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カブスがブルペン補強 右腕フィル・メイトンとの2年契約を正式発表

2025.11.26 11:34 Wednesday

 カブスは今オフ、試合終盤を担うリリーフ投手を複数人獲得する必要がある。ポストシーズン進出に貢献したリリーフ投手の多くがチームを去っており、その穴を埋める必要があるのだ。カブスのフロントオフィスにとって、ロースターを再構築するための重要な補強ポイントである。

 21日(日本時間22日)、カブスは2028年の球団オプションが付属した2年契約で右腕フィル・メイトンと合意し、ブルペン補強のプロセスを開始した。25日(同26日)には2年契約が正式に発表され、MLB.comが関係者から得た情報によると、メイトンには1450万ドル(約21億7500万円)が保証されるという。なお、球団は契約総額を公表していない。

 カブスのジェッド・ホイヤー編成本部長はブルペンの再編に取り組んでいる最中だが、メイトンは間違いなく重要な戦力となるだろう。

 ホイヤー編成本部長は、ラスベガスで行われたゼネラルマネージャー(GM)会議の場において、ブルペン補強について「たくさんの機会があると思う。ある意味、挑戦でもある。多くの選手を獲得することが必要だ。昨オフは多くの選手を補強したが、今年も同じことをするだろう。小規模なトレードを行う可能性もあるし、小規模なフリーエージェント(FA)契約を結ぶ可能性もある。もちろん、FA市場で大型契約を結ぶ可能性もある」と語っていた。

 今季終盤に試合終盤の勝ちパターンを担った投手のうち、現在もチームに残っているのは速球派右腕のダニエル・パレンシアだけだ。

 右腕ブラッド・ケラーは、ケイレブ・シールバー、ドリュー・ポメランツの左腕コンビとともにFAとなった。夏場のトレードで加入した右腕アンドリュー・キットリッジは再トレードでオリオールズに復帰。このほか、ライアン・ブレイジャー、アーロン・シバーリ、イーライ・モーガン、テイラー・ロジャース、マイケル・ソロカといった投手たちもFAとなっている。

 カブスが獲得した32歳のメイトンは、今季カージナルスとレンジャーズでプレーし、以前よりもさらに成長を遂げた。メジャー9年間で7チームを渡り歩き、通算478試合に登板して防御率3.98をマーク。今季は63試合で防御率2.79と自己最高の成績を残した。

 スタットキャストによると、今季のメイトンはハードヒット率(30.7%)と平均打球速度(84.8マイル=約136キロ)でメジャー全体の上位1%にランクイン。つまり、強い打球をほとんど打たせなかったということだ。さらに、バレル率(3.6%)と空振り率(36.2%)は上位2%、三振率(32.5%)と期待被打率(.195)でも上位5%にランクイン。要するに、トップクラスの中継ぎ投手の1人だった。

 投球割合ではカーブ(38.2%)とカットボール(36.0%)が多く、この2球種は2023年以降、変わらず上位2球種を占めてきた。スイーパーとシンカーも投げるが、キャリア前半に多く投げていたフォーシームは2023年以降、使用しなくなっている。特にカーブは今季、被打率.136、空振り率41.6%と素晴らしい成績を残した。

 カットボールの平均球速は2024年の88.7マイル(約143キロ)から90.6マイル(約146キロ)に上昇。これが61回1/3を投げて81三振、23四球という好成績を残す手助けとなり、特に右打者には被打率.174、被OPS.536と圧倒的な強さを見せた。また、今季は左打者も被打率.226、被OPS.653としっかり抑えていた(キャリア通算では左打者に対して被打率.246、被OPS.752)。

 経験豊富なメイトンの加入はカブスにとって非常に大きい。しかし、まだまだ補強ポイントが残っており、特に投手陣の補強は急務となっている。

 ホイヤー編成本部長は「今後もたくさんの投手を補強する必要がある。ブルペンはほぼ白紙の状態のため、補強がやりやすいのはありがたいね」と語り、ブルペンの現状をポジティブにとらえていた。メイトン獲得はブルペン補強の第一歩に過ぎず、今後さらなる補強を目指して動いていくことになりそうだ。


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