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FA市場の注目株ディラン・シースが7年契約でブルージェイズと合意

2025.11.27 09:00 Thursday

 26日(日本時間27日)、フリーエージェント(FA)市場の注目株である先発右腕ディラン・シースが7年2億1000万ドル(約315億円)の大型契約でブルージェイズと合意したことが明らかになった。MLB.comのマーク・フェインサンドが関係者から情報を得た。ただし、まだ球団からの正式発表は行われていない。

 シースは球界有数の奪三振マシンとして知られている。2021年から5年連続で200個以上の三振を奪っているのはメジャー唯一。直近5年間で200三振を4度達成した投手すらほかに1人もいない。

 直近5年間で平均221三振を記録し、5年間の合計1106三振はメジャー最多。ほかに1000三振を超えているのは、フィリーズのザック・ウィーラー(1041)とブルージェイズのケビン・ゴーズマン(1020)だけだ。

 三振奪取能力の高さに加え、来月で30歳という若さもあり、今オフのFA市場における最高の先発投手として注目されていた。空振り率も非常に高く、90マイル台後半のフォーシームには伸びがあり、80マイル台後半のスライダーは4年連続で100個以上の三振を記録。また、縦に割れる80マイル台前半のカーブも効果的な球種だ。

 さらに、球界有数の耐久性を誇る先発投手でもあり、5年連続で30試合以上に先発して160イニング以上を投げている。直近5年間の先発登板数はメジャー最多。シースより多いイニングを記録した投手もローガン・ウェブ(ジャイアンツ)、ゴーズマン、ホゼ・ベリオス(ブルージェイズ)、ウィーラー、フランバー・バルデス(アストロズからFA)、ルイス・カスティーヨ(マリナーズ)と数えられるほどしかいない。

 サイ・ヤング賞の投票ではこれまでに2度、トップ5入りを果たしている。ホワイトソックス時代の2022年は自己最高の2位、パドレス移籍後の2024年は4位にランクイン。この2シーズンはMVP投票でもポイントを獲得した。

 一方、パフォーマンスの不安定さが目立つ投手でもあり、サイ・ヤング賞投票2位の2022年は防御率2.20、227三振を記録したものの、翌2023年は防御率4.58、214三振と成績が悪化。パドレスに加入した2024年は防御率3.47、224三振をマークしたが、今季は防御率4.55、215三振と安定感を欠いた。

 しかし、ホワイトソックスとパドレスでプレーした7年間をトータルで見ると、非常に優秀な投手だったと言える。メジャー通算では1015回1/3を投げ、65勝58敗、防御率3.88、1231三振を記録。9イニングあたり10.91個の三振を奪っている計算だ。

 2019年にメジャーデビューし、最初の5年間はホワイトソックスでプレー。2024年シーズンの開幕直前、パドレスへの電撃トレードが成立した。パドレス移籍1年目の2024年には球団史上2度目となるノーヒッターを達成している。

 パドレス移籍後、2年連続でポストシーズン進出に貢献。ホワイトソックス時代の2020年と2021年にもポストシーズン出場の経験がある。ポストシーズンは通算5登板(うち4先発)で防御率8.74と結果を残せていないが、今年のワイルドカードシリーズではカブスを相手に3回2/3を無失点に抑え、5三振を奪う力投を見せた。

 ブルージェイズはシース、ゴーズマン、シェーン・ビーバー、トレイ・イェサベージ、ベリオスという強力な先発ローテーションが完成。ゴーズマンとビーバーが1年後にFAとなり、ベリオスも1年後にオプトアウト(契約破棄)の可能性があるため、中長期的な視野で見た場合にもシースの獲得は非常に大きい。今季のア・リーグ王者が大きな戦力を手に入れた。


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