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シースがブルージェイズと合意した契約が先発投手市場に与える影響は?

2025.11.29 08:54 Saturday

 MLB.comのマーク・フェインサンドは26日(日本時間27日)、フリーエージェント(FA)市場でトップクラスの先発投手の1人である右腕ディラン・シースがブルージェイズと7年2億1000万ドル(約315億円)で合意したことを報じた。まだ球団からの正式発表は行われていないが、今季のアメリカン・リーグ王者に大きな戦力が加わることになった。

 フェインサンドは24日(同25日)に公開した「各ポジションで最高のFA選手」という記事において、先発右腕部門ではシースを選出していた。「耐久性が高く、直近5年間の平均で176回2/3を投げて221三振を奪っている」とフェインサンドが評価したシースがFA市場から姿を消したことは、ほかの先発投手にどんな影響を与えるのだろうか。

 まず、ブルージェイズの状況から見ていこう。ワールドシリーズで惜しくもドジャースに敗れたブルージェイズは、ケビン・ゴーズマン、トレイ・イェサベージ、シェーン・ビーバーらを擁するローテーションに大きな戦力を加えた。シースは今季、防御率4.55と不調だったが、5年連続で32試合以上に先発しており、ローテーションの一角として確実に計算できる投手である。また、球界屈指の三振奪取能力を誇り、5年連続200三振以上を継続中。今季は168イニングで215三振を奪い、9イニングあたり11.52三振はメジャートップの数字だった。

 FAの先発投手市場に目を移すと、シースの「7年2億1000万ドル」という長期かつ高額な契約は、ほかの先発投手が各球団と契約交渉をする上での基準となっていく。シースが直近2年間で残したWAR8.1(ファングラフス版)はFAの先発投手の中でトップであり、シースが得た契約を上回るのは難しいかもしれない。しかし、12月に30歳となるシースが7年契約を得たという事実は大きい。フランバー・バルデス、レンジャー・スアレス、マイケル・キングといった同世代の投手たちは、シースが7年契約を結んだことによる恩恵を受けるはずだ。

 もちろん、ポスティング制度によるメジャー移籍を目指す今井達也にとってもシースの契約は追い風となるはずだ。1995年生まれのシースに対し、今井は1998年生まれと3歳年下。メジャーでの実績がないため、年平均額でシースを上回るのは現実的ではないが、契約年数はシースを超える可能性もある。たとえば、年平均2500万ドル(シースは3000万ドル)で8年契約を結べば、契約総額は2億ドル(約300億円)の大台に乗る。その場合、西武が受け取る譲渡金は3187万5000ドル(約48億円)となる。

 1993年以来の頂点を目指すア・リーグ王者が真っ先に大物右腕を獲得したことで、今オフの先発投手市場の基準が定まり、今後の市場の動向にも大きな影響を与えるはず。ワールドシリーズが終了してから約1カ月。オフシーズンはまだ始まったばかりだ。


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