パイレーツが救援左腕ソトと1年契約で合意か 積極補強を展開
2025.12.10 12:56 Wednesday
パイレーツはオールスター選出2度を数える救援左腕グレゴリー・ソトと1年775万ドル(約12億円)の契約を結ぶ予定だと、関係者がMLB.comに明かした。球団は身体検査の結果を待っており、この契約を正式発表していない。
30歳のソトは今季、オリオールズとメッツで70試合に登板し、防御率4.18を記録。過去3シーズンは防御率が4点台だが、指標が示す投球内容は良好だった。上位3%に入るバレル率4.0%、ボール球スイング率31.5%、空振り率29.9%を記録し、70三振、奪三振率25.1%と健闘した。
一方で、ソトのこれまでの弱点は制球力だったが、2025年に大きな成長を遂げた。四球率はキャリアベストの8.6%と、前年の11.1%から改善され、リーグ全体でも最も四球率を改善させた投手となった。ただ、右打者という弱点は変わっていない。ソトは左打者に対して被打率.192、OPS.549と圧倒的だが、右打者に対して打率.307、OPS.801と痛打された。
ソトは好調であれば、90マイル半ばから後半に達するシンカーと、空振り率45.5%を誇るスライダーを投じる。さらにフォーシームとスイーパーも時折織り交ぜる。持ち味のボウリング球のような重いシンカーは2年前は被打率わずか.200だったにもかかわらず、今季は.314と打ち込まれた。変化量は変わっていないが、平均球速が98.1マイル(158キロ)から96.8マイル(156キロ)へ低下した。
カイル・シュワーバーの獲得を逃したことで、パイレーツはFA市場に投資する余裕ができた。攻撃力強化が最優先事項だが、ブルペン陣に左腕を加えることもオフの課題の一つだった。パイレーツのブルペン陣はデニス・サンタナ、アイザック・マットソン、ジャスティン・ローレンスら右腕が中心。今オフ始めに40人枠に加えた左腕タイラー・サマニエゴは、レッドソックスからジョスティンソン・ガルシアらを獲得するトレードで交換要員となっていた。
ソトの獲得によって、パイレーツのブルペン陣の来季の顔ぶれは今季から大きく変わる。今季開幕時の8、9回コンビだったデービッド・ベドナーとコリン・ホルダーマンは既に退団済み。来季のセットアップ、クローザーは未定だが、ソトは勝利の方程式に組み込まれるはずだ。さらに有望株のブランドン・ビドイス、ライアン・ハービンも40人枠入りを果たした。
パイレーツの40人枠は現状39人。ソトの契約はまだ正式発表されていないため、パイレーツはあす10日(日本時間11日)に控えるルール5ドラフトで選手を指名する可能性がある。
