ブルージェイズの積極的なオフシーズンの青写真とは
2025.11.16 10:06 Sunday
ブルージェイズの眼前には大きなチャンスが広がっている。ワールドシリーズ第7戦まで勝ち進み、強豪としての地位を再確立したブルージェイズは、オフシーズンに入っても絶好調だ。球団の顔であるスター選手を擁し、ベテランスター選手の大半はチームに残る、そして堅固なファームシステムと潤沢な資金を持つ。今オフは大胆な戦略を練る必要がある。
ブルージェイズは既に獲得し得るすべての大物と交渉中だが、11月中旬の時点では「最有力候補」はおらず、明確なターゲットを探っている。1チームだけが獲得に成功し、他の29チームは獲得できず、あらゆる交渉は水の泡となるだろう。しかし、オフシーズンのこの時期は、ブルージェイズがこれまで以上に必要としている、戦略と積極的な戦略を策定する上で有益だ。
カイル・タッカーとボー・ビシェット
タッカーの契約は3億ドルを超える可能性があり、高額ではあるものの、タッカーは「ブルージェイズ野球」のあらゆる要素を最大限まで引き出した存在と言えるだろう。確かに、その要素はどれも「10」まで引き上げられておらず、真のエリート選手としての能力は持ち合わせていないが、タッカーは堅実な打者であり、この市場のトップに君臨するだけの理由がある。
ブルージェイズは2025シーズンの総年俸を上回るだけの柔軟性を持っている。オーナー陣がポストシーズンでの快進撃を味わってしまった今、以前のやり方に戻るのは難しい。今のところ、タッカーはブルージェイズが関心を持つ選手の一人だが、予算を上回ることがあれば、ブルージェイズがタッカーを追い続けることはないだろう。
一方、FAとなったビシェットには感傷的な部分もある。フロントはそういった感情を表に出さないようにしているが、ファンにとってはこれは1年前のブラディミール・ゲレーロJr.の契約延長交渉を巡る議論のダイエット版のようなもので、長年フランチャイズの礎を築いてきたビシェットが退団してしまうのではないかと懸念している。
「素晴らしい選手だ。ボーは、今日の我々の好調に大きく貢献してくれた。我々が5シーズンの安定した成績と、本当に素晴らしい1年を終えることができたのは、彼のおかげだ。彼の貢献は計り知れない。彼は市場にとって魅力的な選手になるだろうし、我々も彼の市場にいるだろう」と、ロス・アトキンスGMは言った。
ビシェットの市場は、上限と下限の幅が大きいだろう。ブルージェイズはビシェットが強く希望すればショートとして起用する用意があると明言しているが、ビシェットを二塁、アンドレス・ヒメネスをショートに据えた方が、ブルージェイズの守備力は高くなる。ブルージェイズは状況が進展するにつれ、ビシェットの市場に留まることが予想されるが、それには時間がかかるかもしれない。
2027シーズン以降:お金の問題
オフシーズンに積極的に取り組む理由がまさにここにある。
ジョージ・スプリンガー、ケビン・ゴースマン、ドールトン・バーショ、シェーン・ビーバー、そしてイミ・ガルシアは2026年以降フリーエージェントとなる。ホセ・ベリオスにもオプトアウトの権利がある。ブルージェイズは外野と先発ローテーションの整備が明らかに必要であり、これらの準備は事前に行う必要があるだろう。
もしブルージェイズが今オフに、昨年のヒメネスのような驚くべきトレード・契約を果たすとしたら、それは外野手になるだろう。ヒメネスがニーズが生まれる1年前に遊撃手としてチームを守ったように、ブルージェイズは外野手でもそれを再現する必要がある。
先発ローテーションも同様で、ゴースマンと交わしたような契約、あるいはベリオスのようなトレード+契約延長のような動きが必要となる。タリック・スクーバルを筆頭とする来年のフリーエージェント層は、それほど強力ではないため、ブルージェイズにとって今オフは長期的な解決策を先取りする絶好の機会となる。
伸びしろ
ブルージェイズは今オフもファームシステムへの自信を深めている。トレイ・イェサベージ、ブレイドン・フィッシャー、アディソン・バージャー、アーニー・クレメントといった選手の育成は、それぞれ数百万ドルから数千万ドルの節約につながる。来季はリッキー・ティードマン、ゲージ・スタニファー、ヨーヘンドリック・ピナンゴ、RJ・シュレックなど、他にも多くの選手が活躍するかもしれない。
ええ、ブルージェイズはリリーフ投手、さらにはクローザーの補強を模索するだろう。これはブルージェイズにとって、いわば「贅沢」と言えるかもしれない。ベテラン選手の獲得でロースターを寄せ集める必要がないからだ。また、タッカーとビシェットのどちらかを選ぶといったように、大型補強に適応できる若手選手を起用することで、費用対効果の高い補強を追求できる可能性も秘めている。
