English Español 韓国語

マリナーズが控え捕手を確保 30歳のキズナーをメジャー契約で獲得へ

2025.12.13 15:23 Saturday

 マリナーズは2026年シーズンの控え捕手の最有力候補を見つけた。

 12日(日本時間13日)、MLB.comが関係者から得た情報によると、マリナーズは捕手アンドリュー・キズナーとメジャー契約を結ぶことで合意目前となっているようだ。身体検査の結果を待っているため、まだ正式発表は行われていない。キズナーの加入により、マリナーズのロースター40人枠はあと1枠に。引き続きブルペンの補強を目指すとみられている。

 スター捕手カル・ローリーに次ぐ2番手捕手を獲得する必要性は、有望株捕手のハリー・フォードをリリーフ左腕ホゼ・A・フェレアとのトレードで放出したことにより、さらに顕著になった。フォードは今季、3番手捕手という位置づけだったが、シーズン終了後にミッチ・ガーバーがフリーエージェント(FA)となったため、トレードがなければ2番手捕手として起用されるはずだった。

 キズナーの獲得で捕手の補強が完了したわけではなく、ジャスティン・ホランダーGMがウィンターミーティングの場で語ったように、今後もスプリングトレーニングに向けて、メジャーに近いレベルの捕手の層を厚くしていく可能性が高い。メジャー経験のある捕手をマイナー契約で獲得するような動きがあるかもしれない。

 マリナーズが今年のドラフト全体35位で指名したルーク・スティーブンソンはマリナーズの長期的プランの重要な位置を占めており、一部のスカウトの間では「フォードよりポテンシャルは高い」と評価されている。21歳のスティーブンソンは過去2シーズンをノースカロライナ大学でプレーし、プロ入り後はマイナー1Aで22試合に出場した。メジャー3位の評価を受けているマリナーズのファーム組織において最も有望な捕手であり、球団別の有望株ランキングでは9位にランクインしている。

 しかし、マリナーズは2026年シーズンにスティーブンソンがメジャーデビューすることを期待しているわけではない。よって、ローリーに次ぐ捕手の層を厚くすることが必要であり、今回のキズナー獲得に至った。

 キズナーは今季ジャイアンツでプレーしたが、11月21日(同22日)にDFAとなってロースターの40人枠から外され、そのままFAとなった。今季は33試合に出場し、88打席で打率.221、1本塁打、5打点、出塁率.299、長打率.299、OPS.598、三振率11.4%、四球率8.0%を記録。wRC+は73(リーグ平均は100)にとどまり、ファングラフス版のWARは0.2だった。

 これらの数字が示すように、キズナーの打撃力は優れているわけではない。しかし、マリナーズもキズナーに打撃面での貢献を求めているわけではない。ローリーは今季、捕手の中でも特に出場機会が多く、打席数(705)はア・リーグの正捕手の中でトップ、捕手としての出場イニング(1072)もトップだった。よって、マリナーズがキズナーに求めるのは、ローリーが守備に就かない日に捕手の役割をしっかりこなすことだけである。

 キズナーはメジャー通算で捕手として2286イニング出場。今季は大半の守備指標で平均以下に終わっており、ブロッキング指標(-3)はメジャーの下位22%、送球時のポップタイム(2.00秒)はメジャーの下位10%だった。また、直近4シーズンの盗塁阻止率も16.4%にとどまっている。

 来年2月に31歳の誕生日を迎えるキズナーは、2024年に同地区のレンジャーズでプレーしているため、マリナーズのフロントオフィスにとってお馴染みの選手だ。それ以前はカージナルスで5年間(2019~23年)プレー。2016年ドラフト7巡目指名で入団して2019年にメジャーデビューし、名捕手ヤディアー・モリーナの後継者として期待された時期もあった。


spotvnow