ナ・リーグのシルバースラッガー賞発表 大谷はキャリア4度目の受賞
2025.11.7 09:52 Friday
6日(日本時間7日)、ナショナル・リーグのシルバースラッガー賞が発表された。アメリカン・リーグの受賞者はあす7日(同8日)に発表される予定だ。
MLB各球団の監督・コーチの投票により決定されるシルバースラッガー賞は、各リーグの各ポジションにおいて、攻撃面で最も優れたパフォーマンスを見せた選手を表彰する。各リーグで捕手・一塁手・二塁手・三塁手・遊撃手・指名打者が1名、外野手が3名、ユーティリティプレーヤーが1名選出され、各リーグの「年間最優秀攻撃チーム」も決定される。
2025年シーズンのナ・リーグのシルバースラッガー賞は以下の通り。
一塁手:ピート・アロンソ(メッツ)初受賞
アロンソほど多くのホームランを打つ選手がシルバースラッガー賞を初受賞というのは驚きだ。しかし、今季38本塁打、126打点、リーグ最多の41二塁打を記録し、OPS.871をマークしたアロンソは、ついにこの栄誉を手にすることになる。本塁打、打点、OPSはいずれも一塁手でリーグトップ。メッツの一塁手がシルバースラッガー賞を受賞するのは1984年のキース・ヘルナンデス以来となった。
二塁手:ケテル・マルテ(ダイヤモンドバックス)2年連続2度目
2年連続の受賞となったマルテは、今季ナ・リーグ最多の3人の受賞者を輩出したダイヤモンドバックスから選ばれた選手の1人だ。今季は打率.283、28本塁打、72打点、OPS.893を記録。OPSはナ・リーグのほかの二塁手より約100ポイント高く(2位はブライス・トゥラングの.794)、本塁打数でも10本差をつけた(2位は同じくトゥラングの18本)。ダイヤモンドバックスの選手が2年連続で受賞するのは、ポール・ゴールドシュミットが一塁手部門で2017~18年に受賞して以来だ。
三塁手:マニー・マチャド(パドレス)2年連続3度目
マチャドは2年連続、2020年も含めてキャリア3度目の受賞となった。シルバースラッガー賞を3度以上受賞したパドレスの選手はトニー・グウィン以来(グウィンは7度受賞、最後の受賞は1997年)。今季は打率.275、27本塁打、95打点を記録し、7度目のオールスター選出を果たした。
遊撃手:ヘラルド・ペルドモ(ダイヤモンドバックス)初受賞
ペルドモの攻撃面での成長は、今季最大のサプライズの1つだった。過去3シーズンは1175打数でわずか14本塁打、OPS.654にとどまり、OPS+は83と平均以下(平均は100)。しかし、今季は597打数で20本塁打、100打点をマークし、OPS+も136と平均を大幅に上回った。さらに、自己最多の27盗塁を記録し、ダイヤモンドバックスの遊撃手として初めて20本塁打&20盗塁を達成。ダイヤモンドバックスの遊撃手がシルバースラッガー賞を受賞したのも今回が初めてだ。
外野手:フアン・ソト(メッツ)6年連続6度目
ソトは26歳のシーズンで6度目のシルバースラッガー賞を受賞。これは、過去にマイク・トラウトとアレックス・ロドリゲスしか達成していない快挙である。また、6年連続の受賞となり、うち5度はナ・リーグ、昨季のみア・リーグでの受賞となっている。ナショナルズ、パドレス、ヤンキース、メッツと異なる4チームで受賞しているのもソトの特徴だ。今季ナ・リーグで複数人の受賞者を輩出したのは、3人が受賞したダイヤモンドバックスのほかに、ソトとアロンソが選ばれたメッツだけ。ソトは自己最多の43本塁打を放ち、38盗塁で盗塁王のタイトルも獲得。メジャー最多の127四球を選び、OPS.921をマークした。
外野手:コービン・キャロル(ダイヤモンドバックス)初受賞
キャロルは昨季、打率.231、OPS.750と低調で、OPS+も107にとどまったが、今季は素晴らしいシーズンを過ごして復活を遂げた。自己最多の31本塁打を放ち、32盗塁と合わせて球団史上初の30本塁打&30盗塁を達成。打率.259、OPS.884を記録し、OPS+は140に達した。300塁打を達成した今季13人のうちの1人でもある。リーグ最多の17三塁打を放ち、三塁打王はこれで3年連続。長打80本はメジャー5位タイだった。ダイヤモンドバックスの外野手がシルバースラッガー賞を受賞するのは2018年のデービッド・ペラルタ以来である。
外野手:カイル・タッカー(カブス)2年ぶり2度目
ケガの影響で後半戦はパフォーマンスを落としたものの、シーズントータルで見れば、攻撃面で素晴らしい成績を残した。直近4年間で3度目となる20本塁打&20盗塁を達成し、打率.266、出塁率.377、長打率.464を記録。今オフのフリーエージェント(FA)市場の目玉として注目されているタッカーは、2023年以来2年ぶり2度目のシルバースラッガー賞に輝き、カブスの外野手による受賞は2002年のサミー・ソーサ以来となった。
捕手:ハンター・グッドマン(ロッキーズ)初受賞
今季ロッキーズから唯一オールスターに選ばれたグッドマンは、31本塁打、91打点、281塁打、OPS.843の好成績をマーク。グッドマンの本塁打と塁打を上回った捕手はカル・ローリー(マリナーズ)しかいない。ロッキーズの捕手がシルバースラッガー賞を受賞するのは初めて。ポジションに関係なく、ロッキーズの選手が選ばれるのは2019年のトレバー・ストーリー以来となった。
指名打者:大谷翔平(ドジャース)3年連続4度目
2年連続の50本塁打&50盗塁を達成することはできなかったが、大谷は今季も攻撃面で歴史を作った。55本塁打は自己記録と球団記録を更新し、メジャー最多の146得点は20世紀以降の球団新記録に。20盗塁も決して悪くない数字だ。長打率(.622)、OPS(1.014)、OPS+(179)、塁打(380)は3年連続でリーグトップ。3年連続4度目のシルバースラッガー賞に輝き、同じく3年連続4度目となるMVPの受賞も確実視されている。
ユーティリティ:アレック・バーレソン(カージナルス)初受賞
シルバースラッガー賞でユーティリティ部門の表彰が始まってから今年で4年目。ナ・リーグではブランドン・ドルーリー、コディ・ベリンジャー、ムーキー・ベッツに続く4人目の受賞者としてバーレソンが選ばれた。今季は打率.290、18本塁打、69打点、OPS.801を記録。カージナルスの選手がシルバースラッガー賞を受賞するのは2022年のゴールドシュミットとノーラン・アレナド以来だ。
チーム:ドジャース(2年連続2度目)
今季のドジャースは得点(825)、本塁打(244)、四球(580)、OPS(.768)、塁打(2415)など多くの部門でリーグトップを記録。本塁打数は球団史上3番目に多かった。フレディ・フリーマン、ベッツ、ウィル・スミス、そして大谷らの活躍によりワールドシリーズ連覇を果たしたドジャースは、2年連続でナ・リーグの「年間最優秀攻撃チーム」に選出された。
