ブルージェイズがさらなる先発補強 右腕ポンセと3年契約で合意
2025.12.3 09:38 Wednesday
忙しいオフシーズンを過ごしているブルージェイズは2日(日本時間3日)、さらなる先発補強に動いた。MLB.comのマーク・フェインサンドが関係者から得た情報によると、右腕コディ・ポンセと3年契約で合意。総額は3000万ドル(約45億円)と見込まれている。まだ球団からの正式発表は行われていないが、7年2億1000万ドル(約315億円)で獲得したディラン・シースに続く先発補強となった。
海外で4シーズンを過ごしたあと、31歳(来年4月で32歳)でメジャーに戻ってくるポンセは、2020~21年にパイレーツでプレーした当時とは全く異なる投手のように見える。しかし、大きな変化が本格的に現れたのは今季だった。
2022~24年は日本プロ野球の北海道日本ハムファイターズと東北楽天ゴールデンイーグルスでプレーしたが、目立った成績は残せなかった。しかし今季、韓国プロ野球のハンファ・イーグルスに移籍すると、全く別人となった。29試合に先発して180回2/3を投げ、17勝1敗という驚異的な成績をマーク。防御率1.89と252三振はともにリーグトップで、1位タイの17勝と合わせて投手三冠に輝いた。
5月17日の試合では1試合18三振の新記録を樹立し、シーズン252三振も韓国プロ野球の新記録に。リーグの最優秀先発投手を表彰するチェ・ドンウォン賞を受賞しただけでなく、リーグMVPにも選出された。
投球分析家のランス・ブロズドウスキーによると、ポンセのフォーシームは平均95.5マイル(約154キロ)を計測し、最速では90マイル台後半に達する。「キックチェンジ」と呼ばれるチェンジアップを武器としており、空振り率46%を記録した(ストライクゾーン内の空振り率も39%を記録)。さらに、高速スライダーのようなカットボールも投げ、必要に応じてシンカーを使うこともある。
こうした球質の向上により、以前よりもメジャーで活躍できる可能性が高いと期待されている。パイレーツ時代はフォーシームの平均球速が93.2マイル(約150キロ)で、チェンジアップは「第5の球種」に過ぎなかった。効果的なチェンジアップを持っていなかったため、左打者に苦戦するケースが目立ち、101打数で9本塁打、長打率.703と打ち込まれた。
身長198センチ、体重115キロというパワーピッチャーらしい体格を持っているカリフォルニア州ポモナ出身のポンセは、地元の大学から2015年ドラフト2巡目指名でブルワーズに入団。マイナー2Aまで昇格したあと、2019年の夏にジョーダン・ライルズとのトレードでパイレーツへ移籍した。
短縮シーズンの2020年にメジャーデビューを果たすと、2年間で5度の先発を含む20試合に登板。55回1/3を投げて13本のアーチを浴び、1勝7敗、防御率5.86に終わった。2021年シーズン終了後、パイレーツを解雇され、2022年から今季までアジアでプレーしていた。
近年は韓国プロ野球で好成績を収めたあと、メジャーに復帰する投手が増えている。エリック・フェディは2023年にポンセと同様の大活躍を見せ、ホワイトソックスとの契約を勝ち取った。復帰1年目の2024年、シーズン途中でカージナルスへトレードされたが、2球団合計で31試合に先発して防御率3.30をマークした。メリル・ケリーは韓国プロ野球で4年間プレーしたあと、2018年12月にダイヤモンドバックスと契約。それから7年間メジャーで活躍しており、来季が8年目のシーズンとなる。
