ブルワーズがブルペン補強 2選手とのトレードで左腕セルパを獲得
2025.12.14 09:32 Sunday
球団史上最多の97勝を挙げたブルワーズは、ロースターに目立った穴がほとんどなかった。よって、今オフの補強もピンポイントな動きで済ませることができる立場であり、13日(日本時間14日)にはロイヤルズとのトレードを成立させた。MLB.comが関係者から得た情報によると、ブルワーズは右腕ニック・ミアーズとユーティリティプレーヤーのアイザック・コリンズを放出し、ロイヤルズから左腕アンヘル・セルパを獲得するようだ。
なお、各選手の身体検査が完了していないため、球団からの正式発表はまだ行われていない。
万能なスイッチヒッターのコリンズはナ・リーグ新人王投票で4位にランクインしたばかり。また、ミアーズはブルワーズ移籍後の1年半で23ホールドを挙げるなど、好調時には試合の重要な場面を任されてきた。しかし、ブルワーズはその2選手を放出し、26歳のリリーフ左腕セルパを獲得。2年連続で60試合以上(合計129試合)に登板しているタフな左腕であり、キャリア通算で左打者を打率.239、4本塁打、OPS.624に封じ込めている。
今季のセルパは自己最多の69試合(うち2先発)に登板し、5勝2敗、防御率4.18を記録。投球イニング(64回2/3)、三振(58)、ホールド(14)はいずれもキャリアハイを更新した。重い球質の速球を武器としており、ゴロ率はメジャーの上位1%という高水準。平均球速も上位16%にランクインしている。フォーシームも投げるが、速球の大半はシンカー(ツーシーム)で、その平均球速は96.6マイル(約155キロ)だった。
プロ入りから現在までロイヤルズ一筋のキャリアを過ごし、メジャー5年間で通算148試合に登板。12勝7敗、28ホールド、防御率3.97をマークしている。
ここ数年、重要な役割を担ってきたブルワーズのブルペンにおいて、セルパの加入は戦力アップに寄与するだろう。セルパは今オフ初めて年俸調停権を取得し、来季の年俸は未定。フリーエージェント(FA)になるまでの保有可能期間は3年残っており、マイナーオプションも1つ持っているため、不調時にはマイナーに落とすことも可能だ。放出したミアーズはマイナーオプションが残っていなかったため、ブルワーズにはブルペンの柔軟性を確保したいという思惑があったのかもしれない。
注目すべきは、ブルワーズが28歳のコリンズを放出したことだろう。今季チーム最大のサクセスストーリーの1つを手放すことになった。もともとは2022年のルール5ドラフトのマイナー部門で移籍してきた選手であり、2024年までは主に内野手としてプレーしていた。メジャー2年目の今季は130試合に出場して打率.263、9本塁打、54打点、16盗塁、出塁率.368、OPS.779を記録。外野手に負傷者が続出したことでチャンスをつかみ、左翼手としてレギュラー級の出場機会を得た。
しかし、ブルワーズは全員が健康であれば、外野手が余ってしまう状況のため、補強ポイントをカバーするために外野手の一角を放出するという動きは納得できる。ウィンターミーティングの期間中にはコリンズのほか、ギャレット・ミッチェルやブレイク・パーキンスといった外野手のトレードも検討されていたが、トレード候補の外野手のうち、コリンズが実際に放出されることになった。
