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ジャリエル・ロドリゲスがブルージェイズの40人枠を外れる この動きを解説

2025.12.7 12:14 Sunday

 ブルージェイズは救援右腕ジャリエル・ロドリゲスを40人枠から外した(アウトライト)。ウィンターミーティングを直前に控えた中、驚きの動きを見せた。

 この動きはブルージェイズがロドリゲスをアウトライト・ウエーバーにかけ、他のどの球団も獲得の意志を見せず(クレームせず)、ロドリゲスがウエーバーをクリアしたことを意味する。アウトライト・ウエーバーをクリアして40人枠を外れ、マイナーへ降格する場合、メジャーリーグで5年以上のサービスタイム(出場登録日数)を経た選手はマイナー降格を拒否できる。そして、3年以上のサービスタイムを経た選手、もしくは以前にアウトライトされた選手はアウトライトを拒否してフリーエージェント(FA)となることができる。しかし、ロドリゲスはサービスタイムが2年しかなく、アウトライトを受けた経験もないため、マイナーへ降格することとなる。

 ロドリゲスは中日ドラゴンズでプレーした後、2024年にブルージェイズと5年3200万ドル(約49億円)の契約を結んだ。契約は3年2130万ドル(約33億円)残るが、この年俸は保証される。また、ロドリゲスは他のマイナーリーグの選手と同様、いつでもトレードされる可能性がある。トレードされなければ、来季のスプリングトレーニングはマイナーの選手として参加することになる。

 28歳のロドリゲスはメジャー2年目の今季、リリーフに専念して66登板で2セーブ、14ホールド、防御率3.08をマーク。前半戦は防御率2.47と好調だったが、後半戦は息切れし、ワールドシリーズでもロースター(出場選手登録)を外れた。

 ブルージェイズはブルペン補強を模索しているが、前半戦はブルペンの重要な一員だったロドリゲスをなぜ40人枠から外したのか。

 ブルージェイズの目的は、チームの戦力として維持しながら、40人枠の余剰を生み出すことにあったと考えられる。

 前述の通り、現在のロドリゲスはアウトライトされ、マイナー降格の措置を拒否することができない。過去にアウトライトされた経験もなく、サービスタイムが3年に満たないためだ。

 そして、アウトライト・ウエーバーにかければ、他球団から獲得されるリスクもあるが、それも低かった。ロドリゲスは3年2130万ドルの契約と、その成績からすれば割高な契約を残している。仮に他球団がロドリゲス獲得に手を挙げた(クレームした)場合、獲得した球団は残り契約のすべてを負担しなければならなかった。

 ブルージェイズはロドリゲスが投手陣に必要になった場合、いつでも40人枠に再び加え、メジャーに昇格させることができる。ロドリゲスを戦力層の一部としてキープしながら、40人枠から外して空き枠を作れるタイミングとして、今オフは最適だった。あるいは、年俸を一部負担した上で他球団にトレードする選択肢もあるだろう。いずれにせよ、ロドリゲスをこのまま40人枠に留める場合よりも、ブルージェイズはロースターの柔軟性を手に入れたことになる。

 今回のロドリゲスと似た措置は、ブルージェイズの控え外野手マイルズ・ストローの身にも起こったことがある。ストローは2022年に古巣ガーディアンズと5年2500万ドルの延長契約を結んだが、その後成績が低迷。2024年の開幕前にストローはアウトライトされ、マイナーに降格した。その後、2024年のシーズン中に40人枠に登録(セレクト)され、7試合に出場。シーズン後に再びアウトライトされたものの、ストローはそれを拒否してFAで退団せず、2025年1月にブルージェイズへトレードされた。そしてブルージェイズでは40人枠を勝ち取り、今季は控え外野手として貢献した。

 ブルージェイズは今オフ、大型補強を敢行。既にエース級のディラン・シース、韓国球界で大活躍したコディ・ポンセを先発ローテーションに加え、内野手ボー・ビシェットとの再契約、スター外野手カイル・タッカーとの契約も噂されている。ブルペン陣の補強も検討されており、40人枠のスポットを遅かれ早かれ捻出する必要があったはずだ。ロドリゲスのアウトライトにより、ブルージェイズの40人枠は現在38人に減った。


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