マリナーズGM、ネイラーとの再契約は「最優先事項」 村上、岡本へ影響か
2025.11.8 13:30 Saturday
マリナーズのジャスティン・ホランダーGMがMLBネットワークラジオのインタビューで大胆な発言をした。ホランダーGMはFAとなった一塁手ジョシュ・ネイラーについて、オフシーズンの「最優先事項」だと発言した。
ホランダーGMは「素晴らしいフィットだったし、間違いなく今オフシーズンのわれわれの最優先事項だ。一つでなくても、他に何があるのか分からないが、ネイラーは今やナンバー1だ」と語った。
ネイラーに関するコメントは、レギュラーシーズン最終盤にホランダーGMが述べていたことと同じだ。しかし、ワールドシリーズ進出まであと1勝に迫りながら痛恨の敗戦から一段落した今、ホランダーGMはネイラーとの再会への期待を高めている。マリナーズがネイラーと再契約したいと強く願っていることは明らかだ。
来季29歳になるネイラーは、今季147試合に出場して打率.295、20本塁打、29二塁打、92打点、30盗塁を記録。7月のトレードデッドラインを前にダイヤモンドバックスからマリナーズへ移籍し、マリナーズのポストシーズンでの進撃を支えた。
「ジョシュはわれわれのクラブハウスにぴったりで、ポジション的にも必要なポジションを担ってくれる。左打ちで、一塁を守り、走塁も上手い。多くのことをこなせる。ジョシュを長期的に獲得できれば、素晴らしいことだろう。チームにとてもフィットしているし、われわれの最優先事項だ」と、ホランダーGMはネイラーを称賛。ネイラー側も再契約に関心を持っていると伝えられており、実現の可能性はあるかもしれない。
ネイラーの契約規模は4年から5年で年平均2000万ドル(30億円)程度と見込まれている。フリーエージェント(FA)市場ではピート・アロンソ(メッツからFA)に次ぐ有力な一塁手と見られている。アロンソはネイラーより高い打力を誇るが、ミドルマーケット球団のマリナーズにとっては、3歳近く若く、守備・走塁がアロンソより上手く、さらに契約が安く収まりそうなネイラーの方がよりふさわしい候補だ。
仮にネイラーとの再契約が成立すれば、ホランダーGMが2016年末にジェリー・ディポト球団編成部長が率いるマリナーズに加入してから、野手として最高額の契約になるだろう。2017年からの野手最高額はミッチ・ガーバーと結んだ2年2400万ドル(37億円)、投手最高額はロビー・レイとの5年1億1500万ドル(176億円)だ。
マリナーズの予算状況から判断すると、今オフはディポト/ホランダー体制以降では最大規模の資金的余裕があるとされる。その額はフロントの発言から推測するに3000~3500万ドルと考えられる。
「これは常に目標だった。計画的に、これまでやってきたことを着実に積み重ねていくこと。与えられたリソースがあれば、チャンピオンシップレベルのチームを編成するのに十分な能力があると確信している。そして、ここ数年のように、適切な位置に立てば、次のことに積極的に取り組めると確信している」と、ディポト編成部長は語る。
ネイラーの他にはマリナーズは2人の主軸野手がFAとなる。三塁手のエウヘニオ・スアレスの復帰の可能性は低いが、ポストシーズンで大活躍したホルヘ・ポランコとの再契約はまだ可能性が残される。ポランコは2026年の選手オプションを破棄し、長期契約を求めてFAとなった。
編成トップはディポト氏とはいえ、ホランダーGMはNo.2として近年のマリナーズの契約やトレードの一部を指揮し、成功に導いてきた。カル・ローリーやルイス・カスティーヨとの契約延長、レイとガーバーとの契約、そして今夏にスアレスとネイラーのトレードを主導したのもホランダーGMだった。だからこそ、ホランダーGMのネイラーに対する発言は、ネイラーとの交渉において誰より大きな影響力を持つであろう意思決定者から発せられたものととらえることもできる。
また、マリナーズとネイラーの動きは日本人選手にも影響を与えるだろう。今オフ、日本球界から村上宗隆(25)と岡本和真(29)の2選手がポスティングでメジャー挑戦を目指す。共に一塁・三塁を守る2選手にとって、内野のコーナーに穴を抱え、かつ日本人選手とのつながりも強いマリナーズは有力な移籍先と考えられていた。しかし、マリナーズがネイラーとの再契約に成功すれば、日本人の大砲との契約に乗り出す可能性が下がるだろう。
