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激戦の2025年ワールドシリーズで生まれた様々な記録を振り返る

2025.11.3 12:50 Monday

 なんという試合。なんというワールドシリーズ。なんというシーズン。

 ワールドシリーズ第7戦は、ポストシーズンも含めて2025年の2477試合目。これは過去最多より5試合多く、史上最多試合数を更新した。そして、2025年シーズンの最終戦は「伝説」の試合となった。

 ドジャースが21世紀初&球団史上初のワールドシリーズ連覇を達成した最終戦は、延長11回までもつれる熱戦に。ワールドシリーズ最終戦が少なくとも11イニング以上の試合となったのは、1924年(12イニング)と1997年に続いて史上3度目だった。

 両チームの合計投球回は146イニングに及び、これは1912年のワールドシリーズ(147回2/3)に次ぐ2番目の数字。ただし、この年は引き分けが1試合あったため、ワールドシリーズは8試合行われた。

 ここではドジャースが最終的に5-4で勝利した一戦にまつわる、11個の「記録」と「事実」を紹介していく。

山本由伸とミゲル・ロハスが作った伝説

【1】第6戦で6イニングを投げた翌日、山本は第7戦を締めくくり、ポストシーズンの「伝説」にその名を刻んだ。MLBの公式記録を扱うエライアス・スポーツ・ビューロー社によると、ポストシーズンで6イニングを投げた翌日に登板した投手は山本が9人目。ただし、過去70年間では1988年NLCSのオーレル・ハーシュハイザー(第3~4戦)と2001年ワールドシリーズのランディ・ジョンソン(第6~7戦)だけ。山本は連投した2試合目に2回2/3を投げ、これは9人の中で最多イニングとなった。

【2】山本は2001年のジョンソン以来となるワールドシリーズ3勝を達成。ただし、山本は敵地で3勝を挙げており、これはワールドシリーズ史上初の快挙となった。

【3】ワールドシリーズ第6戦と第7戦で勝利投手になったのは、1925年のレイ・クレーマー、1946年のハリー・ブレキーン、2001年のジョンソンに続いて山本が4人目。第6戦と第7戦がともに敵地だったのは山本が史上初だ。

【4】山本が第7戦でこれほど多くのイニングを投げることになったのは、ロハスの活躍(九回に起死回生の同点本塁打)があったからこそだ。ワールドシリーズ最終戦の九回以降に同点・勝ち越し・逆転の本塁打を放ったのは史上2人目。1960年にビル・マゼロスキーがサヨナラ本塁打を放って以来の快挙だった。

ウィル・スミスにまつわる記録

【5】ロハスの一発で試合は延長戦に突入し、新たなヒーローが生まれた。延長11回にスミスが勝ち越し本塁打を放ったのだ。ワールドシリーズ最終戦の延長イニングで本塁打が飛び出したのは史上初めてだった。

【6】スミスはワールドシリーズで捕手として全試合フル出場した。7試合合計で73イニングとなり、これはワールドシリーズ史上最多。エライアス・スポーツ・ビューロー社によると、従来の最多記録は1903年の第1回ワールドシリーズでボストン・アメリカンズ(現レッドソックス)のルー・クライガーが記録した71イニングだった。ただし、当時のワールドシリーズは5勝先取の最大9試合制で、クライガーの71イニングは8試合での記録である。7試合制のワールドシリーズにおける最多記録は、1924年にマディ・ルールが記録した67イニングだった。

【7】スミスは2020年、2024年に続いて自身3度目となるワールドシリーズ制覇を果たした。これにより非常に風変わりな記録が継続され、「ウィル・スミス」という名前の選手がワールドシリーズ制覇を成し遂げるのは6年連続に。2021~23年はリリーフ左腕のウィル・スミスがワールドシリーズ優勝チームに所属していた。

ワールドシリーズの歴史に残る逆転劇

【8】2024年と同様に、ドジャースは逆転勝利でワールドシリーズ優勝を決めた。ワールドシリーズ優勝決定試合で3点差以上の逆転勝利を収めたのは今年のドジャースが10チーム目で、最大の逆転劇は2024年ドジャースの5点差逆転(第5戦)。3点差逆転は3位タイの記録となった。ドジャースが昨年、5点差逆転勝利でワールドシリーズ優勝を決めるまで、ワールドシリーズ優勝決定試合で3点差以上を逆転したのは1986年メッツが最後だったが、ドジャースは2年連続で3点差以上を逆転してワールドシリーズ優勝を決めた。

【9】昨年の5点差逆転は第5戦だったが、今年の3点差逆転は第7戦だ。エライアス・スポーツ・ビューロー社によると、4勝先取制のシリーズの最終戦での3点差逆転は史上3位タイ。1925年ワールドシリーズでパイレーツ、2003年ALCSでヤンキースが4点差逆転を成し遂げている。3点差逆転はほかに3度あり、いずれもワールドシリーズで1960年パイレーツ、1975年レッズ、1986年メッツが達成した。

【10】ドジャースは九回が始まった時点で1点のビハインドを背負っていた。「勝てば世界一、負ければ敗退」のワールドシリーズ最終戦において、ビハインドで九回を迎えたチームは通算3勝33敗。今年のドジャースのほかに、1997年マーリンズと2001年ダイヤモンドバックスしか勝利していない。この3チームのうち、敵地で勝利したのは今年のドジャースだけだ。

【11】敵地での勝利に関連した記録としては、敵地で行われたワールドシリーズ第6戦と第7戦に勝利したのは、今年のドジャースが史上9チーム目。1926年カージナルス、1934年カージナルス、1952年ヤンキース、1958年ヤンキース、1968年タイガース、1979年パイレーツ、2016年カブス、2019年ナショナルズに続く快挙となった。


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