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アスレチックスが正二塁手確保 元首位打者マクニールをトレードで獲得

2025.12.23 08:57 Tuesday

 アスレチックスは今オフ、投手補強に重きを置いているが、野手陣にもいくつかの課題が残っている。そんな中、22日(日本時間23日)にはメッツとのトレードを成立させ、課題の1つに対処した。アスレチックスはマイナー右腕のヨーダン・ロドリゲスを放出。元首位打者のジェフ・マクニールを獲得した。

 MLB.comが関係者から得た情報によると、マクニールの年俸の一部として、メッツからアスレチックスへ金銭575万ドル(約8億6250万円)が譲渡される。ちなみに、マクニールの契約は残り1年1775万ドル(約26億6250万円)だ。なお、アスレチックスはロースターの枠を空けるために、左腕ケン・ウォルディチャックのDFA(=選手をロースターの40人枠から外す措置)を発表している。

トレードの詳細
アスレチックス獲得:内野手兼外野手ジェフ・マクニール、金銭
メッツ獲得:マイナー右腕ヨーダン・ロドリゲス

 アスレチックスはア・リーグ新人王のニック・カーツのほか、ジェイコブ・ウィルソン、ブレント・ルーカー、シェイ・ランゲリアーズ、タイラー・ソダーストロム、ローレンス・バトラーといった好選手を揃えており、来季はメジャー全体でも有数の強力打線を形成することが期待されている。しかし、二塁と三塁のポジションが空いており、今オフはこの2ポジションを強化する方法を模索していた。

 現在アスレチックスのロースターに登録されている経験の浅い選手たちと対照的に、来年4月8日に34歳の誕生日を迎えるマクニールはすでにメジャーの舞台で実力を証明している。2022年に首位打者のタイトルを獲得し、メッツ一筋のメジャー8年間で通算打率.284、出塁率.351、長打率.428をマーク。今季は122試合に出場し、打率.243、12本塁打を記録した。

 メッツから金銭が譲渡されるため、マクニールの来季の年俸のうち、アスレチックスが負担するのは1000万ドル(約15億円)だけ。また、2027年シーズンの契約は年俸1575万ドル(約23億6250万円)の球団オプション(=球団側に選択権がある契約条項)となっており、200万ドル(約3億円)のバイアウト(=契約解除料)が設定されているが、アスレチックスがこのオプションを行使しなかった場合、バイアウトはメッツが負担することになっている。

 マクニールはアスレチックスが高く評価する選手のタイプにピッタリと当てはまる。汎用性が高く、本職の二塁に加えて外野3ポジションでも堅実なプレーを見せる。依然としてコンタクト能力も優秀で、今季の空振り率16.6%と三振率11.9%はいずれもメジャー全体の上位10%前後の数値である。

 トレードの対価としてメッツへ移籍する17歳のロドリゲスはキューバ出身の右腕。今年1月に国際アマチュアFA選手として契約金40万ドル(約6000万円)で入団したばかりで、アスレチックスの有望株ランキング上位30人にはランクインしていなかった。

 マクニールの加入により、正遊撃手ウィルソンと形成する二遊間コンビは相手投手にとって最も厄介な1・2番コンビとなる可能性もある。ウィルソンは今季523打席でわずか39三振と非常に三振が少なく、マクニールも今季462打席で55三振にとどめた。相手投手はなかなか三振を奪うことができず、苦労するはずだ。

 アスレチックスは今後、三塁手の補強を狙うと思われるが、マクニールの加入で二塁のポジションが埋まったため、ダレル・ヘルネイズ、マックス・マンシー、ブレット・ハリスといった若手選手たちに三塁のポジションを競わせる可能性もある。なお、今回のトレードにより、左肩脱臼からのリハビリ中でスプリングトレーニング開始に間に合わない可能性がある二塁手ザック・ゲロフの今後の起用法は、さらに不透明になった。


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