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アロンソら複数の主力選手が抜けたメッツ 今後の補強プランは?

2025.12.27 09:16 Saturday

 ジェフ・マクニールをアスレチックスへ放出したトレードは、メッツのデービッド・スターンズ編成本部長にとって、チームの行方を左右する重要な転換点となったようだ。今オフ、メッツは主力選手が次々に退団。その穴をどのようにカバーするかが、2026年シーズンの成功を大きく左右する重要な鍵となるだろう。

 オフシーズンの残りでメッツが戦力アップするための方法はまだたくさんある。ここでは、いくつかの特定の分野について見ていこう。

打線の補強は派手なものではないかもしれない

 メッツがカイル・タッカーやコディ・ベリンジャーと契約することを期待している人もいるはずだ。その願いは叶うかもしれない。しかし、それは彼らの価格が予想以上に下落した場合に限られるだろう。メッツは外野手の補強が急務であり、開幕までに獲得するつもりだ。球団2位の有望株であるカーソン・ベンジの実力が未知数のため、保険として実績のある外野手を獲得しておくのが望ましい。ただし、メッツはベンジの出場機会をブロックしたくないと考えている。よって、よほどのことがない限り、長期契約で外野手を迎え入れることはしないだろう。

 そして今、メッツの関係者は外野手との長期契約が必須だとは考えていない。ピート・アロンソとの再契約を見送るという難しい決断を下したばかりのメッツは、30代中盤から後半まで続くような長期契約を結ぶことに対して積極的ではない。スターンズ編成本部長は必ずしも長期契約について否定的に考えているわけではないものの、長期契約に値するフリーエージェント(FA)選手が残っていないことなども含め、メッツが今オフ、大型補強に動かない理由はいくつもある。

 昨オフ、メッツはフアン・ソトと15年契約を結んだ。これは将来の殿堂入り選手が26歳という異例の若さでFA市場に出てきたからこそ実現した契約だ。しかし、今オフはソトに匹敵する選手がいない。そのため、FA市場のトップ選手が短期契約に応じない限り、メッツが大物選手を獲得することはないだろう。複数の有望株がメジャーでの出場機会をうかがっており、メッツは攻撃力が多少落ちた状態で2026年シーズンを迎えることになっても構わないと考えている。

 もしメッツがタッカーやベリンジャーを獲得しなかったとしても、その代わりに獲得できる外野手はまだ市場に残っている。ハリソン・ベイダーを呼び戻すことも1つの選択肢となるだろう。もちろん、トレードによる外野手補強に動く可能性もある。

ローテーションは依然として懸念事項

 オフシーズン開始以来、先発投手陣の補強がメッツにとって最優先事項であり、それは今も変わっていない。ポストシーズンでチームにインパクトを与えてくれるような一流の先発投手を獲得できるのが理想だ。しかし、外野手のケースと同様に、メッツは将来性のない長期契約には消極的だ。また、トレードで一流の先発投手を獲得するためには極めて大きな対価が必要であり、メッツは慎重な姿勢を崩していない。

 メッツにとって朗報なのは、ディラン・シースがブルージェイズと7年2億1000万ドル(約315億円)の大型契約を結んだあと、それに連動してFA市場の先発投手の価格が急騰するという現象が発生しなかったことだ。フランバー・バルデス、レンジャー・スアレス、ザック・ギャレンらがまだ市場に残っており、メッツが希望する水準まで価格が下落する可能性も残されている。また、今季は成功しなかったものの、メッツの関係者は市場に残る選手の中から「掘り出し物」を見つけ出すことに自信を持っている。

 メッツが求めているのは、ローテーションに安定感をもたらすことができる投手、つまりイニングを稼ぐことができる投手だ。千賀滉大やショーン・マナイアにその役割を期待するのは難しく、それ以外の先発投手には若手が多いため、多くのイニングを投げてもらうことを計算することはできないからだ。

新たな野手のコアが形成されつつある

 メッツはロースターの大幅な入れ替えをオフシーズン当初から予定していたわけではない。放出が難しいと思われていた選手もいたからだ。アロンソが退団する可能性は常にあったが、ブランドン・ニモは大型契約を抱えていたため、トレード相手が見つかる保証はなかった。マクニールも同様で、成績が下落している中、トレードが成立しない可能性もあった。

 しかし、最終的にメッツはニモとマクニールの放出に成功した。アロンソも含め、3人の主力選手がチームを去り、新たな野手のコアが形成されつつある。もちろん、その中にはソトとフランシスコ・リンドーアが含まれている。また、彼らに続く存在は、2026年以降の戦いの中で台頭してくるはずだ。

 ベンジは2026年シーズン中のメジャー昇格が確実視されており、期待通りの活躍を見せれば、長期にわたってメッツを牽引する存在となるだろう。ブレット・ベイティはレギュラーとしての出場機会を与えられる予定であり、マーク・ビエントス、ロニー・マウリシオ、ルイスアンヘル・アクーニャといった若手もいる。さらに重要なのは、ベンジ以外にもジェット・ウィリアムス、A・J・ユーイング、ニック・モラビトといった有望株が次々にメジャーへ昇格する見込みであることだ。彼ら全員が次代のコアになるわけではないだろうが、こうした若手や有望株の中からソト、リンドーアとともに今後のメッツを牽引する存在が現れることが期待されている。


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