワートもロースターに名を連ねていない。

 不振からケガに至るまで、今季のドジャースの苦境の多くはブルペンが中心となってきた。その間ずっと、リリーフ投手陣は互いに支え合ってきた。新人のドライヤーは語る。

「ブルペンとして、私たちは本当に家族だと思っている。チームの誰かが何か問題を抱えている時はいつでも、フィールド内外で彼らを支えるんだ」

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