レイズが守護神フェアバンクスの球団オプションを破棄
2025.11.8 12:55 Saturday
レイズのオフシーズンのやることリストに新たな項目が加わった。守護神ピート・フェアバンクスの穴埋めだ。
レイズは二塁手ブランドン・ラウの球団オプションを行使し、テイラー・ウォールズの契約に新たなオプションを追加するなど、忙しく補強に動いた。一方、クローザーのフェアバンクスの来季の球団オプション(1100万ドル)を破棄し、100万ドルのバイアウトを支払った。フェアバンクスはフリーエージェント(FA)となっている。
レイズにとって、フェアバンクスがブルペンに与えた影響と、タンパベイのクラブハウスとコミュニティにもたらした独特の個性を考えると、これは決して軽々しく下した決断ではなかった。2019年7月に加入したフェアバンクスは、レイズの5年連続ポストシーズン進出(2019年から2023年)に貢献し、三振(2位)、セーブ数(3位)、登板数(4位)、投球回数(7位)において、チーム歴代リリーフランキングの上位に名を連ねている。
「フェアバンクスはフィールド上で多くの特別な出来事に関わってきた。地域社会への貢献、そして彼ならではの、ユニークで記憶に残る方法でファンと交流してきたことなど、本当に感謝すべき点がたくさんある。だからこそ、このような決断は難しい。それら全てがなかったとしても、それは依然として難しい決断だったが、冬を迎えるにあたり、柔軟性を持たせるためには、この決断をする必要があると感じた」と、球団編成部長のエリック・ニアンダー氏は語った。
レイズは選択肢をすべて理解せずにこの動きをしたわけではない。このシナリオでは、レイズは100万ドルを支払いましたが、見返りは何も得られなかった。もしレイズが球団オプションを行使した上でフェアバンクスを放出し、トレードで見返りを得られるならばそうしたはずだろう。
しかし、限られた予算、ブルペンの層の厚さ、そしてオフシーズンに取り組まなければならないその他の分野(外野、捕手、遊撃手、ローテーション)を考慮した上で、レイズはそう決断せざるを得ないと感じたのだ。
「われわれは市場についての考えや、自分たちにできる様々なことを把握していたが、同時に、早い段階で十分な機動性を確保し、球団内で支援や改善が必要な他の分野にも目を向けられるようにしたいとも思っていた」とニアンダー氏は語った。
レイズはフェアバンクスの穴をどう埋めるだろうか。最終的にはクローザーを固定せず状況に応じて最終回を任せる「クローザーコミッティー」を導入するだろう。
キャッシュ監督はこれまでも、役割を固定せずにブルペンを運用することを好んできた。これは、有利なマッチアップを模索し、投手を成功に導くための最適なポジションを確保できるためだ。しかし、レイズはフェアバンクスに対してアプローチを変え、セーブシチュエーションで1イニングを投げる伝統的なクローザーに起用したが、来季は状況が変わる可能性がある。
レイズは、左右のセットアッパー(ギャレット・クレビンジャー、エドウィン・ウセタ)の2人を擁する。ウセタは前半戦こそ苦戦したものの、後半戦は圧倒的な活躍を見せ、2024年シーズンの調子を取り戻した。さらに、7月にはトレードデッドラインを前にグリフィン・ジャックス(ツインズから)とブライアン・ベイカー(オリオールズから)という剛腕を獲得している。
「今年の夏、われわれは今季以降もチームに残せるリリーフ投手を数人獲得したので、ブルペンには厚みができた」とネアンダーは語った。
さらに剛腕ハンター・ビギー、セットアップ役も担ったマニュエル・ロドリゲスも負傷者リストから復帰。それ以外にも才能豊かな投手が揃い、加えて得意のマイナー契約からの才能発掘にも期待がかかる。
2025シーズンの7月は、チームが失速する中でブルペン陣が問題となった。しかし、ブルペン陣の巻き返しに期待できるデータもある。
レイズのブルペン陣は昨季、三振率が26%でMLB2位だった。四球率は8.1%で、カブスの7.9%に次いでMLBで2番目に低かった。また、ブルペン陣の中ではxFIP(フライ率、三振、四球などから算出される疑似防御率)が最も低かった。多くの点で好成績を残していたものの、肝心な場面で失速してしまった。
「ブルペン陣を見ていく上で、直近の成果を無視したくはない。しかし、将来や将来のパフォーマンスを予測する上で、どの部分が最も影響力を持つのかを常に把握しようとしている。このブルペン陣の面々については、かなり良い感触を持っている。もちろん、今後も改善策を模索していくつもりだ」と、ニアンダー氏は語った。
