English Español 韓国語

レンジャーズはシーガーを放出せず ヤング編成本部長が明言

2025.12.16 11:02 Tuesday

 先月、レンジャーズはメッツからブランドン・ニモを獲得するために、主力選手の1人であるマーカス・セミエンをトレードで放出した。

 トレード成立から数日後、ニモはオンラインでメディア対応を行った際、クリス・ヤング編成本部長から「レンジャーズは今後も勝利を目指していく」と告げられたことを明かした。ロースターは大幅に刷新される見込みだが、これは決して「再建」ではないのだ。

 現時点でほぼ確実なことが1つだけある。それは、ロースターがどれほど大幅に入れ替わったとしても、コリー・シーガーはレンジャーズに残留するということだ。

 フロリダ州オーランドで行われたウィンターミーティングでは、常に様々な噂が飛び交っていた。そうした状況の中、トレード候補としてシーガーの名前がネット上で取り上げられ、ホテルのロビーでも話題になった。しかし、レンジャーズの幹部はすぐに状況を説明した。他球団はトレードを打診してくるが、レンジャーズはそれに応じる必要などない。

 ヤング編成本部長は、ウィンターミーティング最終日に「現実には、すべてのチームが優秀な選手を探しており、多くのチームが我々の優秀な選手にも声をかけてくる。事実を言えば、我々はシーガーを放出するつもりなどない。2026年シーズンの優勝を目指しており、そのためには優秀な選手が必要だ。各チームはどの選手が獲得可能で、どの選手が獲得不可能なのかを見極めるために、懸命に努力している。しかし、そこに実質的な根拠があるとは言えない。選手の状況確認はこの時期の通常業務の一環であり、すべてのチームが行っていることだ」と語った。

 ヤング編成本部長の発言は、シーガーに関するトレードの噂にも当てはまる。レンジャーズは今オフ、優勝を目指していく方針を何度も表明している。そして、優勝を目指すチームはシーガーのような実力を持つ選手をトレードに出すことはない。シーガーのトレードの噂に根拠などなく、一連の通常業務の中でそうした噂が出たに過ぎないのだ。

 2023年のワールドシリーズMVPに輝いたシーガーは、虫垂炎の手術を受けたため、今季最後の1カ月の大半を欠場した。手術後の回復に時間がかかり、ポストシーズンには間に合う可能性があったものの、レンジャーズがポストシーズンに進出する可能性が消滅したため、シーガーも無理に復帰せずシーズンを終えた。

 常に高い水準の成績を求められているシーガーにとって、今季はやや不調のシーズンだった。虫垂炎の手術を受けるまで102試合に出場し、打率.271、21本塁打、50打点、出塁率.373、OPS.860、OPS+149を記録。しかし、出場試合数が少なかったにもかかわらず、総合指標WARはファングラフス版が4.0、ベースボール・リファレンス版が6.2をマークした。

 シーガーは誰もが憧れるようなタイプの選手だ。そして、2021年オフに結んだ10年3億2500万ドル(約487億5000万円)の大型契約はあと6年残っている。

「シーガーは素晴らしい選手だ。各チームは素晴らしい選手を求めている。理由はどうあれ、他球団は我々がセミエンをトレードしたのを見て、シーガーも獲得可能だと考えたのだろう。多くのチームから連絡があった。もしシーガーがFAだったら、今オフの移籍市場で最高の選手だっただろうと言ってきたチームもあった。私はシーガーという素晴らしい選手がレンジャーズの一員であることを大変嬉しく思っている。我々の目標はワールドシリーズ優勝だ。その目標を達成するためには、素晴らしい選手が必要だ。他球団がシーガーに注目するのは理解できるが、少し騒ぎすぎだと思う。シーガーを放出するつもりなどないのだから」とヤング編成本部長はMLBネットワークラジオに出演した際、シーガー放出の意思がないことを改めて強調した。

 最終的に何が起こるかは分からない。誰も未来を知ることはできない。しかし、シーガーは現在、レンジャーズの選手だ。そして、レンジャーズはその状況を変えるつもりはないようだ。

「再び優勝するためにはシーガーの力が必要だ」とヤング編成本部長。「他球団の素晴らしい選手にもたくさんの問い合わせがあるはずだ。各チームは自分たちの仕事をしているだけだし、私もそれは理解している。ほかの選手についても、メディアに取り上げられ、少し過剰に報道されてしまった部分があると思う。我々はシーガーを移籍させるつもりはない。それだけはハッキリさせておきたいね」とシーガー放出の噂を一蹴した。


spotvnow