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アストロズが今井獲得を正式発表 毎年オプトアウト可能な3年契約

2026.1.3 11:29 Saturday

 2日(日本時間3日)、アストロズは2026年の球界初の大型補強として日本人右腕・今井達也の獲得を正式に発表した。契約期間は3年だが、2026年と2027年のシーズン終了後にオプトアウト(契約破棄)が可能な条項が盛り込まれており、今井が1年目から大活躍した場合、さらなる大型契約を求めて1年で退団する可能性もある。

 MLB.comのマーク・フェインサンド記者が関係者から得た情報によると、今井には3年間で5400万ドル(約81億円)が支払われる。2026年に100イニング以上投げた場合、300万ドル(約4億5000万円)の出来高が発生し、2027年と2028年の年俸も2100万ドル(約31億5000万円)に増額される。よって、今井が出来高の条件をクリアし、アストロズに3年間在籍した場合、6300万ドル(約94億5000万円)を得ることになる。

 年平均のサラリーが低く、より長期にわたる契約もオファーされていたようだが、今井は「オプトアウト付きの短期高額契約」でアストロズへ移籍することを選択した。

 今井は11月19日に埼玉西武ライオンズからポスティング公示され、メジャー球団との45日間の交渉期間がスタートした。アストロズでプレーする日本人選手は松井稼頭央、青木宣親、菊池雄星に続いて4人目となり、偶然にも松井、菊池、今井の3人は西武出身だ。また、日本球界から直接アストロズに入団する選手は今井が初めてとなる。

 今回の契約は、アストロズの「アジア地域において存在感を高めたい」という思惑が現れたものと言える。1カ月前、アストロズは過去2シーズンを韓国球界でプレーした右腕ライアン・ワイスと1年契約を結んだ。エース左腕のフランバー・バルデスがフリーエージェント(FA)となったアストロズは今オフ、4人の先発投手を獲得しているが、そのうち2人(今井とワイス)をアジア地域から獲得したことになる。

 アストロズは今井とワイスのほか、12月19日に三角トレードを成立させ、パイレーツから右腕マイク・バローズを獲得。さらに、10月には右腕ネイト・ピアソンと1年契約を結んでいる。2026年の先発ローテーションは右腕ハンター・ブラウンが軸となり、新戦力4人のほか、現有戦力のクリスチャン・ハビアー、スペンサー・アリゲッティ、ジェイソン・アレクサンダー、ランス・マカラーズJr.らによって形成される。

 アストロズが先発陣の強化、特に先発の層を厚くすることに注力しているのは、2025年シーズンに先発陣の負傷者続出に悩まされたからだ。

 2025年シーズンは3人の先発投手(ロネル・ブランコ、ヘイデン・ウェスネスキー、ブランドン・ウォルター)がトミー・ジョン手術を受け、アリゲッティも右手親指の骨折や右肘の炎症によってシーズンの大半を棒に振った。また、右肩や右肘の手術を経て3年ぶりのメジャー復帰を果たしたマカラーズJr.も複数回の負傷者リスト入りを経験。ルイス・ガルシアはトミー・ジョン手術から復帰して2度先発したが、再び右肘を痛めてトミー・ジョン手術を受けることになり、シーズン終了後に退団が決まった。

 27歳の今井は直近2シーズンを含め、NPBのオールスターに3度選出されている。ここ数年間でエース級の先発投手として台頭し、直近3シーズンはいずれも防御率3.00未満を記録。1イニングあたりの三振数も1を超えていた。特に2025年は自己最高のシーズンを過ごし、163回2/3を投げて10勝5敗、防御率1.92、178三振の好成績をマーク。4月には平良海馬とともに継投ノーヒッター(1失点)も達成した。

 2024年にも173回1/3を投げ、10勝8敗、防御率2.34、187三振と見事なパフォーマンスを披露。最多奪三振のタイトルを手にした。

 西武では一軍昇格後の8シーズンで963回2/3を投げ、58勝45敗、防御率3.15、907三振を記録。2023年以降に限れば、防御率2.18と素晴らしい成績を残し、9イニングあたりの三振数は9.5となっている。

 今井はポスティング制度によるメジャー移籍を目指すことが正式発表された際、球団を通じて「これまで毎年、リーグ優勝や日本一を目指してプレーしてきましたが、その思いはチームが変わっても同じです。勝利にこだわり、チームの力になれるよう全力で投げていきます」とのコメントを発表していた。

 今井のピッチングの軸となるのはフォーシームとスライダーだ。フォーシームは2025年に平均94.9マイル(約153キロ)を計測し、これはメジャーの先発右腕の平均(94.6マイル)をわずかに上回っている。速いときには90マイル台後半に達することもある。スライダーは平均86.2マイル(約139キロ)を計測し、空振り率は46%に達した。

 ほかに、質の高いチェンジアップも持っており、主に左打者に対して使用する。2025年は平均85.5マイル(約138キロ)を計測し、空振り率41%を記録した。これら3球種に加えてスプリットとカーブも投げ、さらに2025年シーズン中には握り幅を広げた「バルカンチェンジ」もレパートリーに加えた。

 今井はポスティング制度を利用してメジャー移籍を目指していた注目の日本人選手の1人だ。ほかにはホワイトソックスと2年契約を結んだ村上宗隆や交渉期限が迫る中で去就が注目される岡本和真らがいる。村上と岡本はともに野手であり、日本球界からのメジャー移籍を目指す投手の中ではトップの存在と目されていた。

 11月に行われたゼネラルマネージャー(GM)会議の際、今井の代理人を務めるスコット・ボラス氏は今井をドジャースのエース・山本由伸と比較し、山本のような日本の好投手がメジャーの舞台でスター級の活躍を見せていることを指摘した。山本はメジャー2年目の2025年にワールドシリーズMVPとなり、サイ・ヤング賞投票でもファイナリスト入りを果たした。

 ボラス氏は今井について「間違いなく、彼は山本が日本球界で成し遂げたことすべてを成し遂げた」と語り、ここ数年間の活躍ぶりを称賛していた。メジャーの舞台でも山本のような活躍を見せることができるか。アストロズ・今井達也の挑戦がいよいよスタートする。


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