伏兵レッズがシュワーバーにとって魅力的な選択肢となる理由とは?
2025.12.3 10:49 Wednesday
オフシーズン当初、レッズが強打者カイル・シュワーバーを獲得する可能性は低いとみられていた。しかし、争奪戦においてレッズの存在を無視することはできない。
MLB.comが複数の関係者から得た情報によると、レッズは依然としてシュワーバー争奪戦に加わっており、今オフのフリーエージェント(FA)市場の大物選手を獲得しようとしているという。
シュワーバーはあらゆる点において、レッズに完璧にフィットする選手だ。左打ちの指名打者であるシュワーバーはオハイオ州ミドルタウン出身の「ご当地選手」で、子供のころはグレートアメリカンボールパークに通っていた。クラブハウスで絶大な存在感を発揮するリーダーとして知られており、若手が多いレッズに欠かせない存在となるだろう。
レッズは今季、本塁打数がメジャー21位、OPSも同19位に終わり、攻撃力アップが課題となっている。延長戦など、特に試合終盤の状況に応じた打撃に課題を抱えていた。オールスター遊撃手のエリー・デラクルーズの援護砲としてシュワーバーが加入することにより、デラクルーズのさらなる成長を促進する効果も期待できる。
デラクルーズは今季チーム最多の22本塁打を記録。しかし、後半戦は変化球攻めに遭い、わずか4本塁打にとどまった。
来年3月に33歳となるシュワーバーは、今季フィリーズでリーグ最多の56本塁打を放ち、メジャー最多の132打点、同5位のOPS.928を記録。打率は.240と低いが、球界有数の打撃力を誇る選手だ。また、デラクルーズと同様に、今季は全162試合に出場した。
フィリーズで過ごした4年間は、平均で46.8本塁打、108.5打点、OPS.856を記録。獲得に成功すれば、レッズにとって極めて大きな戦力となることは間違いない。
シュワーバーがレッズにフィットしない理由を挙げるとすれば、それは金額面だ。レッズの来季のペイロール(年俸総額)は、今季と同レベルになることが予想されている(今季開幕時点で1億1200万ドル=約168億円)。ブルペン、特にクローザーなど、ほかにも補強ポイントがあるが、シュワーバー獲得のためには補強予算の大部分を投じる必要があるだろう。
どのようなオファーが提示されているかは不明だが、レッズは金額面では大都市の裕福な球団に太刀打ちできない。シュワーバーを獲得するためには創意工夫を凝らしたオファーが必要になる。
シュワーバー争奪戦には、再契約を目指すフィリーズのほか、レッドソックスやメッツが加わっていることが報じられている。しかし、レッズにはほかの球団がオファーできない魅力がある。それは「地元でプレーできる」ということだ。シュワーバーが地元球団への移籍を望むのであれば、レッズにも獲得のチャンスが出てくるだろう。
