今永残留&メイトン獲得のカブス 今オフの残り3つの目標とは
2025.11.28 09:05 Friday
カブスはオフシーズンが始まって以来、すでにいくつかの注目すべき動きを見せている。今永昇太がクオリファイングオファーを受諾して残留し、フリーエージェント(FA)の中継ぎ右腕フィル・メイトンを2年契約で獲得した。
しかし、2年連続のポストシーズン進出や、ライバルのブルワーズを打倒して短縮シーズン以外では2017年以来となる地区優勝を果たすためには、まだやるべきことが残っている。それを念頭に、ここでは今オフの残り期間での3つの目標について見ていこう。
【1】ローテーションの柱を獲得する
双方のオプション破棄で一旦はFAとなったものの、今永がクオリファイングオファーを受諾して残留することが決まったカブス。負傷歴の多いベテラン左腕(マシュー・ボイド)と今季非常に印象的な活躍を見せた新人右腕(ケイド・ホートン)がいるものの、安定したローテーションを形成するためには不十分だ。ほかにはコリン・レイやジェイムソン・タイオンがおり、ジャスティン・スティールもいずれ復帰するため、理論上は少なくとも6人の先発投手を確保できるが、カブスが目指す場所を考えると、この陣容では十分とは言えないだろう。
カブスのジェッド・ホイヤー編成本部長もそのことをしっかり理解している。現時点で特定の投手に狙いを定めている兆候はないが、FAの右腕マイケル・キングに興味を示しており、トレード市場でもマッケンジー・ゴア(ナショナルズ)やジョー・ライアン(ツインズ)といった移籍の可能性がある複数のエース格への関心が報じられている。
【2】ブルペンを整備する
ローテーションと同様に、カブスのブルペンも1年間を何とか乗り切った。しかし、重要なイニングをカバーするためには、相当数の選手が必要だった。そして、そのうちの大半(ライアン・ブレイジャー、ブラッド・ケラー、ドリュー・ポメランツ、テイラー・ロジャース、ケイレブ・シールバー)は現在FAとなっている。また、シーズン途中にトレードで獲得したアンドリュー・キットリッジは11月4日(日本時間5日)に再トレードでオリオールズ復帰が決まった。
メイトンの加入は大きな補強であり、多くのリリーフ投手がFAになったことで浮いたイニングの一部は、層の厚いスイングマン(=谷間の先発とロングリリーフを兼任する投手)でカバーできる見込みだ。負傷しない限り、今季最も多くのセーブ機会を得たダニエル・パレンシアは来季も引き続きクローザーを務めることになるだろう。ポーター・ホッジは苦しいシーズンを過ごしたものの、2024年には好成績を残しており、復調する可能性は十分にある。しかし、試合中盤のイニングを担うリリーフ投手にはまだ多くの疑問が残っている。
【3】カイル・タッカーの穴埋め
タッカーがFAで他球団へ移籍した場合、その空席には有望株オーウェン・ケイシーを抜擢するのが最も自然な流れだろう。開幕ロースターの外野陣はケイシー、ピート・クロウ=アームストロング、イアン・ハップ、鈴木誠也の4選手によるローテーションとなる可能性が高い(うち1人が指名打者に入る)。この布陣でも問題ないが、今季のカブス打線がクロウ=アームストロングとマイケル・ブッシュのブレイクに大きく依存していたこと、そして後半戦に得点力が急落したことを忘れてはならない。そんな中、タッカーは負傷に悩まされたにもかかわらず、後半戦も出塁率.360を記録していた。
重要な場面を任せられる投手が不足していることに比べると、タッカーの穴埋めをする優先順位は低いかもしれないが、タッカーの代わりになるようなインパクトのある打者を1人獲得するのも悪くない選択肢だ。コディ・ベリンジャーを呼び戻すのは理にかなっているが、可能性は低い。ピート・アロンソやカイル・シュワーバーも候補に挙がるが、現時点でカブスが獲得を狙っているという情報はない。より現実的な選択肢としては、ライアン・オハーン、アドリス・ガルシアらの名前が挙げられる。
