ゲレーロJr.がエンターテイナー賞 クラークがプレーオブザイヤーを獲得
2025.11.14 14:32 Friday
2025のMLBシーズンについて言えることが一つある。それは最初から最後まで、最高に楽しかったということだ。
そして、球界最大のエンターテイナーの2人、一塁手ブラディミール・ゲレーロJr.(ブルージェイズ)と外野手デンゼル・クラーク(アスレチックス)が、13日(日本時間14日)のMLBアワードで表彰された。
ブルージェイズと14年の延長契約を結び、チームを世界一まであと1勝の快進撃に導くと同時に、フィールド内外の振る舞いでスポーツファンを魅了したゲレーロJr.は、エンターテイナー賞を初受賞。
一方、クラークは6月のエンゼルス戦で外野フェンスをよじ登り、見事に本塁打を奪い取ったプレーが、プレー・オブ・ザ・イヤーに輝いた。
ゲレーロJr.の後見人であり親友のペドロ・マルティネスが、ゲレーロJr.に代わって賞を受け取り、ステージでは「ヤンキースの負け!(DAAAA YANKEES LOSE)」とゲレーロJr.がポストシーズンで放った決めぜりふで締めくくった。
一方のクラークは授賞式に現れ、あのスーパーキャッチを振り返った。クラークは片足をフェンスにかけて飛び越え、グラブをフェンスから1メートル以上離れたところまで伸ばしてキャッチした。
「時々、振り返って『これって自分?!』って思う。またある時は『あれはちょっとエグかったな』って思うし、時には『いつも通りのプレーだな』って思うこともあるよ」と、25歳の外野手は言う。
クラークは授賞式でもその個性的な性格を存分に発揮した。授賞式に出席したメンバーの中で、他に誰があのキャッチをできると思うかを問われると、ピート・クロウ=アームストロング(カブス)とコービン・キャロル(ダイヤモンドバックス)の名を挙げた。かつての名外野手デクスター・ファウラーでもできるかと聞かれると、ファウラーには「タイムマシンが必要だ」とジョークを飛ばした。
クラークはアスレチックスで念願のメジャーデビューを果たし、得意の守備で大活躍。さらに打撃でもOPS.646を記録した。
ルーキーシーズンの締めくくりがMLBアワードの授賞式だったことについて、クラークは「特別な気持ちだ」だと語った。そして今季を振り返り、「まず、夢を叶えてデビューできたことが最高だった。でも、それからはただただプレーできただけで…シーズン終盤に怪我をしてしまったけれど、プレーしていた時はチームに貢献できた。本当に特別な経験だった。来年が本当に楽しみだよ」と語った。
クラークがこの調子でいけば、いつかエンターテイナー賞を獲得する日が来るかもしれない。今のところ、その賞はゲレーロのものだ。彼は、数少ない有力候補(授賞式の司会者ムーキー・ベッツを含む)の中で、ひときわ目立った存在だった。
ゲレーロJr.は2025年シーズン開幕前、去就問題に揺れていた。スプリングトレーニングでは契約延長が成立しなかったが、4月に14年契約で合意。去就問題がなくなると打ちまくり、打率.292、OPS.848の打棒でブルージェイズを10年ぶりの地区優勝へ導いた。
そして、ポストシーズンではさらに大活躍。打率.397、OPS1.289、わずか73打数で8本塁打を記録する一方で、その間も持ち前の遊び心と奥深い人柄の両方を見せつけた。地区シリーズで同地区ライバルのヤンキースを破った後、「ヤンキースの負け!(DAAAA YANKEES LOSE)」と言い放った場面は、ポストシーズンの名場面の一つに。しかし、続くラウンドでブルージェイズが1993年以来のリーグ優勝を果たしたときには、感極まる姿も見せた。
ゲレーロJr.に代わり、マルティネスは次のように述べた。
「彼はただプレーするだけでなく、多くのことをしています。父を敬い、家族を敬い、そしてドミニカ共和国の人々とラテンアメリカを愛しています。ブラディに代わってこの賞を受け取ることができ、大変誇りに思います」
