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エンゼルスが元有望株グリッソムを獲得 ミナシアンGMは開花に期待

2025.12.10 16:00 Wednesday

 9日(日本時間10日)、エンゼルスは有望株の外野手アイゼイア・ジャクソンを放出し、レッドソックスからかつてのトッププロスペクトである内野手ボーン・グリッソムを獲得。内野陣の層を厚くした。

 エンゼルスはここ2年は不振に苦しみ、マイナーオプション(ウエーバーを介さずに選手を直接マイナーへ降格させられる回数)を失ったグリッソムにチャンスを与えようとしている。グリッソムは二塁、三塁、遊撃、外野など複数のポジションを経験しており、フリーエージェント(FA)で退団したルイス・レンヒーフォの代役となり得る。

「彼はエンゼルスに来て競争することになる。彼はかつて球界のトップ100に入る有望株だった。私は彼をドラフトしたときのブレーブスにいた。彼は才能があり、われわれが探していたようなコンタクト力に長けた打者。しかし、保証はない。エンゼルスに来て、競争して、どうなるかを見ることになる」と、エンゼルスのペリー・ミナシアンGMは語った。

◆トレードの詳細
エンゼルス獲得:内野手ボーン・グリッソム
レッドソックス獲得:外野手アイゼイア・ジャクソン(球団25位有望株)

 現在24歳のグリッソムは、21歳で迎えた2022年にデビューし、41試合で打率.291、出塁率.353、長打率.440、5本塁打、5盗塁、18打点と活躍。しかし、2023年は23試合の出場にとどまり、打率.280、出塁率.313、長打率.347、0本塁打、9打点と成績を落とした。そして2024年の開幕前にクリス・セールとのトレードでレッドソックスに移籍した。

 レッドソックスへ移籍後も、グリッソムは不振を脱出できなかった。2024年は31試合で打率.190、出塁率.246、長打率.219、0本塁打、6打点と苦しみ、続く今季はMLBでの出場なし。3Aでは96試合で打率.270、出塁率.342、長打率.441、13本塁打、48打点と平均以上の打撃成績を残したが、9月上旬に足底筋膜炎と診断されシーズンを終えた。

 しかし、グリッソムは現在健康を取り戻した上、ミナシアンGMは環境の変化がプラスに作用すると叶えている。エンゼルスは数年前からグリッソムに注目しており、ロン・ワシントン監督もブレーブスでのコーチ時代にグリッソムを寵愛していた。

「時には環境を変える必要がある。彼はかつて非常に有望視されていたし、もちろん、大物選手とのトレードもあった。ある場所でうまくいかなくても、別の場所でより適したプレーが見つかることもある。だから、そうなることを期待しているんだ」と、ミナシアンGM。

 さらにミナシアンGMは、グリッソムが抱える改善点を既に特定していると語っている。グリッソムはマイナーでは打率.303、出塁率.392、長打率.458を記録しているが、その実力を安定してMLBでは発揮できていない。

「あの打撃には可能性を感じている。彼に言わせれば、ここ数年は彼が望んでいたようには進んでいないだろう。それでも、彼は24歳で、まだまだ大きな可能性を秘めている。だから、チャンスを掴む価値があると感じた」

 ただ、グリッソムに競争させるとミナシアンGMが語った通り、エンゼルスはまだ内野手を補強するつもりだ。昨年の股関節手術の影響でアンソニー・レンドンが来季も欠場すると見込まれるため、二塁手と三塁手は人手が足りていない。

「三塁でも二塁でも、われわれはどの部分においても活発に動いている。今年は期待していたような結果にはならなかった。だから、ローテーション、ブルペン、内野、外野など、チームを強化するチャンスはたくさんある」と、ミナシアンGMは語る。

 エンゼルスは仮に二塁手を補強できた場合、有望株クリスチャン・ムーアを二塁から三塁へ転向させることに前向きだ。ただ、グリッソムはブレイクを果たさない限り、控え選手としての役割が主になるだろう。40人枠には、他に元有望株のオズワルド・ペラザがユーティリティの役割を狙っている。

 ミナシアンGMも、ムーアの三塁転向を検討していることを認めた。

「かつてわれわれと一緒に試したことでもあるから、それ(三塁転向)に対しては間違いなく前向きだ。ただ二塁手の打力、そして誰が二塁を守るかに依る。われわれは残りのオフシーズンも、伸びしろのある質の高い選手を加えるために注力する」

 一方、交換要員となったジャクソンはアリゾナ州立大学出身で、2025年ドラフトでエンゼルスから8巡目指名を受けて入団。今季は1A+トライシティで10試合に出場し、打率.219、1本塁打、4打点を記録し、MLBパイプラインではエンゼルスの球団有望株ランキングで25位に入っていた。ジャクソンが退団した今、マイナーリーグとアリゾナ・フォールリーグで大活躍した外野手ラウディ・ロドリゲスが代わりに球団有望株ランキングに名を連ねている。

ミナシアンGMは「彼をトレードするのは辛かった。ドラフトでは彼を高く評価していたが、スタッフの功績は大きい。9巡目で指名し、それを将来性あるメジャーリーガーだと信じる選手に育て上げたのは、彼らの功績だ」と語った。

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