村上の加入はホワイトソックスを刺激的な新境地へ誘う
2025.12.24 11:48 Wednesday
村上宗隆が2年3400万ドル(約54億円)でホワイトソックスに加入すると聞いたときの、ホワイトソックスの1年目の打撃コーチ、デレク・ショモンの反応はファンの反応を代表するものだ。
「とても興奮している。電話を受けていたときは作業中だったので、少しの間、お祝いするために中断した。近い内に彼(村上)と連絡を取り、何か動き出すのを楽しみにしている」
25歳の村上は22日(日本時間23日)、本拠地レートフィールドで行われた記者会見で、正式にホワイトソックスファンにお披露目された。アンドリュー・ベニンテンディが2023年1月に5年7500万ドルの契約で加入してから、サウスサイドでこういった選手記者会見が行われるのは初めてのことだった。
村上との契約は、今回のチーム再建における他のどの補強とも一線を画す。2022年に22歳で史上最年少の三冠王に輝き、56本塁打、134打点、打率.318を記録した村上は、ホワイトソックスでプレーする4人目の日本人選手となる。日本での村上の絶大な人気と、その才能への期待は、2005年の世界一に貢献した井口資仁や高津臣吾と比べても、類を見ないものだ。
「これほどの実力を持つ選手はこれまでいなかった。これほどの人気を持つ選手もいなかった。彼らは20年前、つまりインスタグラム、ツイッター、フェイスブック、ティックトックなど、どんなプラットフォームでも瞬時に情報が伝わる時代よりずっと前に活躍していた。今では世界中の人々に情報やハイライトを瞬時に届けられる。これは私たちにとって、国際的なマーケティング活動、ホワイトソックスブランドを国際的に成長させる絶好の機会であり、彼と彼のチームメイトの個人ブランドの成長を支援する機会でもある。ビジネス面でも非常に楽しみにしている」と、ホワイトソックスの球団副社長で収益・マーケティング部門トップのブルックス・ボイヤーは語る。
ボイヤーはいかにカブスが今永昇太と鈴木誠也を、ドジャースが大谷翔平、佐々木朗希、山本由伸を戦略的に売り込んでいるかを指摘した。
「やるべきことはたくさんあるが、まずは彼に野球に集中してほしい。マーケティングやスポンサー契約など、他のことはフィールドで成功すれば、すべて上手くいくはずだ」
「このような選手の存在は、野球界の成長に貢献してくれる。日本のファンが、自国の選手がメジャーリーグで活躍するのを見たいと願うのと同じくらい、ホワイトソックスのファンも、ホワイトソックスがメジャーリーグでより競争力を発揮する姿を見たいと願っている。彼の成功を応援するファン層は多岐に渡る」
クリス・ゲッツGM率いるフロントは、村上のフィールド内外のニーズのすべてに対応するため、必要なインフラを整備している。村上はシカゴでの生活について、鈴木と今永に既に相談しているという。ショモン打撃コーチは、村上と攻撃面で練習を始める準備が出来ている。
「常に、そして永遠に、取り組まなければならないことはある。年が変われば状況は変わる。一つの問題を解決すれば、リーグ全体がそれに適応し、今度はまた別の問題を解決しなければならない。常に追いかけっこをしているようなものだ。彼には仕事に対する倫理観があり、情熱もある。彼は挑戦を強く望んでいる。だからこそ、彼がここに来て、戦いの場に加われば、こうした面で一歩先を行く大きなチャンスがある。三冠王、WBCでの勝負強いヒットなど、彼には確かな実力がある」
本物の才能である村上は、ホワイトソックスが密かに獲得を進める中、既に新しいチームメートの興味をそそっていた。
「何人かの選手から『これって本当?』と言われたよ。僕は親指を上げたよ。それはまた少し前のことだと思う。未だにずっと噂が立たなかったことが信じられないよ」と、ゲッツGMは語った。
