マーリンズがモレルを1年契約で獲得 一塁手として起用する方針
2025.12.13 09:53 Saturday
12日(日本時間13日)、MLB.comが関係者から得た情報によると、マーリンズはクリストファー・モレルと1年契約を結ぶことで合意。一塁手として起用する方針のようだ。
なお、球団からの正式発表はまだ行われていない。
かつて強打のトップ・プロスペクト(若手有望株)として期待されていたモレルは、マーリンズにとって「ローリスク・ハイリターン」の補強と言える。メジャー4年間、カブスとレイズで通算477試合に出場し、打率.222、出塁率.299、長打率.415、OPS.714、63二塁打、10三塁打、74本塁打、210打点、31盗塁を記録。四球率9.0%、三振率30.4%という数字が示すように、粗削りな打者だが、4年連続2ケタ本塁打の長打力は魅力的だ。
モレルが輝いたのはメジャー最初の2年間(2022~23年)だった。合計220試合に出場し、42本塁打、117打点、WAR2.5(ベースボール・リファレンス版)を記録。その後、2024年途中にカブスからレイズへトレードされたが、2024年の移籍後はWAR-0.8に終わり、今季もWAR-0.3と低調だった。レイズで過ごした1年半では154試合に出場して打率.208、出塁率.277、長打率.355、14本塁打、42打点と結果を残せず、ノンテンダーFAとなっていた。
とはいえ、モレルは今季11本塁打を記録。今季のマーリンズはメジャーで4番目に本塁打(154本)が少なく、モレルより本塁打が多かったのはカイル・スタワーズ(25本)、アグスティン・ラミレス(21本)、オットー・ロペス(15本)の3人だけだった。
26歳のモレルは外野3ポジションと二塁、三塁、遊撃を守った経験があるが、マーリンズではプロ入り後1度も経験がない一塁手として起用される見込み。新しく内野守備コーチに就任したブレイク・バトラーには、モレルが一塁手として成長することを手助けするというタスクが課される。マーリンズは今季、一塁手のOPSがメジャーで4番目に低い.663にとどまっており、一塁手のアップグレードが課題となっている。
現在、ロースターの40人枠にはエリック・ワガマン、リアム・ヒックス(本職は捕手)、グラハム・ポーリーといった一塁を守れる選手がいるものの、いずれも打撃力は平均以下。外野手のグリフィン・コーナインを一塁手として起用することも検討しているようだ。マーリンズはクレイトン・マカラー監督が相手投手や試合状況に応じて選手を柔軟に起用できるように、守備の汎用性を重視している。モレルは、球団22位の有望株であるデイビソン・デロスサントスがメジャーで常時出場する準備が整うまでの「つなぎ役」として最適であり、デロスサントスが成長するための時間を確保できる。モレルとの契約期間は1年のため、今後デロスサントスの出場機会をブロックすることもないだろう。
マーリンズの外野はスタワーズ、ジェイコブ・マーシー、コーナインと左打者が多く、右打者のモレルが状況に応じて外野手として起用される可能性もある。また、コナー・ノービーとポーリーによる正三塁手争いにモレルが割って入る可能性もあるとみられる。
