名将ブルース・ボウチーが古巣ジャイアンツのアドバイザーに就任へ
2025.11.7 11:56 Friday
元ジャイアンツ監督、ブルース・ボウチーのサンフランシスコ復帰に向けた動きが進んでいるようだ。
地元紙「サンフランシスコ・クロニクル」が4日(日本時間5日)に報じた通り、ジャイアンツはワールドシリーズ制覇4度の実績を誇る名将ボウチーをアドバイザー職でチームに復帰させようとしており、交渉は最終段階に突入しているという。
現在70歳のボウチーは、2007~19年にジャイアンツの監督を務め、2010年、2012年、2014年と3度のワールドシリーズ制覇を達成。球団の歴史上、最も愛される人物の1人となった。
ボウチーは2019年シーズン限りで一時的に引退したものの、レンジャーズのクリス・ヤング編成本部長の説得で引退を撤回し、2022年10月にレンジャーズの監督に就任した。
就任1年目の2023年、ボウチーはレンジャーズを球団史上初のワールドシリーズ制覇に導いたが、今季限りで3年契約が満了。9月29日(同30日)、球団とボウチーが互いに合意し、今季限りでの退任が決まった。ボウチーの退任決定がジャイアンツのボブ・メルビン監督の解任と同日だったため、「ボウチーが再びジャイアンツの監督に就任するのではないか」との憶測がたちまち広がった。
ジャイアンツのバスター・ポージー編成本部長は、メジャー生活12シーズンのうち11シーズンをボウチーのもとでプレーしたが、10月1日(同2日)に行われたシーズン終了後の記者会見で「ボウチーが監督に就任する」との噂を否定。ただし、ボウチーがほかの役職でジャイアンツに復帰する可能性については否定しなかった。
ボウチーが戻ってくるのは、就任2年目のシーズンを迎えるポージー編成本部長だけでなく、大学野球のヘッドコーチからMLBの監督という異例のステップアップを遂げたトニー・ビテロ新監督にとっても大きい。経験豊富なボウチーはチームの大きな助けとなるはずだ。
ポージー編成本部長は新監督の選定にあたり、ボウチーとダスティ・ベイカー(=ジャイアンツの特別アドバイザー)にビテロとの面談を依頼したという。2人のベテラン監督はテネシー大学のヘッドコーチだったビテロとの面談で好印象を持ち、ポージー編成本部長に採用を進言したようだ。
ビテロを新監督に採用したことについて、ポージー編成本部長は「もちろん、私はダスティとボウチーを大いに尊敬しています。彼らは(ビテロの)人物像について、非常にポジティブな印象を持っていました。どんな人材採用にも不確実性やリスクは付き物です。今回の採用は、おそらく過去のどんな採用よりも高リスクでしょう。しかし、私は(ビテロに)賭けることを決めました」と話していた。
ボウチーはパドレス、ジャイアンツ、レンジャーズで合計28シーズンにわたって監督を務め、通算2252勝2266敗を記録。通算勝利数は歴代6位の大記録である。ボウチーを上回る5人(コニー・マック、トニー・ラルーサ、ジョン・マグロー、ボビー・コックス、ジョー・トーレ)はいずれもアメリカ野球殿堂入り。ボウチーも間違いなく、近いうちに殿堂入りを果たすことになるだろう。
