パドレスとメッツのトレード交渉で剛腕ミラーの名前が浮上か
2025.12.14 10:23 Sunday
メジャー屈指の剛腕が再びトレードされる可能性はあるのだろうか。
ジ・アスレチックの報道によると、パドレスとメッツのトレード交渉の中で剛腕メイソン・ミラーの名前が浮上しているという。メッツはミラーのほか、先発右腕ニック・ピベッタ、救援右腕ジェレマイア・エストラーダ、救援左腕エイドリアン・モレホンといった選手について話し合いを行っているようだ。
パドレスがアスレチックスとの大型トレードでミラーを獲得してから、まだ5カ月も経っていない。しかし、パドレスは投手・野手を問わず、メッツのプロスペクト(有望株)や若手メジャーリーガーに興味を持っていることが報じられている。
なお、ジ・アスレチックの報道によると、フランシスコ・リンドーア(メッツ)とフェルナンド・タティスJr.(パドレス)の両スーパースターについては、現在のトレード交渉の対象とはなっていないようだ。
メッツは13日(日本時間14日)、フリーエージェント(FA)の内野手ホルヘ・ポランコと2年契約で合意した。しかし、デービッド・スターンズ編成本部長にはやるべきことがたくさん残っている。戦力の穴を埋めるだけでなく、ファンに愛されていたピート・アロンソ、エドウィン・ディアス、ブランドン・ニモが退団したことに不満を持っているファンを満足させる必要があるのだ。
メッツはニモとのトレードで二塁手マーカス・セミエンを獲得し、ディアスに代わるクローザーとしてデビン・ウィリアムスとも契約している。新たに獲得したポランコは主に一塁手・DHとして起用される見込みだ。スターンズ編成本部長がこれからやるべきことは、ローテーションとブルペンの強化、そしてニモが抜けた外野の補強ということになる。
メッツは現在、FA市場とトレード市場の両方で幅広い選択肢を検討しているとみられる。ジ・アスレチックの報道によると、外野手補強の選択肢としてルイス・ロバートJr.(ホワイトソックス)の名前が挙がっているという。しかし、ロバートJr.は来季の年俸が2000万ドル(約30億円)と高額のため、トレード成立のためには、ホワイトソックスが年俸負担に応じる必要があるだろう。ロバートJr.の契約には2027年の球団オプション(年俸2000万ドル=約30億円)も含まれている。また、メッツはFAのカイル・タッカーとコディ・ベリンジャーにも関心を示しているようだ。
先発投手に目を向けると、メッツはほかの多くのチームと同様に、フレディ・ペラルタ(ブルワーズ)の獲得に興味を示している。一方、MLBネットワークのジョン・ヘイマンによると、メッツはサイ・ヤング賞投手のタリック・スクーバル(タイガース)を今オフ中に獲得すべきか、来季終了後にFA市場に出てくるのを待つべきかを球団内で議論しているようだ。もちろん、スクーバルをトレードで獲得するためには多数の若手選手の放出という大きな犠牲も伴う。
ヘイマンによると、メッツの関係者はメジャー全体11位の有望株であるノーラン・マクリーンについて「放出不可能」と語っているという。しかし、マクリーン以外にも豊富な有望株を抱えており、スクーバルを獲得するための対価を用意することは可能だ。有望株ランキング全体トップ100にはマクリーンのほかに、カーソン・ベンジ(21位)、ジェット・ウィリアムス(30位)、ジョナ・トン(46位)がランクイン。ほかにもブランドン・スプロート、ブレット・ベイティ、マーク・ビエントスといった若手選手たちがトレード候補になりそうだ。
こうしたメッツの若手選手たちは、限られた予算の中でポストシーズン進出を狙えるチーム作りをしなければならないパドレスにとって非常に魅力的。パドレスにとって、メッツは理想的なトレード相手と言えるだろう。
パドレスはディラン・シースとマイケル・キングの両先発右腕がFAとなり、シースはすでにブルージェイズと契約。さらに、ダルビッシュ有が右肘手術で来季を全休する予定のため、ローテーションが最大の補強ポイントとなっている。こうしたチーム状況を考えると、先発の柱として活躍したピベッタがトレード候補になっているのは一見奇妙に思えるが、来季の年俸が1900万ドル(約28億5000万円)と高額であること、来季終了後にオプトアウト(契約破棄)の権利を持っていることなどを考えると、納得できるはずだ。パドレスとしては、今季の活躍で価値が高まっているピベッタを放出し、より長く保有できる若手投手とのトレードを狙っているというわけだ。
パドレスはミラーと左腕JP・シアーズをアスレチックスから獲得するために、メジャー全体3位の有望株であるレオ・デブリーズを含む4選手を放出した。そのミラーを再びトレードするとしたら大きなサプライズとなるだろう。しかし、積極的なトレード戦略で知られるA・J・プレラー編成本部長が関わっている以上、どんな可能性も排除することはできないのだ。
