MLBドラフトロッタリーが開催 ホワイトソックスが全体1位を獲得
2025.12.10 11:24 Wednesday
ホワイトソックスが最後にMLBドラフトで全体1位指名をしてからおよそ50年。その時のドラフトで全体1位指名された選手は今、殿堂入り選手となっている。
それがハロルド・ベインズだった。9日(日本時間10日)、ウィンターミーティングで行われた第4回ドラフト・ロッタリーに、ベインズはホワイトソックス代表として参加。そして見事に2026年ドラフトの全体1位指名権を引き当てた。全球団中最高の全体1位確率27.73%を割り当てられていたホワイトソックスが全体1位を獲得したことで、ドラフト・ロッタリーは4回目にして初めて最高確率の球団が全体1位を獲得することとなった。
「今、われわれが取り組んでいることをさらに強化するチャンスだ。光栄であり、大きな責任だ。心から嬉しく思っている。様々なシナリオを心のなかでは想定して準備するけど、この出来事がどれほど大きな意味を持つかは言葉では言い表せない」とと、ホワイトソックスのクリス・ゲッツGMはMLBネットワークで語った。
2026年ドラフトには、ドラフト・ロッタリー導入以降では初めてと言っていいほど、絶対的な全体1位指名候補がいる。それが誰もがこの世代のトップ選手と認めるUCLAの遊撃手ロック・チョロウスキーだ。チョロウスキーはMLBパイプラインが最近発表したドラフト有望株ランキングの1位に入っている。
ホワイトソックスは近年もドラフトで上位指名を行ってきた。2024年にはロッタリーで全体5位指名権を勝ち取り、昨年はロッタリー対象ではなかったものの、ロッタリー対象外では最高位の全体10位で指名した。さらに2019年は全体3位でアンドリュー・ボーンを、2018年は全体4位でニック・マドリガルを獲得している。
「ドラフトについてはまだ勉強中だ。トップクラスの選手たちについてもよく分かってきた。全体1位で指名できる選手は本当に素晴らしいものと思う。それに、与えられたボーナスプールの大きさや、真の才能を獲得するチャンスを考えると、さらに刺激になる。これからさらに深く掘り下げていくのが楽しみだ」とゲッツGMは言う。
ホワイトソックスに次ぐロッタリーの勝者は、低い確率をひっくり返したという点でレイズ、ジャイアンツ、ロイヤルズだった。レイズはロッタリー確率がわずか3.03%(7番目)だったが、全体2位にまで浮上。レイズがトップ5指名を行うのは、2017年に二刀流選手のブレンダン・マッケイを獲得した時以来だ。
「いつか優勝を果たし、球団として最も誇りに思える日が来ることを願っている。ただ、それまでの間、私たちが本当に誇りに思ってきたのは、浮き沈みを避けてきたことだ。プレーオフに進出した時の大きな喜びから、その後大きく落ち込むようなことはなかった。球団名がレイズになってからの時代では、長い間、上位10位以内に入る指名権を獲得していなかった。持続的な成功と、これほど多くのシーズンで競争できるチャンスを与えてきたことを本当に誇りに思う」と、レイズのエリック・ニアンダー編成部長は語った。
ニアンダー編成部長は続けて「でもそのせいで、球界最高の才能を獲得するチャンスが一つ絶たれてしまう。昨年のロッタリーでは少し順位が下がってしまった。それはあまり楽しい経験ではなかったし、ロッタリー自体も好きではなかった。だから援軍を呼ばざるを得なかった。レイズとブレット・フィリップス(ロッタリーにおけるレイズ代表)が手を組むと、良いことが起きるんだ。それで全体2位指名権を得られたんだ」。
ジャイアンツは全体でも12番目のロッタリー確率1.01%だったが、全体4位指名権を獲得した。ロイヤルズも大きく躍進し、全体13番目の確率(0.84%)から全体6位にまで上がった。
「あまり先走りたくはなかったが、状況から判断して、15位までにならなければ、上位6位以内に入っているだろうと分かっていた。6位でもなく、そして5位でもなかったとき、もしかしたらと思ったんだ。ドラフトは難しいが、こんなに早い順位で指名できることに本当に興奮している。こんなに高い順位で指名できたのは久しぶりだ。まだ時間はあるが、これからやるべきことは多くある」とジャイアンツ代表を務めた選手育成部門の副長であるランディ・ウィンは語った。
ロイヤルズのJJ・ピッコロGMは「最高だよ。興奮しているよ。1位指名権を獲得できる可能性は1%にも満たなかった。16位に近い順位だったはずだ。だから6位指名権を獲得できたのは、少しばかり報われたような気分だ。過去数年は順位を落とした。1位指名権を獲得できる可能性が高く、高い確率で指名できたにもかかわらず、順位を落としてしまい、本当にがっかりした年が2年続いた。幸運に恵まれた年を迎えられたのは、私たちにとって本当に嬉しいことだ。スカウト部門にとっても素晴らしい機会だ。この指名権で何ができるか、楽しみだ」と、喜びを隠せない様子だった。
一方、全体でも4番目の9.24%の確率で臨んだオリオールズ、そして6番目の6.6%の確率で臨んだアスレチックスは、報われない結果になった。両球団は上位6位以内の指名権を逃し、オリオールズが全体7位、アスレチックスが全体8位に順位を落とした。
2026年ドラフトのロッタリー結果、そしてロッタリー確率とその順位は以下の通り。
1. ホワイトソックス (1, 27.7%)
2. レイズ (7, 3.03%)
3. ツインズ (2, 22.2%)
4. ジャイアンツ (12, 1.0%)
5. パイレーツ (3, 16.8%)
6. ロイヤルズ (13, 0.8%)
7. オリオールズ (4, 9.24%)
8. アスレチックス (5, 6.6%)
9. ブレーブス (6, 4.5%)
10. ロッキーズ (16, 0.0% – ロッタリーピック対象外)
11. ナショナルズ (17, 0.0% – ロッタリーピック対象外)
12. エンゼルス (18, 0.0% – ロッタリーピック対象外)
13. カージナルス (8, 2.3%)
14. マーリンズ (9, 1.8%)
15. ダイヤモンドバックス (10, 1.5%)
16位 レンジャーズ (11, 1.3%)
17位 アストロズ (15, 0.3%)
ロッキーズは2024年と2025年のドラフトの両方でロッタリー指名権を得たため、今年はドラフトロッタリーの対象外となった。2年以上続けてロッタリー指名権を得ることはルール上できない。さらに収益分配金を支払う球団であるナショナルズとエンゼルスは、2年続けてロッタリー指名権を得られないため、今年はロッタリー対象外となった。
来年のドラフトロッタリーではホワイトソックス、パイレーツ、ジャイアンツがロッタリー対象外となり、全体10位より上位の指名権を得られない。ホワイトソックスとジャイアンツは収益分配金を支払う球団であり、そしてパイレーツは2年連続でロッタリー指名権を既に獲得しているためだ。
メッツはロッタリー対象球団だったが、ロッタリー指名権を獲得できなかった。0.67%のロッタリー確率に従えば全体17位指名権を得るはずだったが、ぜいたく税のペナルティが第2段階に達していたため、1巡目指名権が10位下がる(全体27位)。ヤンキース、フィリーズ、ブルージェイズ、ドジャースもメッツに続き、1巡目の10位ダウンのペナルティを受けるだろう。最初の指名が最も遅いドジャース(全体40位)までの指名順は以下の通り。
18. レッズ
19. ガーディアンズ
20. レッドソックス
21. パドレス
22.タイガース
23. カブス
24. マリナーズ
25.ブルワーズ
26. ブレーブス(ナ・リーグ新人王を獲得したドレイク・ボールドウィンのプロスペクト昇格インセンティブ指名)
27. メッツ(1巡目指名権+10位ダウン)
28. アストロズ(サイ・ヤング賞投票で上位3位に入ったハンター・ブラウンのプロスペクト昇格インセンティブ指名)
29. ガーディアンズ(戦力均衡ラウンドA指名権)
30. ロイヤルズ(戦力均衡ラウンドA指名権)
31. ダイヤモンドバックス(戦力均衡ラウンドA指名権)
32. カージナルス(戦力均衡ラウンドA指名権)
33.オリオールズ(戦力均衡ラウンドA指名権)
34.パイレーツ(戦力均衡ラウンドA指名権)
35. ヤンキース(1巡目指名権+10位ダウン)
36. フィリーズ(1巡目指名権+10位ダウン)
37. ロッキーズ(戦力均衡ラウンドA指名権)
38. ロッキーズ(2巡目)
39. ブルージェイズ(1巡目指名権+10位ダウン)
40. ドジャース(1巡目指名権+10位ダウン)
