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ブルワーズのマット・アーノルドが最優秀GM賞 2年連続

2025.11.14 13:13 Friday

 マット・アーノルドは昨年、年間最優秀GM賞(エグゼクティブ・オブ・ザ・イヤー)を受賞した際、キャリアを通じて支援してくれた多くの人々に感謝の意を表した。

 どうやら、アーノルドの同僚たちは、ミルウォーキーのフロントオフィスに対するアーノルドの評価の欠如に異議を唱えたようだ。

 そのため、アーノルドが13日(日本時間14日)に2度目の最優秀GM賞受賞者となったとき、1年前に起こっていた見落としを修正した。

「昨年は、ブルワーズのチームメイト全員に心からの感謝を述べてスピーチを締めくくりました。しかし、式典の後、彼らは私のスピーチで十分な愛情が与えられなかったと少し敏感になっていたようです。少し混乱して、メモ帳に戻って確認しました。メモ帳には、『君たちがいなければ、私がここにいる可能性はない』と書いてあり、強調点として『可能性はない』に下線を引いていました。ページ全体で下線を引いたのはこれだけでした。しかし、それだけでは十分ではありませんでした。ではブルワーズの皆さん、もしよろしければ立ち上がってください。ブルワーズのチームメイトたちに温かい拍手をお願いします。彼らにはそれに値します」と、アーノルドは今年のスピーチで語った。

 ブルワーズのアシスタントGMであるマット・クライン、カール・ミューラー、ウィル・ハジェンズ、エグゼクティブアドバイザーのマット・クレンタック、選手育成・パフォーマンス担当上級副社長のキャム・カストロ、特別上級補佐のカルロス・ビヤヌエバ、研究・評価担当副社長のイーサン・ベインが立ち上がり、観衆から温かい拍手喝采を浴びた。

「みんな大好きです。君たちがいなかったら、私はここにいませんでした。本当にありがとう」

 ブルワーズは今年も厳しい予算的制約の下、シーズン前の予想を覆し、ナ・リーグ中地区3連覇を果たした。

 アーノルドは2015年からブルワーズに在籍し、2022年末から球団運営部門を率いている。

 「素晴らしいグループの一員になれて幸運です。良い人たちと一緒に仕事ができるのは本当にやりがいがありますね。本当に特別なことです。決して当たり前のこととは思っていません」と、アーノルドは語る。

 最優秀GM賞はポストシーズン開始前に全30球団のGMによる投票で決定される非常に名誉ある賞で、2018年から創設された。初年度はビリー・ビーン(アスレチックス)、2019年はエリック・ニーアンダー(レイズ)、2020年はアンドリュー・フリードマン(ドジャース)、2021年はファーハン・ザイディ(ジャイアンツ)、2022年はクリス・アントネッティ(ガーディアンズ)、2023年はマイク・イライアス(オリオールズ)、そして2024年からはアーノルドが受賞した。

 アーノルドは受賞の数週間前、執行副社長兼GMから、編成部長(POBO)兼GMに昇進。これはブルワーズのオーナー陣が46歳のアーノルドをいかに高く評価し、ライバル球団に引き抜かれることをいかに望んでいないかを示している。ブルワーズは球団記録のシーズン97勝を挙げ、1982年以来初めてMLB全体で最高勝率を記録した。

 ブルワーズはオフシーズンで2年続けて、チーム最高の投手をトレードに出した。まずは2024年シーズン前にサイ・ヤング賞投手のコービン・バーンズをオリオールズに放出し、内野手ジョーイ・オルティスと左腕DL・ホールを獲得。そして昨年12月にも絶対的守護神デビン・ウィリアムズを放出して、内野手ケイレブ・ダービンと左腕ネスター・コルテスを獲得した。このトレードの背景には、保有期間の長い若手メジャーリーガーで選手層を厚くし、チームを再編して優勝争いに挑む思惑があった。

 対価として得た選手の中でも、ダービンは期待を裏切らなかった。人気のスター遊撃手だったウィリー・アダメスがFAで退団してから、遊撃の穴を埋めたオルティスと共に三遊間を組み、ナ・リーグ新人王のファイナリストに名を連ねた。

 2025年にブルワーズを勢いづかせたトレードはこれだけではない。負傷者が相次ぎ、先発陣が壊滅的な打撃を受けた4月、ブルワーズは先発投手を確保するために、当時3Aで投げていた右腕クイン・プリースターをレッドソックスから獲得した。プリースターはMLBで157回1/3を投げ、防御率3.32の成績を残した。6月にベテランのアーロン・シバーリがトレードを申し出ると、ブルワーズは彼をホワイトソックスに送り、代わりに一塁手のアンドリュー・ボーンを獲得した。ボーンもプリスターと同じくドラフト1巡目指名選手だったが、不振で3Aに降格していた。ボーンは移籍後の7月に昇格し、レギュラーシーズン64試合でOPS.869を記録。リーグ最低クラスの選手から頼れる主砲へと生まれ変わった。

 それがブルワーズの日常だ。彼らは球団史上最長のレギュラーシーズンでの成功を続けながらも、継続的に才能ある選手を入れ替えるという課題を抱えている。

 アーノルドはこの課題に対処し続けたことで昇進し、新たな賞も獲得した。

 「ひたすら落ち着いて努力すれば、良いことが起こる。もちろん、ここにいるたくさんの人たちに感謝している。まずは(パット・マーフィー監督)、オーナー一族、そして感謝しきれないほどたくさんの人たちに。特に、毎日一緒に仕事をしているここにいるみんなには感謝している。彼らは私の人生に本当に大きな影響を与えてくれる存在で、親友でもある」と、アーノルドは先月語った。

「素晴らしい状況だ。ミルウォーキーに来られたことを誇りに思う」

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