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レイズがベテラン左腕マッツと2年1500万ドルで合意か 先発再転向へ

2025.12.10 13:37 Wednesday

 レイズがFAの左腕スティーブン・マッツと2年契約をまとめていると、複数の関係者がMLB.comに明かした。マッツの契約総額は1500万ドル(約23億円)で、1年あたり750万ドルとなる見込み。球団は身体検査の結果を待っており、契約を正式発表していない。

「もっと良くなる方法を模索し、投手陣を改善し、近いうちに達成できることを期待していくつかのことを進めている」とエリック・ニアンダー編成部長はウィンターミーティングで語っていた。

 レイズはベテラン先発投手のザック・リテル、エイドリアン・ハウザーを失い、今オフは同じ役割を担う投手を探していた。今季キャリアで初めてリリーフに専念したマッツは、興味深い補強となる。

 マッツの救援完全転向初年度は、誰の目にも成功に映った。防御率3.05はMLB定着以来、キャリアベスト。カージナルスでは32登板で防御率3.44だったが、レッドソックス移籍後は21登板で防御率2.08とさらに調子を上げた。

 来年5月に35歳を迎えるマッツは、2022年にカージナルスと結んだ4年契約が満了。その契約までは通算141登板の内、136試合で先発していたが、カージナルス移籍後は徐々に救援登板の割合が増えた。2022年は15登板中5試合、2023年は25登板中8試合、2024年は12登板中5試合がリリーフで、今季からは完全にリリーバーに転向した。

 5月には「今シーズンに臨むにあたっての私の心構えは、球団が私に何をして欲しいとしても、私はそれをやるつもりだ」と語り、救援転向を受け入れていたマッツだが、先発への未練も残っていたようだ。

「9月と10月を通して彼(マッツ)と話していた。彼はまた先発投手になりたいと感じていたし、間違いなく大丈夫でしょう。ストライクを投げるマシンであり、仕事熱心であり、そしていい人間でもある。レイズはまた良い選手を手に入れたね」と、古巣レッドソックスのアレックス・コーラ監督は語った。

 レイズのニアンダー編成部長は、ターゲットとしていたベテランの先発投手が、リテルやハウザーのような伝統的なイニングイーターではないかもしれないと示唆していた。

「われわれは、その可能性を検討しているところだ。200イニング投げられるアンカーになるのか、才能は気に入っているものの、登板数に少しリスクを負うことになるのか、それは様子を見る。先発投手はいくらいても足りない。改善の余地がたくさんある2年間を経て、少なくとももう一人獲得できれば、それはプラスになると思う」

 レイズの来季の先発ローテは、オールスター右腕のドリュー・ラスムッセン、ライアン・ペピオ、シェーン・バズが来季も中心となる。3投手とも今季はキャリアハイの31先発をこなし、150イニングを超えた。さらにエースのシェーン・マクラナハンも、2023年に受けたトミージョン手術と左上腕三頭筋の負傷からついに復帰する予定だ。

 今夏にトレードでリテルを、今オフにFAでハウザーを失ったレイズは、ローテーション最後の1枠に不安を残していた。若手左腕のイアン・シーモア、剛腕のジョー・ボイル、そしてジェシー・スコルテンスらがいるが、確実に枠を掴む投手はいない。

 また、仮にマッツが先発ローテから漏れたとしても、ブルペン陣の強力な武器になるだろう。レイズのブルペン左腕は、ハイレバレッジの場面を任されるギャレット・クレビンジャー、そして素質を秘めながら苦戦中のメイソン・モンゴメリーの主に2人のみだ。

 ただ、マッツには先発として復活できる武器がある。そしてレイズは投手育成に長け、過去にはラスムッセン、リテル、そしてジェフリー・スプリングスといった救援投手を先発として開花させた経験もある。

 左腕のマッツはシンカーをはじめとする4球種を投げ分ける。シンカーの投球割合58.4%は球界トップ10に入る。そして被打率.197のカーブを筆頭に、縦変化の大きいチェンジアップ、そしてほとんど使わないもののスライダーも持っている。

 2024年は44回1/3で防御率5.08と苦しんだマッツは、今季フライ打球と引っ張った当たりを制限したことで、成績を改善させた。2024年の四球率7.9%は半分以下のMLB4位の3.6%(50イニング以上)へと減り、76回2/3でわずか11四球しか与えなかった。マッツは2022年以降、平均以上の三振率を記録していないが、それでも打者を効果的にアウトにする方法を見つけている。

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