剛腕クローザーのヘルズリー 複数球団が先発投手として興味を示す
2025.11.24 09:21 Monday
ライアン・ヘルズリーは2019年にマイナー3Aメンフィスで先発したのを最後に先発登板がない。この剛球右腕はメジャー昇格後、すべての試合にリリーフで登板しており、トップクラスのクローザーまで上り詰めた。しかし、初のフリーエージェント(FA)となった今オフ、役割の変更を求められることになるかもしれない。
米メディア「ジ・アスレチック」の報道によると、31歳の右腕に対し、タイガースを含む複数球団が先発投手として興味を示しているという。
ビジネスの観点から見ると、ヘルズリーが先発転向を検討するのは理にかなっている。第一に、防御率4.50(7月のトレードでメッツに移籍したあとは防御率7.20)と安定感を欠いた2025年シーズンを経て、ヘルズリーに対する評価は下落している。2024年は49セーブ、防御率2.04という素晴らしい活躍を見せ、2度目のオールスター選出を果たしただけでなく、ナ・リーグの最優秀救援投手に与えられるトレバー・ホフマン賞を受賞したが、今季は大きく成績を落とした。
第二に、今オフのクローザー市場は非常に層が厚く、エドウィン・ディアス、デビン・ウィリアムス、ロベルト・スアレス、ピート・フェアバンクス、ケンリー・ジャンセンらが市場に出ている。ほかの選択肢が豊富な状況の中、ヘルズリーが注目を集めることは難しい。
対照的に、エース級の先発投手は供給不足となっている。よって、もしヘルズリーに先発転向を受け入れる意思があれば、FA市場でより多くのオファーを得られる可能性がある。なお、先発転向を検討しているのはヘルズリーだけではない。元先発投手のブラッド・ケラーも同様に、先発転向の可能性が噂されており、ルーク・ウィーバーも再び先発に挑戦する意向を示している。
リリーフ投手の先発転向は前例がないわけではない。セス・ルーゴ、マイケル・キング、レイナルド・ロペス、クレイ・ホームズといった投手たちが近年、リリーフから先発への転向を成功させた。
ただし、ヘルズリーがこうした投手たちのあとを継ぐためには、球種のレパートリーを増やす必要があるだろう。今季、スライダーとフォーシームが全投球の92.9%を占め、ほかの球種はカーブ(5.8%)とカットボール(1.3%)だけだった。さらに、今季はフォーシームに威力がなく、平均99.3マイル(約160キロ)を計測したにもかかわらず、被打率.422、被長打率.667と打ち込まれ、球種別のランバリューは-15だった。フォーシームの威力を取り戻すことも、来季に向けた大きな課題となる。
